18話
大石大地
「音羽!内村先生が呼んでたよ。」
清水音羽
「ええ!何かやらかしたかな。」
次の日の放課後
伊緒と会わないように誘導した。
音羽は荷物を持って職員室に行く振りをして下校しようとし
大地は部活へ行った。
――――(部活終了時 教室)
大石大地
「なんで?」
誰もいないはずの教室に音羽だけがいた。
昨日と同じ様子だった。
清水音羽
「なんかね。下駄箱で遭遇しちゃった。」
俺のバカ
そういうことちゃんと考えておけば良かった。
大石大地
「金取られてない?」
清水音羽
「うん。今日は持って来てないから。」
大石大地
「そっか。でも・・」
そのとき背中を思い切り蹴られた。
清水音羽
「大地!!」
大地は並べてある机の方に蹴り飛ばされ机の位置がズレた。
大石大地
「いってえ・・!!」
大地は蹴られた背中を手で抑えた。
鈴木伊緒
「やっぱりお前か。邪魔しやがってクソ野郎!!」
大石大地
「はあ?クソ野郎はどっちだよ。こんな汚えことしやがって。」
大地はその場にあったイスを持ち上げ伊緒に襲い掛かった。
鈴木伊緒
「やめてくれ!」
そのとたん伊緒が怯えだした。
あんだけしといて今更何言ってるんだ。
こいつはちょっと武器持って襲われたら何もできないやつか。
大地は椅子を降ろさないでいると
内村陽大
「なにやってるんだ!!」
その声にビックリして手の力が抜けたように椅子を落とした。
そういうことか。
ハメられたんだ。
あいつは内村先生の足音に気づいていたんだ。
だから自分が被害者かのようにして・・・
内村先生は教室の中へ入り
内村陽大
「酷いケガじゃないかよ。早く保健室行って来い。」
音羽の膝と顔を見て言った。
清水音羽
「内村先生これは・・」
音羽が何か言おうとすると伊緒は音羽を鋭く睨みつけた。
音羽はそれに怯えてさっさと教室から出た。
内村陽大
「二人とも早く帰れ。それと明日の昼休みに学年室来いよ。清水にもそう伝えておいて。」
ああ。マジで終わった。
これじゃあ俺が清水に暴力振ったと思われてもおかしくないじゃん。
――――(教室)
なにがどうなんだ。
なんであんな暴力沙汰になってるんだ。
内村陽大
「部室から職員室に行こうとしたら教室からすごい物音が聞こえて気になって行ってみたら大石が椅子持って鈴木に襲い掛かってたんです。清水はその様子を怯えながら見ていて・・」
全員を帰した後に担任である坂下先生が通りかかったので見たことを話した。
内村陽大
「あれは止めて鈴木が怪我せずに済んだけど清水のは普通に問題です。大石があんなこと・・」
今まで問題を起こしたことは一度もなかった。
暴力で人を脅すような奴でもない。
だとしたら・・・
いやな考えが頭の中を彷徨った。
坂下真理亜
「そう言えば清水さんも北海道から来たんですよ。」
内村陽大
「でも北海道って広いし・・」
坂下真理亜
「前の学校くらい調べれば分かることです。家に生徒の個人情報書いてあるプリント保管してるので調べてみます。」
内村陽大
「さすがに同じ学校っていう可能性は低いでしょうけどね。」
坂下真理亜
「まだ鈴木君来たばかりですしどういう子なのかよく分かりませんから。表は優等生でも裏ではとんでもない人っていますからね。」
内村陽大
「大石がそう言う可能性は・・・ないか。」
もしかしたら本当はめっちゃ強かったり・・・
椅子で襲いかかろうとした時の顔は狂気に満ちてて正直怖かった。
内村陽大
「清水に聞いてみたほうが良さそうですね。」
坂下真理亜
「どちらかに脅されてて本当の事話せないかもしれませんよ。」
内村陽大
「違う時間とかに一人だけ呼び出せばいいじゃないですか。別に清水がこう言ってたけどどうなの?って聞くわけでもないし。」
坂下真理亜
「じゃあどうやって聞くんですか。その場に三人しかいなかったんだからバレるでしょ。そもそも私たちが聞いたところで正直に答えてくれるかどうか分かりませんよ。」
内村陽大
「・・・うだうだ言ってもどうしょうもありません。明日話してみましょう。」
――――(次の日)
内村陽大
「鈴木と大石の言ってることが矛盾してます!」
その日の昼休みは一人ずつ呼び出して話を聞いたが
全員の言ってることが矛盾していた。
つまり誰かか嘘ついてる。
あるいわ全員
坂下真理亜
「清水さんに関しては口を開いてさえくれませんでした。」
内村陽大
「大石は自分がやられたから正当防衛だと言って襲い掛かったと言ってました。鈴木はいっぽう的にやられたと言ってます。」
清水に関しては1番の被害なのになんで話してくれないんだ。
口止めでもされてるのか。それとも俺らが信用されてないのか。




