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タイトル無し  作者: ルル
40/75

40話 

清水音羽

「おっと・・教科書忘れちゃった。」


6月に入り中間テストも近くなった頃

その日も塾の自習室で勉強していた。

今は学校のワークの内容を仕上げたので教科書の細かいところの内容を覚えようとするところだった。


わたしは筆記用具などを机の上に置いて教科書を入れる鞄だけ持って塾から学校へ向かった。


「さっさと金よこせよ!!」

「いつまでも待たせてんじゃねえよ!」


すると途中の道でそんな声が聞こえてきた。

わたしは気になって声の聞こえる方向へ歩いて行った。


鈴木伊緒

「聞いてんのかよ?!」


私が見たのは五人ばかりの男女が誰かを囲ってカツアゲしてる姿だった。

どうしよう。先生に言うか。 

でもその間に逃げられるかもしれない。 

あいつのことだからうまく言い訳する可能性だって・・・


清野琢磨

「ああイライラする!!やっちまおうぜ!」


その声の主にわたしは驚いた。

よく大地といた男子だ。

でもある時期から鈴木とも関わるようになった。

あんないい奴と二年間関わっていたのにあちら側の人間になったか。


そして私は複数で暴力を振ってるのを見た。

殴ったり蹴ったり・・・


「こいつ何も言わないね?」

「バーか!こいつじゃ弱すぎて叶わないんだよ!なあ!」

「ねえ、なんか人いない?」

「えっ?マジで?」


やばい。気づかれた。

わたしは走って学校の方へ向かいとっとと教科書を取った。


「ストレス発散になるわ。」

「それなー。」


教科書を持って塾へ戻ろうとするとさっきの人たちが話しながら帰っているのを見かけた。


被害者は大丈夫か。

あれだけ大勢で殴られたりしたら歩くのも辛いんじゃないか。

わたしは気になってさっきのところへ向かった。

すると倒れこんでる人を見かけた。


清水音羽

「大丈夫ですか?!」


わたしは走りながらそう聞きその人に近づくと・・・


清水音羽

「え・・・」


そこにいたのは・・


清水音羽

「た・・・い・・・ち?」


汚れた制服

グシャグシャの髪の毛


大石大地

「・・・・」


清水音羽

「なんで?!」


大地は辛そうに立ち上がり制服の汚れを手で払い


大石大地

「誰にも言うんじゃねえぞ。」

 

わたしに一言そう言って歩き始めた。


清水音羽

「なんで?!これイジメじゃん!!」


待って・・・清野がいたってことは

あいつは友達にあんなこと・・・


大石大地

「いいから黙っとけ!!」


清水音羽

「意味わかんないよ!!まさかあんた・・」


変な勘が働いてしまった。

当たって欲しくない勘だ。


清水音羽

「あのあと解決したわけじゃなくてただあんたが身代わりになっただけじゃ・・」


大石大地

「変なこと言ってんじゃぇよ!!」


そう言って逃げるようにこの場から去った。


―――――――(進英ゼミナール)


余計な勘ばかり当てやがって・・・


白澤光輝

「わかった?」


俺はこの日授業があるのでその時間まで自習室で勉強していた。


大石大地

「うーん・・・なんとなくは分かってるんですけど・・」


俺は自信なさ気にゆっくりとペンを動かして問題を解いた。


大石大地

「あってました!!」


白澤光輝

「やったじゃん!!」


ハイタッチをして大地は次の問題を解いていった。


白澤光輝

「あれ?手首どうしたの?」


白澤先生は大地の長袖のワイシャツの中の傷のある手首を見かけて聞いた。


大石大地

「料理してたら切れちゃったんです。」


白澤光輝

「料理とかするんだ!おれ未だに大したもの作れないんだよね。大石君きっとモテるよー!料理出来る人は好感度高いって大学の友達が言ってたし!」


大石大地 

「からかわないでくださいよ。」


大地は笑いながらそういった。


白澤光輝

「そうだね。勉強の邪魔しちゃ悪いからね!テスト勉強がんばってね!」


大石大地

「・・・・はい。」


―――――(次の日)


さすがに考えすぎだったか?

でもいじめがあるのは事実だ。

わたしはどうするべきだっただろうか。

鈴木に弱みを握られているから下手なことはできない。


大石大地

「おはよー!」


清水音羽

「おっはー。」


大地が来るといつものように挨拶を交わした。


大石大地

「おれ今回のテストいけそうな気がするんだけど。」

 

清水音羽

「わたしは国語がやばめかな。」


て言うか眠い。

昨日徹夜したせいか。


清野琢磨

「えー!おまえ理科大丈夫なのかよ!物理だぞー!」


大石大地

「きのう白澤先生にみっちり教わったもんね!だから平気!」


普通に会話してるのを見て私は大地にさえも少し恐怖を感じた。


清野琢磨

「じゃあ俺も教えてもらおうかな。一緒に帰ろうぜ?」


大石大地

「おう!」





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