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タイトル無し  作者: ルル
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6話   

転入してから一ヶ月後の10月

転入仕立ての頃とは違いだいぶ涼しくなり夏服では肌寒くなってきた。


因みにこの学校の制服は男子は白のワイシャツに黒のズボンと言うどこの学校にもありそうな服装だ。そして冬は学ランで寒い時はワイシャツの上にベストを着る。


女子はセーラー服だ。

夏は上が白で襟は関西襟になっていてリボンは赤

スカートは黒で校則として長さは膝頭が見える程度

靴は白でないとダメらしい。靴下の色もだ。


冬は夏服の黒いバージョンでめっちゃ寒い時はコートの下にカーディガンを着て登校する人が多いらしい。


まあそんなことはけっこうどうでもいい事何だけど。

今日は本当に最悪の日だ。


「ねえねえ!あの人めっちゃ綺麗じゃない?!」

「今日3者面談だし誰かのお母さんかな?」

「にしては若すぎない?OBとかじゃない?それか他の学校の先生とか。」

「でも隣に子供らしき人がいるよ?」


あーあ。校門入って早々に部活やってる奴らの注目の的だよ。

私は今日3者面談で今、母親と一緒に歩いている。

うちの母親は31歳と14歳の娘がいるとは思えない年齢だ。

モデル体型で背が170cmと高く腰まで届く綺麗な黒髪が印象的だ。

服装も家ではシャツとかだけど出かける時はオシャレだ。

たぶん人によっては22歳って言っても誤魔化せる。


坂下真理亜

「どうぞお入りください。」


「失礼します。」


廊下でしばらく待っているとわたしの番が来たので教室の中へ入った。


坂下真理亜

「どうも始めまして。音羽さんの担任の坂下です。」


なんか若干表情作ってない?

営業スマイル的な・・


清水桜子(きよみずさくらこ)

「こちらこそ。いつも音羽がお世話になっています。」


坂下真理亜

「音羽さんなんですが。転入して来てからすぐにでは無いですけど大分クラスに打ち解けてきました。」


清水桜子

「そうですか。なら良かったです。私も転勤が多いので友達が出来ても突き放しちゃうことが多くて不安だったんです。」


嘘つけ。私のことなんか・・・


坂下真理亜

「仕方ないですよね。」


清水桜子

「はい。でも今度の職場は長くいられそうなのでここで上手くやってるなら安心です。」


坂下真理亜

「はい。・・・それで成績なんですけど・・」


坂下先生が成績表を私達の目の前に差し出した。


清水桜子

「ハア?!」


成績表を見た途端に作り笑顔してた母親の表情が一気に曇った。


清水桜子

「どっ・・どど・・どういうこと?!・・これ100点満点のテストですよね?!」


坂下真理亜

「はい。・・」


私の成績が一年の頃よりも下がっていて唖然としている母親だ。

五教科オール2音楽は3それ以外全部2


坂下真理亜

「技能教科は仕方ないと思います。テストは転入してからすぐでしたので。ですが五教科は非常にマズイです。英語と数学に関してはほぼ1に片足突っ込んでます。国語はもう少し頑張れば3に上がれます。」


清水桜子

「すいません。あまりにも酷すぎて驚いてしまいました。」  


坂下真理亜

「これは高校受験の内申に全く関係ないので次のテスト頑張りましょう。次もこの成績だと行ける高校が無くなるので。」


清水音羽

「・・・・」


そんな感じで3者面談は終わった。


廊下に出てしばらく歩いて最初に言われた一言が


清水桜子

「あんたって本当にクズね。」


こう言うのはもう言われ慣れてる。


大石大地

「あーもう!うるさいな!」


階段から降りてると聞き覚えのある声が聞こえた。

何かに苛立ってるような声だった。


「口が悪いぞ!言葉遣いちゃんとしろよ。」


そういや大地と同じ日だったな。

父親と一緒か。


大地たちが階段を上り私たちは階段を降りていたのですれ違った。


大石大地

「よお音羽!成績どうだった?」


清水音羽

「クソだった。」


そんな会話だけした。

やばい。また何か言われる・・・


「あれ、清水さんじゃないですか!」


清水桜子

「あら、大石さん?」


今度は親たちが親しげに話し始めた。


「お子さんがいることは知っていましたけどまさか僕の息子と同じクラスとはね。」


清水桜子

「私もおどろきました。ここで話しすぎても他のクラスは面談中で迷惑になるので話の続きはまた明日しませんか?」


「そうだね。それじゃあ。」


かなり親しげだったけど会社の上司かな?


清水桜子

「あんたさあ・・あの口の悪い男と友達なの?」


さっきの人と笑顔で話してたのとは裏腹に口調を厳しくして私に聞いた。


清水音羽

「席が隣なの。だからよく話すだけ。」


友達ってなんなの?

どういう関係が友達なの?


清水桜子

「そう。・・まあいいわ。」


母親がそう言い会話は途切れた。


清水桜子

「でも付き合う友達は考えてよね。前みたいに頭の悪い連中と夜まで遊びほけてたりされちゃ困るから。そんなことしてるから成績があんなに下がるのよ!」


「遅いよ!・・罰としてこれ、してみようか。」

「ええー。死んじゃうんじゃないのー?」


遊んでなんかいない。

遊ばれていたんだ。


清水桜子

「あんたに私と似てるところなんか一つもないんだから。頭悪いし運動神経悪いし私に背も小さいし。あんたなんか・・・」


生まれて来なければ良かった。









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