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タイトル無し  作者: ルル
29/75

29話 

やめよ。やめよ。

どうせ気使ってるだけだ。

いくらなんでも・・・


やっぱり今年は行かないでおこう。

とりあえずお年玉だけ用意すればいいや。


清水音羽

「わあ・・・」


わたしは学校の最寄り駅から一駅離れた町にあるマンションに来ていた。

13階建ての屋上付き。屋上には出入り自由らしい。


「早く入りなさいよ。荷物多いんだから。」


清水音羽

「は、・・はい!ごめんなさい!」


今日から一緒に住む人だ。

名前は間宮恵那(まみやえな)

県内トップ校の夏目大学附属高等学校の二年生

今は両親の遺産で生活してるのだとか。

なのになんでバイトしてるんだろう。


間宮恵那

「荷物は玄関から右側の部屋に置いてね。今は荷物運んであげてるけどこれから住むときはお互いを居ないものだと思って生活してね。」


わたしが一番苦手なタイプの人だ。

これからやっていけるかな。


大澤花凛

「ああもう!!また負けた!」


真城アリス

「すごい強くなってない?わたしけっこう焦ったよ。」


冬休みの卓球部の部室


大澤花凛

「本当は余裕で勝てるのにわたしで遊んだりしてない?」


真城アリス

「いや私のことどんだけゲスいと思ってるのよ!」


大澤花凛

「冗談だって!とりあえず大地を倒して悔しさ忘れよ。」


大石大地

「ああ。うざい。殺してやるよ!!」


―――――(音羽の部屋)


清水音羽

「ああ。疲れた。」


荷解きを終えた音羽はベッドの上で仰向けになり寝転がっていた。


清水音羽

「・・・・」


音羽はふと先日のことを思い出した。

自分にとって家族はどうでもいい存在だと思っていたのに

私はなんであんなに焦っていたのだろう。


わたしはあの人のことが嫌いなのに。

むかしから憎まれ口しか叩かない。

母親らしいことをされたこともない。

それなのに・・・


清水音羽

「もうお昼か。なにか買いに行こうかな。」


音羽は起き上がってカーディガンを着て財布を持ち

部屋から出た。


―――――(部室)


大石大地

「なんでそんな強いの?」


いつものようにあっさり負けた。


清野琢磨

「まあそうなるわな。」


大澤花凛

「もう時間だ。みんな片付けてミーティング始めるよ!」


部長である花凛が指示を出すとみんな一斉に動き始めた。


「なんか卓球部の先輩たちのキャラ濃くない?」

「それな!見てて面白いわ!」


後輩たちが片付けながらそう言っていた。


大石大地

「おれこのあと熱海に行くんだ。だから年末年始は熱海にいる。」


清野琢磨

「えー!羨まし!おれなんかどこも行かねえよ?このあと鈴木と遊ぶ約束してるんだけどさ。」


大石大地 

「・・・鈴木ってどの鈴木?」


清野琢磨

「うちのクラスのだよ!趣味が合いまくってさ!」


大石大地 

「・・・・へえ。」


大丈夫か。


――――――(マンション)


音羽はコンビニで買い物を済ませて中へ入ろうとしたが


清水音羽

「ああ!!やらかした!!」


そうだ。マンションだから中に入るにはカードキーが必要だった。

なんで家の鍵は持ってきたのにカードキーは持ってこなかったんだ。 

オートロックの存在忘れてた。

これじゃあエントランスにすら入れないじゃないか。

恵那さんは出かけちゃったしどうしよう。


「あの、ちょっといいですか?それ使いたいんですけど。」


振り向くとカードキーを持った女の人が困った様子でこちらを見ていた。


清水音羽

「ごめんなさい!」


わたしはカードキーを当てる所を塞いでるのに気付きそこを退いた。


清水音羽

「あの・・・大変申し訳無いんですけど通してくれませんか?わたし今日引っ越した者です。」


そう言ってこのマンションの住人だという証拠になりそうなマンションの部屋の鍵を見せた。


「それでもオートロック解除できるよ。ほら、」


その人はそう言ってカードキーを当てるところのすぐ近くにある鍵穴を見せた。

音羽がそこに鍵を差し込むとドアが開いた。


清水音羽

「・・・・」


音羽は顔を赤くして黙りこんだ。


超恥ずかしい。

初対面の人に話しかけるのも恥ずかしいのに・・・

バカがバレた。


「・・・私もそれやったことありますから。て言うかおかしいですよね。部屋の鍵で開けれるならカードキー無くてもいいのに。」


その人は私をフォローするかのようにそう言った。

多分悪い人ではないらしい。


「って。なんのフォローにもなりませんよね。わたし南沢胡桃(みなみさわくるみ)です。念のため自己紹介しときます。」


清水音羽

「わたし清水音羽です。中学二年です。この辺りの中学じゃありませんけど。」


南沢胡桃

「私と同い年だ!わたしももっと遠くの学校なんです!私立なんですけど栄華女子学院ってところに通ってます。」


ああ。この人絶対お金持ちだ。

栄華女子学院は偏差値の高いお嬢様学校だ。

中学でここにいるってことは頭もいいんだ。


南沢胡桃

「いまは親と離れて一人暮らし中です。」


清水音羽

「私もそんな感じです。」


南沢胡桃

「仲間ですね!」


フレンドリーな人だ。


―――――――(職員室)


今日は特に人が少なく

今は夕方だが二人以外誰もいない。


坂下真理亜

「行かないんですか。」


内村陽大

「行かなきゃダメでしょうね。でも連絡あったんですけどその子来ないみたいです。」


坂下真理亜

「良かったじゃないですか。」


内村陽大

「良くないですよ!どうせ他の人から結婚はまだか!とか恋人も出来ないのか!って聞かれるんですよ?おれまだ25だっつうの。坂下先生の両親はそういうのうるさい人ですか?」


坂下真理亜

「親の反対押し切って教師になったので大学生になってからは親に会ってません。」

 

内村陽大

「・・・・まだ仲直りしてないんですか。」


そう言えば高校時代に彼女から聞いたことがある。

高校二年でバイトして一人暮らしするためにお金貯めて

三年生になってからは奨学金免除されるように優秀な成績で合格出来るように努力してたんだ。結果は合格だった。


坂下真理亜

「そうだ内村先生・・ちょっと手伝って欲しいことがあるんですけど。」


内村陽大

「なんですか?俺に出来る事ならなんでも」


―――――(教室)


坂下真理亜

「わたし前から気になってたんです。あれ、」


そう言って坂下先生が指差したのは天井だった。

その先には理解しがたい汚れがあった。

それは上履きの跡だ。

このクラスの人ではないと思うし昔の生徒だろう。


坂下真理亜

「イス抑えてくれませんか?」


内村陽大

「まさか貴方が上る気ですか?」


坂下先生は使ってない机と椅子を運び

机の上に椅子を置いてそのイスの上に上ろうとした。


内村陽大

「危ないですよ!おれがやりますから!」


坂下真理亜

「じゃあお願いします。」


そう言って真理亜が降りようとすると


内村陽大

「あ!!」


足を滑らせた。

そして・・・・


坂下真理亜

「・・・・ふう。」


転けそうになったが上手くバランスを保って着地した。


内村陽大

「大丈夫ですか?!ケガとかしてません?!」


陽大が慌てて聞いた。


坂下真理亜

「別になんともありません。私が馬鹿でした。そもそも私達の身長じゃ届きません。ハシゴ持ってきましょ。」



















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