11話
それからしばらく経った夏休み明けのこと
坂下真理亜
「え?!今なんて・・・」
「夏休み中に飼育小屋のウサギが殺されたの。犯人はまだ分からなくて・・」
彼女は生き物係で学校で飼っているウサギをよく可愛がっていた。
それが中身の肉だけ取り除かれて無残に殺されたそうだ。
坂下真理亜
「そんな・・・酷すぎます!!」
それがクラスメートたちに知られると
「酷いよねー。真理亜かわいそう。」
「誰がこんなことやらかしたんだろうね。」
「真理亜の事が嫌いな人とかじゃない?」
クラスの誰かがそう言うと視線は一人の少年に集まった。
坂下真理亜
「いや、・・ありえないよ。・・そんな・・」
内村陽大
「全くだ。迷惑すぎる。」
でも理不尽なことにクラスメートたちは陽大を疑った。
そして・・
「ウサギ殺し。」
「サイコパス」
「冷血漢」
いじめにまで発展してしまった。
まずはクラスメートたちにすれ違いざまに悪口を言われるようになった。
坂下真理亜
「あのさ、・・こう言うのは・・良くないと思うよ?証拠とか無いし。」
「じゃあ他に怪しい人でもいるの?」
「て言うか最近、あいつのこと庇い過ぎじゃない?」
「もしかしてデキてんの?」
坂下真理亜
「違うってば!でも・・」
「酷いよ真理亜!!」
突然そう大声で言った女子生徒
彼女は真理亜と同じ生き物係だった。
「内村君に罪を押し付けといてそれで彼を庇っていい子ぶるなんて。」
坂下真理亜
「何言ってんの?!押し付けてなんかないよ!」
「すっとぼけないでよ!私見たんだからね!夏休み中にあんたがハサミ持ってウサギ小屋まで行くの!」
そう言って真理亜がハサミを持ってウサギ小屋まで行くところの写真を見せた。
坂下真理亜
「あれのこと?!違う!誤解だよ!毛が伸びてきたからブラッシングして切るように頼まれたの!」
真理亜が必死に弁解してもクラスメートは何も言わなかった。
ただ教室がシーンとしていた。
「間違えて肉まで切っちゃったんでしょ!それにこれはどう見たってデキてるじゃない!」
そう言って今度は肝試しの日に陽大が真理亜をおぶった時の写真まで見せてきた。
「え?!ヤバくない?!」
「ちょっと!どう言うこと?!」
「あいつ手出しやがった!」
坂下真理亜
「違う・・本当に誤解・・」
そうやって騒がしくなっているときに陽大が教室の中へ入った。
「テメエ!坂下さんに手出しやがったな!」
「最低!」
内村陽大
「意味分かんない・・」
騒がしくなりながらもみんなが事の流れを説明すると
内村陽大
「すっ転んで怪我して立てないって言ってたから仕方なくやっただけだし。」
なんて誤魔化したけど誰も信じなかった。
「お前ら二人揃ってサイコパスかよ。」
「マジでこっわ。真理亜って超腹黒い。」
なんともめちゃくちゃな展開で真理亜まで巻き込まれた。
そしていじめはエスカレートして物を隠されたり教科書に落書きされたりする自体まで発展した。
そしてある日の放課後に
坂下真理亜
「なんですか・・・」
クラスメートたちに屋上に呼び出された。
「ここから飛び降りろ。」
クラスメートの一人が真理亜に言った。
「死んで償ってくださーい!この偽善者!」
この人たち本気で・・・
逃げたいけど出口は塞がれてるし。
「お!来た来た!安心しろ!死ぬのはお前だけじゃない。」
陽大が現れた。
内村陽大
「お前ら正気か。ここでこいつを殺したらお前ら全員犯罪者だぞ。」
「とかなんとか言って飛び降りるのが怖いくせに!」
「情けなーい!」
「じゃあちょっと痛めつけようか。」
そう言って真理亜の腕を掴み
「うわー。絶対痛いやつじゃん。」
「見たくない!」
クラスメートの一人が手にシャーペンを持ち
それを思い切り振り上げ
内村陽大
「てめぇ!」
真理亜の腕に刺そうとした。
陽大が阻止しょうと止めに入ると
「邪魔すんなよ!」
「離せ!クソッ!」
内村陽大
「いっ・・」
「キャア!なにこれ・・」
「ヤバくない?!」
シャーペンの芯が陽大の目に刺さった。
血まで流れていた。
その状況でクラスメートたちが大人しくなると
内村陽大
「早く逃げろ!」
真理亜と陽大は走ってこの場から去った。
内村陽大
「・・・」
すごく視界がぼんやりする。
今まで自分が見てきた世界じゃないような・・
陽大はそのまま病因へ行った。
入ったところが悪くなく失明せずに済んだが1.5あった彼の視力は0,2にまで落ちた。
それ以降クラスメートたちは大人しくなり遂にウサギを殺した犯人が分かった。
犯人は同じ生き物係の女子で真理亜の事を影でもの凄く嫌っていた。




