48話
こういう時どうすればいいのだろう。
清水音羽
「・・・」
教室に忘れ物を取りに行く振りをして二人の話をずっと盗み聞きしていた。
坂下真理亜
「ここでなにしてるの?」
清水音羽
「ひゃあっ!」
学年室の前で突っ立ってると坂下先生がすぐ隣りにいた。
いつの間にそこまで来たんだ。
清水音羽
「わ・・忘れ物を取りに来ただけです!!」
音羽はそう言って走ってこの場から去った。
大石大地
「・・・・」
内村陽大
「・・・・いつから聞いてたんだ。」
大地はつられるように急いで学年室から出て
走って帰った。
だけど昇降口から出たあと音羽と遭遇するのを恐れてゆっくりと歩き始めた。
清水音羽
「あ!マジで忘れ物した!」
そのとき昇降口の近くの門を出た音羽が忘れ物に気づき
走って戻った。どっちみち遭遇するじゃん。
清水音羽
「ごめん!ここにカバン置くから見といて!」
大石大地
「ああ。わかった。」
音羽は走って自分のカバンを投げるように昇降口に置いた。
教科書が多いのかかなり大きな音がした。
大石大地
「・・・・」
よくこんな気まずい状況で普通に接しられるわ。
そっか。お前はそう言う奴だ。
―――――――――――(二週間後)
坂下真理亜
「今日から三者面談始まるけど今日やる人覚えてるわよね?」
夏休みがもうすぐのころ
3年生は進路についての面談を行う。
この時期は生徒と先生で話すようだ。
坂下真理亜
「志望校はもちろんですけどそこを受けたい理由も聞きますからね。まだ面接の時みたいな綺麗事は言わなくていいけど親や塾の先生に勧められたとかつまらない理由は聞きたくありませんから。それと提出物が一つ出てないだけで評定1段階下がった人いますからね。」
―――――――(進英ゼミナール)
最近は時間の無駄のため学校が終わってからは家には帰らず塾の自習室で勉強していた。学校終わったばかりだとまだ生徒は私だけだし。
白澤光輝
「おお。来るの早いね。どこか分からないところある?」
清水音羽
「今のところは大丈夫です。」
白澤光輝
「そっか。それにしても進み早いね。もう2次関数やってるし。」
学校の授業では二次方程式の計算をやっている。
まだ解の公式は習ってないけど。割と覚えやすかった。
清水音羽
「ああ!そう言えばありました!!この一次関数と二次関数がごっちゃになってるやつです!」
白澤光輝
「これ難しいよね。一次関数分かる?」
清水音羽
「いいえ。」
白澤光輝
「忘れちゃってるか。そうなると教えるの時間かかるんだよな。これ宿題?」
清水音羽
「授業の前に予習しとこうかなって思ってて。わたし初めてやる内容はすごく時間かかっちゃって。」
白澤光輝
「ああ。そう言えば授業の時も妙に間違いが少ないと思った。でもここまで進んでたら無理に進める必要ないし復習したほうがいいかも。これから夏休みだからその時に清水さんの苦手なところを潰していけば。」
清水音羽
「そうですね。」
白澤光輝
「じゃあどこからやりたいか決めておいてね。」
清水音羽
「はい。」
わたしはそう返事をして数学のテキストをペラペラと捲った。
白澤光輝
「あれ、随分早いね。」
すると誰かが来たのか自動ドアが開く音が聞こえた。
大石大地
「3年生は面談があって部活がないので。おれ今終えたところです。」
白澤光輝
「どうだった?」
大石大地
「3ばっかでヤバイです。英語は5でした。」
そんな感じの話をしていた。
私がページを決めて他の教科をやろうとしたときカバンの中のスマホから音が聴こえた。
清水音羽
「え・・・」
表示された相手の名前を見て声を漏らし
スマホを持って外に出た。
清水音羽
「ハイもしもし。」
―――――――――――(次の日)
ああいやだ。ああいやだ。
わたしの面談は親がああだから今回は二人でって話だったのに
清水桜子
「・・・・・」
なんでよりによって来るの。
わたしたち半年近く会ってないのに。
坂下真理亜
「どうぞお入りください。」
前の人が終わり私の番になった。
教室に入って軽く挨拶をして
坂下真理亜
「こちらが仮内申です。」
普通は前期の内申は前期が終わる頃に出るのだが
3年生は進路を決める目安として仮内申がでる。
なので期末の結果によっては下がることも上がることもある。
坂下真理亜
「以前に比べたらかなり伸びてます。休み時間もずっと勉強してますし。」
わあ。オール4だ。
五教科全て4だ。
国語は70点だったのに。内村先生めっちゃオマケしたな。
でも・・・
清水桜子
「社会の点数は94点となってますが評定は4なんですね。あんた授業中なにしてたの?」
そこだ。少々厳しすぎないか。
挙手とかしてたのに。
坂下真理亜
「社会の授業は生徒の大半は寝てますからね。」
そうだ。そうだった。
社会の先生はベラベラととにかく語り続けてマジでつまらない。
だから過半数の生徒が寝てる。寝るつもりはないのに寝てしまう。
わたしは睡眠時間が超少ないから特に寝てた。
清水音羽
「はい・・・寝てました。」
坂下真理亜
「寝るならバレないように寝てください。。それと希望ヶ丘なら5も取った方がいいですね。あそこくらいになるとオール5とかいますから。次のテスト頑張って下さい。頑張らなかったらオール3になることもありえますので。」
清水音羽
「はい。」
坂下真理亜
「ところで何で希望ヶ丘行きたいと思ったんですか?あなたの事は特に気になってるんですよ。わたしだけじゃなくて3年生の先生がね。急激に成績伸びるわで。」
清水音羽
「えっと・・自由なところに惹かれたからですかね。行事も盛んですし。」
本当は名前に惹かれたのもあるけど。
ボケーッと高校の事調べたら希望ヶ丘見つけて。
偏差値高すぎるから無理と思いつつも口コミを見たら
「青春力第一位」「一人一人が主人公になれる」「希望ヶ丘最高!!」
と、漫画みたいなことを書いていたから華のJKしたい私は誘惑に負けた。




