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プロローグ⑧

「こっちだ!!」

「グルルウウウウウウウ!グルルオオオオン!!」

 俺はネムノの考えを聞いたあと、それを実行するチャンスを作るためにオオカミのターゲットをとりに走っていった。軽く攻撃して攻撃対象になる。

「グルルオオオオン!!」

「くっ!?《ステップ》!」

 やはり赤くなったオオカミは大分強くなっていた。思ったよりも大分早いスピードでこっちに突進してくる。

 だが、俺もさっきのミスを無駄にはしない。スピードは速いがまっすぐ突進してくるだけなので、《ステップ》さえ使えればギリギリよけれるのだ。

「……まぁ武器アーツを使うほどの暇もないしいつか追いつかれるけどな」

 オオカミからの噛みつき攻撃をかわし通常攻撃をちくっと与えながらそうボソッと口にする。

 実際武器アーツを使う前に突進攻撃がくるし、今通常攻撃で与えたダメージはごくわずかだ。

「グルルオオオオン!グオオオオオオオオン!!」

「っ!《ステップ》!」

 とそんなことを考えているうちにオオカミが突進してきたのでステップで避ける。が、少しタイミングが遅れ攻撃がかすってしまった。HPが1割ほどへる。

「グルルオオオオン!」

 追い討ちをかけるようにオオカミは噛みつき攻撃をしてくる。体勢が崩れていたので《ステップ》を使う暇がなかったので地面を転がりながらギリギリ攻撃を避ける。

 オオカミの猛攻の間に隙をみつけ立ち上がった瞬間オオカミが俺と間を開け突進してきた。

「うっ!?」

 横におもいっきり飛び避けようとするがオオカミの攻撃がかすりHPが3割ほどへる。

 さすがにそろそろヤバイと思いネムノの方をちらっとみると隙をうかがっている。

 とその時、オオカミがもう一度突進するために間合いをとる。

「今だ!!」

「うりゃ!」

 女の子にあるまじき声をあげながらネムノは槍を投げた(・・・)

 その槍は狙いすましたようにオオカミの目にあたる。

「ギャイン!?グオオオオオオオオン!」

 そしてオオカミが一際大きな声をあげたと思うとーー

「ギャイイイイイイイイイイイイイイイイイイイン!」

 ーー爆散しポリゴンの欠片となった。

 そして視界の端に見える大量の加算経験値とドロップアイテム。

 俺はネムノの仮説が正しかったことに安心しながらネムノの方へ歩いていった。

ーーーーー

 実はネムノの考えを聞くときネムノとこんな会話があった。

「それはーー槍投げ作戦よ!」

「はぁ?」

「だーかーら!槍投げ作戦!」

「いや?どういうこと?」

「そのままよ!アンタが隙をつくる。私がその隙に槍を投げる。オオカミ倒せるっていう作戦っ!」

「……いや突っ込みどころしかないんだが、1つ聞いていいか?」

「何よ?」

「槍投げって通常攻撃だからダメージそんな入んないよな?」

「いやそれはどうかしら?あたしアンタみたいにAGI極振りじゃないし。しかもオオカミの目にあてる自信はあるわ。目って弱点なこと多いでしょ。当てたらたぶんクリティカルかなんかでダメージ増えるんじゃない?」

「いや確かにそうかもしれないけどさぁ……」

「大丈夫!だからチャンスメイクよろしくー!」

ーーーーー

 ネムノの所までいくとネムノはとても嬉しそうだった。

 とりあえず拾っておいたネムノの槍を渡しながら言う。

「おつかれさん」

「そっちもね」

「目ってクリティカルポイントだったんだなぁ……」

「いった通りでしょ!!」

 と、目をキラキラさせながらどや顔をするネムノ。うわ、すっげえむかつく。

「……、まぁとりあえず報告か?」

 この世界でクエストを終わらせるには依頼したNPCまで報告しにいかなければならない。

「そうわね。ね、ねぇ、フrーー」

「じゃあ俺はこの辺で失礼していいか?」

 なんか言葉を遮った気がするが、俺の罰ゲームはクエストの手伝いだったはずだ。クエストがおわったのでもう俺は罰ゲームから解放されているはず。つまり俺は自由の身だ。夕食の時間が近づいているし早く町に帰ってログアウトしたい。

「えっ!……うん」

「じゃあまたあった時はよろしく。じゃあな!」

 といい帰ろうとしたところ後ろから声がした。

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

「?」

 なんだと思い振り向くと、ネムノは赤くなってもじもじしている。……トイレでもいきたいのか?でもこの世界には尿意とかそういう概念はないしなぁ……。

「ふ、ふ、フレンド登録してあげてやってもいいのよ。次会うかもしれないんでしょ?」

「……なんでそんな上からなんだ……。まぁネムノとはまた縁がある気もするし一応しとくか」

「そ、そう。じゃあ申請するわね」

 ネムノがなぜかわちゃわちゃしているのは気になるが、とりあえず来たフレンド申請を受諾する。

「じゃあ今度こそじゃあな!」

「ば、バイバーイ」

 俺は町へと帰っていった。

ーーーーー

 夕食を食べ終えしばらく休憩していると太平から電話が来た。くそこのリア充め!と呪いながら電話に出る。そして一言ーーー

「あ、もしもしやすk「リア充爆発しろ!!」

 と、だけいって電話をきった。

 どうせアイツのことだから自慢の電話だろ。それ聞くの嫌だしもう一回ログインするか。

ーーーーー

 その時どこかである男がつぶやいた。

「あれー?なに泰邦怒ってるんだろ?貧乳の子もいるVR合コン参加しないかって聞こうとしたのに」

ーーーーー

 ログインし、すぐにフィールドの方へ走っていっていく。

 すると途中誰かにおもいっきりぶつかられた。そしてその人ごと倒れる。

「うぅ……いててて」

 誰だよぶつかってきたのと思い体を起こそうとする。だができない。どうもまだ上に人がいるようだ。とりあえず視界を確保しようと、視界がなんか赤いので隠されているのでそれを押しのけようとする。するとなんか柔らかい感触がした。

「?」

 なんかいまデジャヴったような?と疑問が頭に回った瞬間。

「へ、変態!」

 俺は再び倒れる。その時俺をこかした犯人の顔が見えた。目の前にあった顔はネムノの物だった。だがそれを認識し

 ーーああ、今度の罰ゲームはなんだろう?ー

 などと考えた瞬間俺の意識は反転した。


 

更新できました。

とりあえずこれでプロローグは終わりです。

便利屋はどこいった?という疑問とか終わりかたへの疑問とか色々あると思いますが次の章につづくものとして考えてもらったら幸いです。

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