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タイトル無し  作者: ルル
21/75

21話 

「好きです。付き合って下さい。」


わたしが中学一年生の頃の夏だった。


清水音羽

「えっ・・と。」


鈴木伊緒

「イヤ?」


人生で初めて告白された。

しかも相手は優等生、イケメン、運動神経抜群、優しい。

というような完璧な人だった。

それで女子からもかなりモテるのだ。


そんな人がなんで私なんかに告白するんだ。

なにかのドッキリか。いや、そんなことするような人じゃないか。


清水音羽

「わたしでよければ。」


周りにリア充はいるしそう言うのに憧れてたから付き合うことにした。


「マジで?!すごくない?!おめでとう音羽!」


清水音羽

「ありがとう!」


そのとき私には長い付き合いの親友がいた。


海原美優(うみはらみゆう)

「でもクラスの子とかには黙っといた方がいいかもよ?」


清水音羽

「え?どうして?」


海原美優

「だって鈴木君だよ?すごいモテるじゃん。もしかしたら嫉妬して嫌がらせされるかもしれないし。」


清水音羽

「確かにそれはあるかもしれないよね。うん。そうするよ。ありがとう美優」

 

周りの人には内緒で私たちは付き合い始めた。

 

清水音羽

「鈴木くんはさ、なんで私のこと・・・」


鈴木伊緒

「好きになったか?」


清水音羽

「あ・・う・・うん。」


鈴木伊緒 

「他の子と違って優しいし友達思いなところかな。ほら、クラスの人が教科書忘れたとき見せてあげてたじゃん。このクラス忘れ物厳しいのに自分は忘れたことにして隣の席の人に見せてもらってさ。それに皆が嫌がる雑用とか文句言わずにやってるし。それに、」


清水音羽

「も、・・もういいよ!・・あ、ありがとう。」


鈴木伊緒

「照れてるの?・・かわいい。」


付き合っていてとにかく楽しかった。

でも・・・


鈴木伊緒

「音羽ってさ。髪長いよね。」 

 

ある日一緒に帰っていると私の腰に届く黒髪を触ってそう言った。


清水音羽

「うん。昔から伸ばしてたの。」


鈴木伊緒  

「そうなんだ。俺はもっと短いほうが好きだけど。」


清水音羽

「・・・・そうなんだ。」


確かに腰に届くまで長いと不潔かもな。

嫌われたくないしせめて胸元くらいまで切ろうかな。


それからだった。


海原美優

「明日カラオケ行かない?」


清水音羽

「いいねえ!久しぶりに美優とあそびたいし!」


――――(次の日)


海原美優

「次なに歌う?!」


清水音羽

「待って!喉休めたい。」


海原美優

「そうだね。わたしも限界だわ。でも音羽はめっちゃ歌うよね。鈴木君ともそうなの?」


清水音羽

「鈴木君とは行ったことないの。二人でいるだけで緊張するのにこんな密室のカラオケとか自殺行為だよ。たまには美優といたほうが気が休まるよ。」


海原美優

「そんなんじゃ長く続かないよー。もっとオープンにしないと。」


清水音羽

「だって・・かっこ良すぎてドキドキするんだもん。」


海原美優

「何だそれ!のろけか!ああ妬ましい!」


清水音羽

「美優にも近いうちに出来るって!明るいし話しやすいし!」


わたしは人見知りだったので美優いがいに話せる人があまりいない。


海原美優

「そんなひとそこら辺にゴロゴロいるわ!それよりドリンク注文しない?歌いすぎて喉カラカラ。」


清水音羽

「そうだね。わたしもヤバイわ。」


そして家に帰ってスマホをチェックしていた時のことだった。


清水音羽

「なにこれ・・」


20件くらい鈴木君からメッセージが来てる。

しかも全部「不在着信」


何かあったのかわたしは気になってかけ返した。


鈴木伊緒

「どこいってた?!」


清水音羽

「え・・今日は美優とカラオケ行ってたよ?どうしたの?あんなに掛けてきて。」


電話に出るなりすごい声で聞いてきたのでビックリした。


鈴木伊緒

「なんだ。良かった。連絡ないから事故にでもあったのかと思ったよ。ビックリさせてごめんね?」


清水音羽

「・・・うん。ごめんね。今度からちゃんと連絡するから。」


私のこと心配してくれてたのか。

やっぱり優しいな。


鈴木伊緒

「じゃあ明日俺とデートしてよ。」


清水音羽

「え?でも今日カラオケ行ったからお金持ってないんだけど。」


鈴木伊緒

「いいよ。遊園地のチケット二枚持ってるし。しかも有効期限が明日までなの。」


それじゃあ行くしかないな。


清水音羽

「わかった。」


その日はオシャレをして行った。


鈴木伊緒

「すごいかわいい。俺と出掛けるからオシャレしたの?」


清水音羽

「あ、・・う、・・うん。」


鈴木伊緒

「照れてるの?本当にかわいいな。」


その日はかなり楽しんだ。

そして帰り道でのことだった。


清水音羽

「じゃあまた明日ね。」


お互いの帰り道が分かれるところだった。

そのとき・・


清水音羽

「え?」


伊緒に手首を掴まれた。

そして目を瞑って顔を近づけ音羽の顎を優しく掴むと

音羽は伊緒がしようとしてることを察してそのままされるがままになっていた。


清水音羽

「んんっ・・」


やばい。変な声出た。


鈴木伊緒

「また明日ね。」


伊緒はそう言ってこの場から去った。


清水音羽

「・・・・」














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