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タイトル無し  作者: ルル
72/75

72話

――――――(3ヶ月後)


内村陽太

「じゃあパッパと済ませて5分後には帰るからね!」


2月の初めごろ

これまで厳しい模試の結果を突きつけられ精神エグられ全てを犠牲にして勉強し最後の模試ではB判定を取る事が出来た。


内村陽太

「書類選考の人も話は聞いといてね。」


公立高校の入試まであと5日

そして明日は併願の私立高校の入試

わたしの併願校は市内で名高い小中高一貫校

本当はもうワンランク上の名門校を併願したかったけど内申が2つ足りなかった為併願出来なかった。


私の県では私立高校は決められた内申点を取らないと受けることは出来ない。逆に内申さえとってしまえば合格確実


ただ面接で舐めた態度を取ったり服装があまりにも乱れていたり等おかしい奴は不合格になる。


内申を一切見ないオープン入試もあるが名門校だと高校の内容が出題されたりするので難関だ。

そこで落ちたら洒落にならない。


それに私が併願する高校なら公立落ちてもいいって思う人はいるくらいだし。


私は絶対に嫌だけど。


内村陽太

「入試終わったらリーダーの人は連絡よろしくね。結果は入試受けた2日後に郵送されるからその結果報告も直ぐによろしく。頼むから合格だって言ってね。」


――――――(2日後)


別に合格することなんか分かりきっているけどね。でも普通にドキドキする。

わたしは大きな封筒の封を汚く破るように開けて紙を出した。


清水音羽

「キター!!転列合格キター!!」


私が併願した私立高校には普通科と特進科がある。普通科は偏差値54で特進科は偏差値64

もし普通科を受けてる人の入試の点数が優秀だった場合は特進科に転列合格することがある。


わたしは気分良く残りの希望ヶ丘合格へ向けて勉強した。


―――――(入試当日)


「難し過ぎない?」

「長文で心折れた。もうやだ。落ちる。」


予想もしなかった。

去年傾向が変わったばかりだから今年は去年の傾向のままかまた戻るかと思ってたのにまた傾向が変わるなんて。


過去問解いても意味ないじゃん。

過去問ボロボロにして何十週したと思ってるんだ。


「数学難しすぎる!」

「証明が穴埋めで助かったよ。」

「詰んだんだけど。」


英語に続き数学まで変わりやがった。

普段出ないような問題も出たし。

そこちゃんと勉強しておくんだった。

証明極めた意味ないじゃん。

折角全証明にも対応出来るまで極めたのに。


「最後の問題って過去の模試にも出たよね?」

「でも選択問題は変わってた。」


国語は簡単だった。

過去に模試で出た問題もあったし。

しかも嫌いな自分の意見書く系のやつ

ちゃんと模試直ししてて良かった。

国語はラッキーだ。


「塾の先生が予想した問題出たの!」

「いいなー!でも簡単でよかったよ!」


合格者の平均点が35点の年があり毎年1番難しい理科は今年は簡単だった。

理科は得意分野だったから期待出来る。


「ムズすぎない?!あれ全部応用だよね!」

「やっぱり社会は難しいよ。」


最後の社会は完全に死んだ。

単に知識を覚えれば解けるほど甘くなかった。

そんなことは知っていたけど今年は難しすぎる。


――――――(数日後)


「今年数学難しかったよね!」

「もう落ちてもいいや。」


受験から解放された快感と合格発表への不安が連鎖してよく分からない状態だった。


でも解放感の方が大きいかも。

もう毎日塾通いしてアホみたいに勉強する必要なんて無い。朝だって無理に早起きして勉強する必要無し。


朝は7時に起きて学校行く時間までYouTube見て学校から帰ったらまたYouTube見てゲームする。最高すぎる。


こんな生活したの1年ぶりくらいだ。


大石大地

「自己採点どれくらいだった?」


清水音羽

「もういやあ・・・」


でも合格発表まで2週間も間があるって怖い。

結果は早く知りたい。落ち込むなら早く落ち込みたい。喜ぶなら早くはっちゃけたい。


「落ちたら死のうぜ。」

「死に場所どこにする?首吊りとか良くない?」


大石大地

「おれ落ちるかも。マジで。ああー。私立行ったら親に合わせる顔がない。お前は良いよな。金持ちだから。」


清水音羽

「あれだけ勉強して落ちるとかダサすぎだわ!私こそ毎日丁寧に教えてくれた白澤先生とかに合わせる顔無いわ!て言うか何点だったの?」


大石大地

「社会でヘマして299点」


清水音羽

「ハア?!大地の志望校なら受かるでしょ!例年通りでもね!タダでさえ今年はバカ難しくて平均点低いのに。て言うかワンランク上でも受かってるわ!落ちる落ちる詐欺やめろよ!」


入試前は落ちたら死ぬ死ぬ詐欺

入試明けは落ちる落ちる詐欺

ほとんどの人がそれをやっている。

本当にギリギリな人から見たら鬱陶しくて仕方がない。


清水音羽

「ごめんちょっとキレ過ぎた。」


大石大地

「ああ。俺も悪かった。今年倍率高くて不安で。お前のとこの高校よりは低いけど。」


大地の志望校は中堅校だが評判良くて倍率が高い。毎年1、3くらいだが今年は1、4だった。


私のとこは毎年1、6くらいだが今年は2倍越えた。その代わりに夏目や清嵐の倍率が地味に下がった。みんな怖気付いて希望ヶ丘に逃げてきたのか。


ちなみに私の自己採点は390点

特色は70点なので特色が足を引っ張るなんてことは無いけど危ない。


もし3年間真面目に勉強して内申をちゃんと取っていたら受かる可能性があったのに。































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