22話
海原美優
「最低!マジで最低!信じられない!」
デートして家に帰って電話で今日されたことを美優に話した。
清水音羽
「なんかイキナリでビックリしちゃって・・」
海原美優
「鈴木ってそういう奴なんだ。」
清水音羽
「エーミール思い出した。」
海原美優
「そう言うこと言ってる場合じゃないでしょ!嫌じゃなかったの?付き合って3ヶ月だよ?!それが高校生とかならいいかもしれないけど私たちまだ中学生だよ?!しかも半年前までランドセル背負ってたガキなんだよ?!」
音羽がいつもの乗りで冗談を言うと
美優は怒ったようにそう言った。
その声はイヤホン外してスピーカーにしなくても余裕で聞こえるレベルだった。
清水音羽
「・・・ビックリし過ぎて何も考えられない。」
初めて感じた感覚で頭が真っ白になった。
たかが数秒唇をあてただけなのに。
――――(次の日)
海原美優
「あのさ、話があるんだけれど。」
鈴木伊緒
「なに?」
月曜日の朝
伊緒が友達と話していると美優が伊緒を呼び出して人が通らないところに連れた。
鈴木伊緒
「はあ?!」
海原美優
「なに驚いてるの?よくそんな事出来るよね?」
鈴木伊緒
「歳なんか関係無いだろ。俺は音羽が好きだから。」
海原美優
「好きなら音羽の気持ちを考えてあげて。あのこ本当は嫌だったんだからね。けど鈴木が怖いから拒めなかっただけだよ。そりゃ怖がるわ。20件も不在着信とかヤバイから。」
鈴木伊緒
「・・・・」
―――――(放課後)
清水音羽
「どうしたの?教室で話したいって・・・わたし今日は早く帰らないといけないんだけど。」
二人いがい教室には誰もいなかった。
鈴木伊緒
「音羽は俺のこと嫌い?」
清水音羽
「えっ・・急にどうしたの?・・嫌い・・じゃないよ?」
鈴木伊緒
「じゃあ好き?」
清水音羽
「う、・・うん。好きだよ。」
鈴木伊緒
「きのう・・イヤだった?」
清水音羽
「・・・・・ビックリした・・」
鈴木伊緒
「答えになってない。」
なにこれ、なんか怖い。
清水音羽
「・・・分かんない・・」
鈴木伊緒
「あっそ・・分かんないか。」
伊緒がそう言って音羽に少しずつ近づき
清水音羽
「キャッ・・!」
音羽の後ろの壁に両手をつき壁ドン状態になった。
そして昨日と同じようにキスをした。
だけど今回のは長くて深かった。
清水音羽
「んっ・・ふっ・・」
そして音羽の大きな胸に手を伸ばした。
清水音羽
「イヤ!!やめて!!」
音羽は伊緒を両手で突き放して
清水音羽
「こんなことする鈴木君キライ!!もう嫌!!」
ものすごく怒って怒鳴りこの場から走って去った。
音羽はその日
泣きながら美優にその時のことを話した。
―――――(次の日)
音羽がいつものように学校へ来ると
清水音羽
「・・・・へ?」
音羽の机の上にハサミで切られた体操服が乗っかっていた。
何がどうなってんの?
「うわ来たよ。このクソビッチ」
「ほんとありえない。」
状況がよく分からないままクラスの女子たちから罵倒された。
海原美優
「ちょっと何してんのよ!」
教室に入って来た美優がハサミで切られた体操服を見て怒り
音羽を連れて教室から出た。
清水音羽
「なんでこんなことになってんの?!私なにかヤバイことした?!」
海原美優
「鈴木がデマを流したの。長いあいだ音羽がしつこく迫ってくるって。まずは仲の良い友達に相談したみたい。それがどんどん広がっちゃったの。私のとこにも情報が来てね。でもわたしは違うって言ったよ?むしろ酷いのは鈴木の方だって。でも友達だから庇うんだろとかわけわかんない事言われて相手にされなかったの。」
清水音羽
「どうしてそんな嘘をついたんだろ。」
海原美優
「逆恨みだよ。あいつは音羽のことを本気で好きなわけじゃない。体目当てなだけだよ。だから拒まれてイラついてやったの。」
何がなんだかよく分からなかった。
いきなり悪質ないじめをされて
しかも主犯が付き合ってる相手だなんて。
清水音羽
「ごめん・・なんか急に気持ち悪くなった。早退するから!」
これからのことが恐ろしすぎて仮病を使って逃げた。
海原美優
「・・・・うん。先生に言っとくよ。」
毎日のようにやってたLINEだったがその日から鈴木からのメッセージが来なかったので美優の言ってることを信じざるおえなかった。
そして一週間経つと親に仮病がバレて無理やり学校へ行かされた。
「ねぇ来たよー?」
「うわっ!最悪!」
あさ学校へ来るとクラスメートがこちらを睨み嫌そうな顔で喋っていた。
わたしだって行きたくなかった。
もう嫌だ。
こんなの理不尽過ぎる。
海原美優
「あんた達バカじゃないの?!あんなデマ信じて」
するとその女子たちに怒った口調で美優が言うと
「バカはあんたでしょ!」
「こいつ超ムカツク!鈴木君が嘘ついてるって言うの?!」
海原美優
「なんだそれ。あんたたち鈴木信者かよ!じゃあ聞くけど音羽が鈴木に付きまとったって言い切れるの?!言い切れるなら何でか言ってみなさいよ!こちらが納得できる理由でね!」
「・・・だって嘘つくような人じゃないもん!」
「清水さんって大人しくて何考えてるか分からないし。」
海原美優
「全然納得できない!それはあんたらが音羽と関わったことが無いからでしょ?!音羽が大人しいのは人と話すのが恥ずかしいからなの!そんな子が男に付きまとわえるわけないでしょ?!」
「それはそうかもね。」
すると近くで口論を聞いていた女子が美優の意見に賛成した。
「確かに人見知りだよね。」
「て言うか鈴木くんよく清水さんと一緒にいない?帰ってるの見たことあるけど嫌がってる様子なんて見られなかったよ?」
「それな。むしろ鈴木の方がヤバイよね?」
そして美優に賛成する人が増えた。
「お前らこそヤバくない?」
「それな。僻んでんじゃねえよ。」
清水音羽
「みゆう・・」
あっという間に状況が逆転した。
そのとき・・
鈴木伊緒
「みんなおはよう。」
伊緒が登校してきた。
教室の中にいる人誰も挨拶を返さずに伊緒を睨んでいた。
鈴木伊緒
「えっ・・なに?」




