47話
日に日に苛立ってきた。
抑えようとも思った。
あいつのいう通りなのかもしれない。
どうせみんな自分のことだけ。
大石大地
「だってそう言うことじゃないですか!!さっきから否定するような発言してますけどこれ以外になにかいい解決法でもあるんですか?!・・やっぱりあいつの言う通り教師なんて自分のことしか考えてないだけですよね。それに加えてキレイ事しか言えないあんたみたいなのが一番タチ悪いわ!!」
本当にタチが悪い。
内村陽大
「待てよ・・確かになんの戦力にもなってないけど・・」
口ではなんとでも言えるよね?
大石大地
「いいんですよ?必死にならなくても。・・・もういい解決法は思いついてるので。これだと誰も傷つかないしメリットしかない。だから金輪際これに関して口も手も出さないでください。」
誰かに頼ってもずっと解決しない。
なら俺が綺麗に終わらせて殺る。
これしか方法なんかない。
もうたくさんだ。
感情に流されて殺ってしまった。
だけど後悔してない。罪悪感もない。気持ちいい。
内村陽大
「人の人生終わらせといてなにが正義だよ!!」
内村陽大
「あいつだって人間なんだよ!!どんなにひどい奴でも人間に生まれたからには人間何だよ!!おまえは悪い方向にしか考えなかったけどもしかしたら更正出来たかもしれないじゃん!!この先人のためになるようなことしたかもしれないじゃん!!清水やお前にも時間かけて償いをしたかもしれないじゃん!!」
この人は自分の言ってることを理解して欲しいんだと思うけど無理
むしろ呆れる。殺されたらクズの加害者の肩を持つんだ。
大石大地
「・・・・やっぱ俺あんた嫌いだわ。どこまでもキレイ事並べやがって。」
もう吐き気がする。
こいつのキレイ事に吐き気しかしない。
内村陽大
「別にいいけど。お前がマイナス思考なだけじゃない?」
大石大地
「事実を言っただけですけど。」
内村陽大
「事実?まだガキのお前が何を知ってるの?なんの根拠があってこれが正しいって思えるの?」
大石大地
「知ってますよ。少なくともあんたよりはね。あいつがクズで更正のしようがないってことくらいね。」
内村陽大
「で?その根拠は?」
大石大地
「仲間に女を強姦させるような男が人のためになるようなことをするわけがない!!それ見て面白がって動画撮って脅すような奴が。挙句ネットに投稿しやがった。まあ俺があいつを殺った時にスマホ奪って消しましたけど。」
内村陽大
「ごう・・かん?」
大石大地
「驚きました?驚くに決まってるわなあ!!あのまま調子に乗ったらもっとエスカレートしてとんでもない事件をやらかすんじゃないですかね。とんでもない事件と言えば・・・先生知ってます?昭和の最後だか平成初期だかに起こった事件」
内村陽大
「あ・・・ああ。・・・」
大石大地
「高校生の男数人が女子高生の女の子一人を監禁して殺した事件・・・今の俺の説明だけだとちょっと物騒な事件な感じですけど」
内村陽大
「ちょっと物騒くらいじゃすまねえなあ・・・」
大石大地
「女の子がバイクにぶつけられて男がケガした女の子を家まで送るとか言っていい人のふりをしてたんですけど遠くまで連れ込んだら俺はヤクザだ。あいつは俺の仲間だ。とか言って態度変えて脅してそのあと何したか知ってます?」
内村陽大
「強姦・・」
大石大地
「そして監禁・・ここまででもヤバイけどここからが残酷です。強姦に飽きたら暴力を振るうようになった。女の子を火で炙ったり目にろうそく垂らしたりシンナーを無理やり吸わせたり。そしてだんだんご飯とかも与えなくなって自分の尿とか便を食べ物として与え始めまた暴力を振るって殺した。コンクリート詰めで。」
内村陽大
「・・・・・」
大石大地
「しかも世間にこれが知られたのは犯人が女の子を殺したあとに別の事件をやかしたかららしいですよ。しかもそいつ今度は振り込め詐欺してるし。あんたこう言う人間にも同じこと言えるか?」
内村陽大
「・・・・」
大石大地
「やってること同じようなものですよね?強姦して暴力振って。しかも吸いたての煙草の先を腕につけられたことがあるらしいですよ。それともなんですか?殺してコンクリート詰めにしないとあいつがクズだって言えませんか?いずれ同じようなことやりますよ。中学生でそこまでするんだから。」
内村陽大
「確かに残酷なんてもんじゃなかったよ。言葉では表せない程だよ。でも誰が奴らをそうさせるような人間にした?」
大石大地
「なにそれ。未成年だからって肩持って大人の責任?」
内村陽大
「奴らの家庭環境が酷かったのも事実だ。女子高生を40日も監禁できる家がマトモなわけないからな。親だって年頃の息子の暴力が怖かったら警察に相談するなり出来たはずだ。それに何で娘が家に帰ってこなくて何もしない?学校だって無断欠席してたんだぞ。・・・俺が言いたいことなにかわかる?」
大石大地
「・・・・・・」
内村陽大
「そう言うこと。」
大石大地
「だからなに?・・音羽にも責任があるってか?」
内村陽大
「ないの?」
大石大地
「わけわかんない。加害者の肩持つだけじゃなくて被害者にまで・・・」
内村陽大
「キレイ事言ってんのはオメェだよ!!」
内村先生は大地を睨みつけ怒鳴るようにそう言った。
内村陽大
「あそこまで残虐な内容だとみんなそればかりに集中して気づかないんだよね。加害者以外の非に。あるいわ被害者の・・・残酷なこと言うけど事実なの。世の中って残酷だよ。」




