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プロローグ

来てくださった方、ありがとうございます。

リメイクを楽しんでいただければ幸いです。

それではどうぞ。

……最近、不思議な夢を見る。


その夢を見る時、いつもボクは美しい花畑にいる。


風に揺れる花。

蝶が舞い踊るように羽ばたき、心地よい小川のせせらぎが聞こえてくる。


まるで世界の楽園。ここに居ると心が洗われるように澄んでゆく……。


夢なのに春のお日様のように暖かくて、眠くなってしまいそうな程に。


歩いていくと、少し小さめの家が見える。

おとぎ話に出てくるような小さくてキレイな家。

そこの扉が出る12人の子供たち。


「きょうはどこに行くの?」 「あそこのもりであそぼ!!」 「やった!!」 「わたし、あそこだいすき!!」


元気に今日の遊びや行く場所を言う子供たち。なんだか見ていてほっこりする。


その子どもたちを見守る3人の女性。


紫髪の片目が隠れている女性。


黒髪のロングヘアの女性。


銀髪のツインテールの女性。



「今日もあの子達は元気ね。」


「ああ。見ていて昔を思い出すようだ。」


「私ら、まだ若い方なんだけど……」


そんな事を言っているが、近所で話す仲良しのお母さん達のように笑顔で話している。


そして最後に出る銀髪の子ども。


「……あの子達、今日は大丈夫なのかな?」


「心配ないわ。」 「ああ。昨日も無事だったじゃないか。」 「ーーーーーは心配症ね。」


ならいいんだけど。と銀髪の子どもが言う。


もしかしたらこの4人があの12人の子供たちの親、もしくは姉という存在なのかな?



夕方になると、森から12人の子供たちが帰ってくる。それを迎える3人の女性。


女性達は4人ずつ子供たちを抱きしめ、家に入る。

食卓には出来たてのシチューとバスケットに入れられたパンの山。

小皿にはサラダが盛られており、栄養も偏らないように配慮され、飲み物にはミルクが置いてある。


ーーーーー暖かくて幸せそうな家庭。この場にいる16人はとても幸せそうに見える。





ーーーーー急に場面が変わる。

先程の楽園のような風景とは反対に、地獄のような世界が見える。

キレイなお花畑は業火によりボウボウと炎が空高くまで上がっている。

心地よい小川だったものは枯れ果て、12人の子供たちが遊びに向かっていた森も灰と化している。


ーーーあれだけ心地よかった楽園が、見るも無残な地獄に変わってしまった……。


「……」


夢で何度も見たこの光景。

走って家の方へと向かうと、屈強な身体をした白い翅を生やした男と血を流して倒れている3人の女性が。


そして……見るだけでも吐き気がするような無残な姿の死体となっている11人の子供がいた。

残りのひとりは白い翅を生やした男が首を掴んでいる。


「おねがい……やめて……!!わたしのことは……どうなってもいい……から……!!」


銀髪の子どもが許しを乞うように男の足を掴んで引っ張る。


涙を流して。掠れたような声で。何度も何度も懇願する。


最初はボクはこの子を守ろうと走った。拳を握って男に一撃を食らわせようとした。

でも、所詮は夢。この子達にボクは認識できていないし、触ろうとしてもすり抜ける。

まるで、過去の立体映像を見せつけられているように。


男は銀髪の子どもの必死の懇願を見下すように笑って、12人目、最後の子どもの首を締める。


「……!!」


12人目の子どもの顔から生気が失われ、糸の切れたあやつり人形のようにだらりと手足に動きが無くなる。

男はその死体を銀髪の子どもの目の前にに放り投げる。


「あ……ああ……あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"……!!」


銀髪の子どもは12人目の最後の子供を抱き抱えて悲鳴をあげる。


失った。返して。何故?憎い。

そんな思いが銀髪の子どもの脳内を駆け巡る。

瞳孔は見開き、目からはハイライトが消える。


大地が揺れるほどの叫び声。絶望の怨嗟。嘆き。


男は怯え、その場を去ろうと翼を広げる。


「AAAAAAAAAA!!」


銀髪の子どもは奇声を上げて理性を失ったように、男に向かって両手を出して極太のエネルギー波を放つ。

当然男はそれに対応できる訳もなく、光に飲まれて消滅した。


燃える楽園。

死屍累々の地獄。

嘆き悲しむ銀髪の子ども。


「……おねがい……いかないで……おいていかないで……ひとりにしないで……」


ぽつりぽつりと、言うその言葉は燃え盛る炎の音に消えるけど、ボクの耳には聞こえた。


「もう……だれも……わたしをーーーーー」



そこで目が覚める。

これまでたくさんの夢を見てきたが、これだけは細部まで鮮明に覚えている。


「あの子の……哀しい眼……」


特に印象が残っているあの子。

この夢が意味すること。最近なぜ何度も見るのかも、何故ボクがこんなに関心を持っているのかは分からない。


その事について悩みながら、ボクは布団から出た。




前エクアートのプロローグをもっと細かくしてみました。

いかがでしょうか?


次回もよろしくお願いしますm(*_ _)m

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