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タイトル無し  作者: ルル
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67話

なんて大袈裟に表現する事でもないか。

陽菜ちゃんのお父さんかと思ったけど陽菜ちゃんは知らないみたいだし。


もしかしてそういう現場に来てしまったのか。


花井亜矢

「お父さんの会社の人よ。」


清水涼太

「し、失礼しました。ご主人によろしく。」


誤魔化そうとしてるのがバレバレだ。

その人は逃げるようにこの場から去った。


花井陽菜

「ちょっとトイレ行ってくる。」


そして亜矢さんと私と二人きりになった。


花井亜矢

「わ、分かっちゃった?」


清水音羽

「・・・・はい。」


でも私には関係ないことだ。

陽菜ちゃんは可哀想だけど。


花井亜矢

「さすがね。」

――――――――

「・・ククッ・・アハハ・・」


やっぱりそうだ。

もうあいつしか考えられない。


大石大地

「・・・真城」


彼女は不気味に笑っていた。


真城アリス

「なに?」


彼女は前髪をどかして俺の目を見た。


大石大地

「・・・」


真城アリス

「私にあったことあの子には言わないでね。」


大石大地

「なんで?」


真城アリス

「わたしもうすぐ死ぬから。」


大石大地

「へえー。そうなんだ。」


真城アリス

「何それ、反応かるっ・・・まあいいけど。」


大石大地

「今さらあいつはお前が死のうが何も感じないよ。」


俺は冷たくそう言い放って歩いていった。


真城アリス

「・・・・そうなんだ。」


半年も会ってないと

親友だと思っていてもその程度の感情になるんだ。

――――――――


花井亜矢

「やっぱり父親の顔は忘れられなかった?」


清水音羽

「ん?・・」


この人何言ってるんだ?


花井亜矢

「え?分かってたんじゃないの?さっきの人が誰なのか。」


清水音羽

「えっと・・その、私に関係無いことですし・・」


なんで私が親戚とは言え浮気に対して口を出さなきゃいけないんだ。


花井亜矢

「・・・・」


嫌われてんのか。

それとも戸惑ってるだけ?


しばらく無言が続いた。


清水音羽

「・・・」


なんか会話が噛み合わない。

でも私が知っちゃったくらいで家庭崩壊はしないと思うし。さすがにね。


清水音羽

「あの人誰ですか?」


花井亜矢

「え?・・分かってたんじゃないの?・・・貴方の父親でしょ。」


これは聞かない方が良かった。

私は酷く動揺して表情が固まり喋らなくなった。


花井亜矢

「もしかして何か勘違いしてた?」


清水音羽

「ごめんなさい。突っ込んじゃいけない問題だと思ってました。」


花井亜矢

「バカね。」


そんな顔させるくらいならその方がずっと良かったかもしれない。そんな気はマジでないけど。


花井亜矢

「・・・どう思う?」


清水音羽

「なんとも思えません。」


音羽はそう言ってこの場から去ろうとすると


花井亜矢

「待って!」


清水音羽

「・・・」


花井亜矢

「これだけでも食べてちょうだい?」


亜矢は炊飯器のご飯でおにぎりを3つ作って

ラップで包み音羽に渡した。


花井亜矢

「ろくなものしかなくてごめんなさいね。今度何かオカズになるもの作っておくから。」


清水音羽

「ありがとう・・ございます。」


出来たてのおにぎりが温かい。

いいな。誰かの手料理が食べられて羨ましい。


音羽はおにぎりをカバンの中に入れてこの場から去った。

―――――――――


大石大地

「ねえ、」


足を止めてアリスに話しかけた。


真城アリス

「なに?」


大石大地

「それ病気?それとも死ぬ死ぬ詐欺?」


真城アリス

「この二択なら詐欺の部類に入るかな。もう完治してるし。わたしは本気だけど。」


大石大地

「音羽には言わない。あと万が一お前の気が変わっても絶対に言うな。」


真城アリス

「・・・大石くん人殺したことあるでしょ?」


大地の表情が変わった。

暗い表情から驚いた表情へと


真城アリス

「わたしそういうの分かるんだよ。でもどうして?」


大石大地

「・・・・」

―――――――――――


わたしはひたすら走っていた。

逃げるように必死に。


清水音羽

「バカみたい。」


なんでこんなに動揺してるんだろ。

私にとって親はどうでもいい存在

父親なんか論外


「ねえ、」


清水音羽

「あなたは・・・」


後ろから声をかけられた。

さっきの男だ。


清水涼太

「俺が誰だか分かる?」


清水音羽

「・・・・」


私は何も言わずに頷いた。


清水涼太

「そう。何か言いたいことある?」


清水音羽

「ありません。今まで親は居ないものだと思って生きてきましたから。」


清水涼太

「ああそう。気が合うね。俺も娘は居ないものだと思って生きようとしてたよ。でも無理があるみたい。」


男はカバンからハンカチと


清水音羽

「っ・・」


ナイフを取り出した。











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