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機体性能の差

久しぶりの投稿なり(´・ω・`)

コンビニエンスストア。それは24時間営業に。なんでも揃っているという事が特徴。惣菜、おやつ、調味料、弁当、文房具、ケータイの充電器など様々なものが揃っている。スーパーに比べてちょっとお高めだが、なんでも揃っているお店である。

が、ここはうどん屋と合体しており、スーパー並の広さだ。右側にコンビニゾーン、左側にうどん屋ゾーンがある。


買い物をいている最中、隣から漂ううどんの匂いにそそられ、買い物ついでに食べる者も多いそうだ。


「で、何買う何買う〜?」


「……くっつくなよお前」


猫のようにじゃれつく琉斗に呆れながらも宗二は手にパンを取った。

ぎゅるるるるる〜っと、大きな音を立てて腹の虫が響いた。

まるでトンネルの中で喋っているように反響し、パン売りゾーンの近くにいる人間全員が琉斗の方に視線を送る。


「……えへへ……」


顔を赤らめ、秘密がバレた子供のように、恥ずかしそうに手を後頭部に当てて笑みを浮かべる。


「いやぁ〜欲しいものがあるんだけど、バイト出来ないから昼飯代ケチってお母さんからご飯代貰ってるから割と溜まるんだよね〜……」


たはは……と笑って言う琉斗に対し、「ちゃんと食えよ……」と舌打ちをして呟いたあと、もう1つパンを手に取って会計をすませる。

琉斗はパック状の小さいカフェオレを買って宗二の元に向かっていく。


「90円になりま〜す」


レジにカフェオレと100円玉を置いて、お釣りを取って宗二の元に駆け寄った。


「暑いから出たくないんだよねぇ〜」


「……まぁ、クーラーが効いてるからな」


端末で温度を調べてみると39度という猛暑日。

灼熱のホットプレートに焼かれているような錯覚に、照りかえる日光。バーベキューの上のお肉はこんな感じなのか……と、変なことを考えながらコンビニの中の飲食ゾーンで先程買ったカフェオレを飲む。

顔をほっこりさせて、目を嬉しそうに細めながら美味しそうにちゅうちゅうと飲む姿は子どものよう。


「食えよ」


宗二が差し出したのは、10本入りスティックパン。

触れるとマシュマロのようにふわふわして柔らかく、食べると甘い香りが鼻を刺激した後、少しだけ溶けた後にモグモグと噛んでいく。


「あぁ〜……10時間ぶりの炭水化物だぁ〜」


しっかりと噛み締め、時間をかけてひと口を飲み込んでいく。


「で、なんでお前は弁当がない時、売店から買おうとしないんだ?」


「え?さっきはな……」


「そういうこと言ってんじゃねぇよ……!!」


頭に『?』を思い浮かべ、「まぁいいやー」と思うようにし、カフェオレをちびちび飲んでいく。

脳を刺激するような甘い味を楽しんでいく。

座敷で緑茶を飲んだ時のように、顔をホッコリさせて、幸せそうにパンを食べていく。

もっちゃもっちゃと口を閉じて食べていく。


「はぁ〜美味しい」


「……分かってないな……」


のほほんとしているマイペースな琉斗に呆れる宗二。

大体ドタバタに巻きんでいる琉斗には慣れてはいるが、食事情で困らせられるとは思っていなかったのだ。

パンを食べ終え、少し腹を満たした琉斗が、話を切り出した。


「朝の話の続きなんだけどさぁ……第3世代の結晶機でさ、UIに勝てると思う?」


ふぅ〜と一息ついたあとにそんな切り出しをする。

朝のニュースで見た第3世代。それは圧倒的な性能差で第2世代の機体を撃墜している。

空中でも、地上でも隙がないパフォーマンス。

だがしかし、いくら披露宴でするようなパフォーマンスをしたところで相手はドローンでも自動迎撃システムでも、ましてや第2世代機でも無い。正真正銘、圧倒的な力との戦いなのだから。


「まだ発表して1日もたってないし、正式に量産化されたらインセクトくらいは勝てるんじゃないか?」


「う〜ん……確かにインセクトは脆いけど、その分運動性が凄いからねぇ……」


琉斗がそう言うと、携帯端末を使って動画を見始めた。

スマートフォンのように液晶画面をスライドさせ、空中にディスプレイを出してその動画を視聴する。



「やっぱ虫だよなぁ」


「う〜ん……この形はカマキリだよねぇ……」


画面に映っているのは、誰もが『カマキリ』と口を揃えるような形の機体だった。

頭、胸、腹、脚の数と昆虫の条件を満たしたつくりに、両手の鎌はその象徴と言えるだろう。

結晶機の腕ほどあるかという鎌は猛威を振るうその姿は虫ではなく、命を刈り取る死神のように視認してしまうほどだ。

地上にいる第1世代機の射撃を翅を広げ、蝶のように舞って避ける。

ある時は弾の射線から外れるように遠くに移動し、またある時は体をくねらせる事で当たるスレスレのところで避けているようだ。その姿は人間に例えるならば、プロの新体操の選手のような華麗さを思わせる。


その腕の鎌で結晶機や戦闘機をバッサバッサと斬り捨て、その鋭い刃にはバイロットの血液がベッタリとへばりついている。

空中で刃を振るう第2世代機相手には、翅部分であろう背部のユニットをパカッと開き、その中に搭載されている大量のミサイルを発射して対処しているようだ。


華奢で小さな見た目と反して、内部にある大量のミサイルを放つインセクト。

アリの行列のように空中にいる結晶機に迫る。


……そして、ミサイルが着弾した瞬間、空中にあるミサイルを巻き込む形で爆発し、全ての結晶機は消えていったのだった。

ここまでで映像は止まり、再生ボタンと関連動画がが表示されている状態になる。


「でもさ、このインセクトの残骸が浜辺に流れ着いたから波にさらわれて壊れたって説があるよ」


琉斗が指を指して言う。

事実、その翌日のニュースでインセクトの残骸が発見されたという報道があった。

翅は千切れたように背中のユニットの一部とくっついていた。更には、結晶機を切断した鎌の全身が錆びつき、目の部分のモノアイが飛び出ているように露出していたと報道されている。

小さすぎて照準がつけづらく、その上素早い。結晶機の倍近く小さい割には楽々と結晶機を破壊して回る死の虫であるインセクトに、攻撃は全く当たらない結果となっている。

最も、今回の件で当てさえすれば倒せるという可能性が高くなったのだが……その当てることが難しすぎるのだ。


「……地球さ、大丈夫かな?」


「……まぁ、ここに軍事施設は無いし、俺ら一般人は大丈夫だろ」


と、宗二が言ったのを皮切りに、駅まで向かうのだった。

中身が鈍ってそう

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