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タイトル無し  作者: ルル
58/75

58話 

絶望した。


清水音羽

「・・・」


期末テストの結果が返されたあとに模試の結果も返された。


「どうだった?うちマジでやばい。」

「安全圏だけど・・・ギリギリの安全圏かな。」


大石大地

「先生おれマジでやばいです。」


絶望した表情でそう言った。


白澤光輝

「まだ夏だよ?これから上がるって。頑張ったら三ヶ月で偏差値5つくらい上がるから。」


大石大地

「あーあ。・・・」


白澤光輝

「清水さんはどうだった?」


清水音羽

「現実を思い知らされました。」


D判定だった。

しかもE寄りの。


涙目になり結果が書かれた紙を片手で強く握って落とすようにカバンの中に入れた。


白澤光輝

「・・・・」


―――――――

この子はそんな簡単に折れる子じゃない。


清水音羽

「先生!理科の教科書借りてもいいですか?」


白澤光輝

「いいよ!わからない問題あるの?」


白澤先生がそう言って教科書を持って来て自習室に入った。


清水音羽

「どこが分からないというか何もかもが分からないです。」


白澤光輝

「みんな理社は出来が良くなかったからね。30点台とかゴロゴロいるから。」


わたしも30点台だったけど。

模試と定期テストを一緒にしちゃアカンな。


清水音羽

「夏休みじゃテスト勉強もあって時間が足りなくてとりあえず重要な英数はしっかりと復習したんですけど理社は日帰りトレーニングでしかやってないんですよ。」


白澤光輝

「なるほどね。それじゃかなりの量をやらなくちゃいけないけど。」


清水音羽 

「はい。」


白澤光輝

「本当にキツイよ?ほら、あれくらいの高校だと今の時期から過去問解いてる人とかいるし。それに特色検査もあるし。二次選考通過したいならその人たちよりもっと高い点数を取らなきゃいけないし。」


清水音羽

「分かってます。でもわたし・・・」


行きたいの。

それとも今の私がどんなに勉強したって努力どうこうの問題じゃなくて物理的に不可能なの?


白澤光輝

「分かった。じゃあこれからキツっつい宿題出すからね。」


そう言って白澤先生は二冊のテキストを持ってきた。


白澤光輝

「これを一日4ページずつやっといて。1教科4ページずつだからね。そしたら一ヶ月で終わる。でもインプットばかりじゃなくてアウトプットもしてね。」


清水音羽

「一通りインプットしたらアウトプットをしてその日もまた四ページインプットするってことですか?」


白澤光輝

「その通り。まあアウトプットするタイミングは清水さんに任せるよ。でも学校で習ってる内容もちゃんと勉強してね。今回のテストの点数をキープ出来るようにね。一ヶ月後にこのテキストの内容からランダムに問題を選んでテストするから。」


清水音羽

「はい。頑張ります。」


―――――――(次の日)


「やばい!わたしCなんだけど!」

「マジで?!わたしも!」


国語の作文が返された。


内村陽大

「AからEのご段階でつけてるからね。cは普通でそれより下がヤバめ。BがAみたいなものだから。」


わたしはBだった。

でも六枚書いたら加点されるらしいしだとしたら内容的にはCなのか。


――――――――


清水音羽

「あれ、?」


夜の10時ごろ

塾が閉まる時間なので勉強道具をカバンの中に入れてる時の事だった。


清水音羽

「これ、間宮さんのスマホ・・」


間宮さんは夏目大学附属高校の三年生

一応同じ屋根の下で暮らしてるけど未だにマトモに話したことがない。

最近は帰ってこないし。やっぱり胡桃の言ってた通り男なのか。


そういえば胡桃ともあれ以来会ってない。大丈夫かな。


――――――


清水音羽

「あ・・」


間宮恵那

「私のスマホ返してくれる?」


家に着くとリビングの明かりが付いているのが見えた。

ドアを開けて入ってみるとソファーの上に間宮さんが座っていた。


清水音羽

「あ、ごめんなさい。」


私は謝りながらカバンの中に入っていたスマホを渡した。


間宮恵那

「ほんと最悪!」


間宮さんはそう言って勢い良くスマホを手に取り自分の部屋に入った。

やっぱこの人は苦手だ。














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