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タイトル無し  作者: ルル
53/75

53話

南沢胡桃

「へえ・・・内村喋ったんだ。」


胡桃が忘れた荷物を音羽が届けてきた。


清水音羽

「なにか悩んでるの?」


南沢胡桃

「さあね・・」


音羽が真剣な表情で聞くと

胡桃は笑って誤魔化した。


清水音羽

「・・・」


言いたくないことなのかな。

普通そうだよね。

私たちは何歩か譲って友達と言えるかもしれないけど親友ではない。


南沢胡桃

「まあなにか無いわけないんだけどさ。音羽はどう思ってるか知らないけど私は音羽のこと大好きだよ?」


清水音羽

「ありがとう。」


南沢胡桃

「わたし学校に友達いないの。」


清水音羽

「え?!」


すごく驚いた。

胡桃みたいなコミュ力ある人が?!


南沢胡桃

「いなくなったの。」


清水音羽

「・・・・」


いじめ?


南沢胡桃

「全部あいつのせい!!」


突然大声でそう言った。


清水音羽

「どうして?」


南沢胡桃

「・・・多分・・いや絶対!本当のわたしを知ったら音羽は私を嫌いになる。」


清水音羽

「なんで?・・意味がわからない。」


南沢胡桃

「わたしの長所って何?」


清水音羽

「え?えっと・・明るくて優しくて頭が良くて・・」


南沢胡桃

「みんなそう言うわ。音羽も同じ。私なんて本当は暗くて自己中で嫌味な奴なの。」


清水音羽 

「別に嫌いにならないよ。」


南沢胡桃

「口ではなんとでも言えるよね。」


清水音羽 

「て言うか私も今学校に友達いないから。本当に。」


南沢胡桃 

「どうして?」


清水音羽

「わたし去年の今ぐらいに今通ってる学校に転入してきたんだけど最初に話しかけてくれた女の子がいたの。すごい可愛くて努力家で性格も良かったんだけど病気に掛かっちゃって入院してるの。」


本当は病気じゃないんだけど。


南沢胡桃

「それは・・不幸だね。」


清水音羽

「人間なんて心に闇を抱えてるもんだよ。最近思い知らされたもん。」


南沢胡桃

「何があったの?」


清水音羽

「これ以上は言えない。けど隠すことに疲れたなら曝け出したほうがいいと思う。むしろ隠し続けて苦しむより曝け出していっそ一人になったほうがいいのかも知れない。その程度で離れていく友達なんか要らないし。」


南沢胡桃

「ずいぶん簡単に言うのね?」


清水音羽

「けっこう真剣に言ったつもりなんだけど。でもどうしてそこまで内村先生が嫌いなの?ドス黒さはあるけどいい先生だし。」


南沢胡桃

「わたしは生徒じゃないからわからない。それに・・・」


清水音羽

「・・・・」


南沢胡桃

「・・・なんでもない。帰ってくれる?」


――――――――


「なんて奴なんだ!!この冷血漢!!」

「なによ!その言い方は!!」


私は母親が大嫌いだ。

これは私が五歳の頃に知ったこと。


「本当のことじゃないかよ!」

「私が悪いんじゃ無いわよ!!」


私の母親はわたし以外にずっと昔子供を産んでいた。

その子は私より11歳年上の女の子

母親が16の頃に考えなしに産んでしまった子だった。

当然両親から勘当されてしまい男には逃げられたのでイヤイヤ育てていたらしい。

その子が小学五年生になると生活費は渡すものの家には帰らなくなった。

そのころに私が産まれて当時の父親と結婚した。ずっとその子の存在を隠しながら生きてきた。けどその子がマンションの部屋から飛び降り自殺したことでバレた。


「この分らず屋!貴方とは離婚よ!」

 

それから母親は私にこのようなことを言った。


「あの子は失敗作だったけど貴方はちゃんといい子になるのよ?」


人を人とすら扱わない。


「じゃないと捨てるから。」


母親に恐怖心を抱き始めた。

母親にはこのようなことを命令された。 


いい学校に通うこと。

いつも明るく優しい模範少女になること。


そして無理やり受験勉強をさせられた。

そして今通ってる女子校に合格した。

そこはレベルが高く授業にもついていけなかった。


そして私が小学六年生の頃


南沢胡桃

「はじめまして。」


内村陽大

「どうも・・」


「ごめんなさいね。すぐ戻って来ますから。」


内村陽大

「いえいえ!気にしないで下さい!」


これが出会いだった。











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