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プロローグ⑤

 ……うーん。ここどこだろう?

 なんか温かくて体がふわふわして気持ちいいなぁ……。こういうの何て言うんだっけ……?天国?理想郷?夢?まぁとにかく現実にはないところ。そう仮想空間(・・・・)って感いうのが正しいかも。ん?俺、VRゲームのなかにはいってなかったけ?

「はっ!?」

 ぱちーんと急激に目が覚める。

 なんか目の前には木漏れ日が見える。それもそのはず俺は横たわっていた。

「うーん……」

 伸びをしてあくびをしながら、がばっと起き上がり回りを見渡す。

 うーん。ここはあの狼から逃げてきた休憩所か。あるものは、木と木と木と赤い物体と木と木。

 ……明らかに違和感のたっぷりなのがあるんだけど。

 と思った直後、その物体が動いた。そしてこっちによってくる。なんだなんだと思い身構えた時、それから声が聞こえた。

「あのー?大丈夫ですか?」

 その赤い物体は普通に赤いフード付きコートをきた人間だった。声から考えて女性。……うーん顔は見えねえな……。…………胸は普通にっていうか結構あるな。残念。 

「あのー?大丈夫ですか?」

 と少しの間その人の方をボーッと見ていたので、もう一度同じ言葉をかけられてしまった。

「あ、あぁ、大丈夫です。……なぁ俺ってどんくらいあぁなってた?」

「……10秒くらいですけど。」

「あぁ、そうか。なぁ俺ってなんであぁなってたか知ってる?」

 と、そう口にするとなぜかその人がなぜかもぞもぞして、直後とびのいた。そして胸のところを腕で隠すようにしている。なんでだろう?

「へ、変態!!」

「?????」

 あれ?俺なんか変なこといったっけ??

 ……そういやどっかで同じセリフ聞いたような……。

 てか確か俺なんか頭に衝撃があったような気がするなぁ……。なんでだっけ?

 ……えーと狼から逃げてきてねっころがった後。なんか腹に衝撃があって。えぇーと、その後目の前が赤くなって、押し退けようとしたら、なんか手にむにゅっとした柔らかい感覚がしたような。……ん?むにゅっと?んで、その人は胸のとこ隠してるなぁ。

 ……なるほど、そういうことか。俺が貧乳好きじゃなかったら役得だったんだろうけど、ところがどっこい俺は貧乳の人しか興味ないからなぁ。まぁ触ってしまったのは事実だし謝っといた方がいいか?

「……すいませんでした?」

 あ、しまった。疑問系でいっちゃった。

 と、思った瞬間その赤い人から殺気を感じた。そしてフードが取れるほどの勢いでまくし上げる。おお、美人というよりかわいいなこの人。大体同い年ぐらいか。

「なんで!疑問系なのよ!!」 

 ……まぁ顔に関しては作成できるから実際どうかはわからんか。……リアルのこと考えても仕方ないけど。

「って聞いてる!?」

「あぁ聞いてる聞いてる。で、ありがとうございましたが正解だったのか?」

「ちーがーうーわーよ!!」

「じゃあどうしてほしいんだよ?大体そっちがぶつかってきたからそうなったんだろうが。てか気絶させるってどんくらいの強さでなにしたんだよ?ここゲーム内だから痛さもほとんどなくされてるくらいなのに」

「た、確かにそうだけど。でもそれとこれとは違うでしょ!!」

 ……理不尽だなぁ……。確かにこっちが悪いけどさぁ……。

 まぁこういう時は下手に回った方がいいってネットのコラムみたいなのに書いてあったし、俺のPS(プレイヤースキル)DOGEZAを使いますか!

「にゃ、にゃにしてんのよあんた!」

 おぉ、効果はバツグンなようだ。よし!もうちょい続けますか!

「………………………………」

「と、とりあえず顔あげなさいよ!」

 まだ続ける。

「………………………………」

「顔あげなさいよ!」

 まだまだ続ける。

「………………………………」

「か、顔あげなさいよ」

 もうちょい。

「………………………………」

「顔あげてよぉ」

 よし!ここで顔を上げる。

 あれ?なんか顔が真っ赤になってるなぁ……。ん?泣き始めた!?

「うえええええん!しょこまでやってなんて言ってないよー!!」

 あぁこのままだったらヤバイなぁ。見られたらどうなるんだろう。

 とりあえず早く泣き止まさせないと。

「か、顔あげたから!上げたから!」

「ほんと?」

「あげてる!あげてる!」

 ふぅ……、泣き止んだ。ほんとにこれ見られてたらいろいろヤバかった。

 と安心していると口を開いてくれた。

「グスン……ねぇあたしの頼みをアンタが一個きくってことでこの事全部なかったことにするってことでどう?」

「……理不尽だなぁ」

「逆にこれくらいですまされる方がありがたいって思いなさいよ。む、む、む、胸をさわったわけだし……」

「わかったよ……、で?なにすればいいんだよ?」

「あぁ、それはね……」

ーーーーー

 きらきらとしている木漏れ日。

 さわさわと通る涼しく爽やかな風。

 そんな美しい光景のなか俺とあと一人は待ち伏せしていた。

「どうしてこうなった……」

「自業自得よ」




やっとヒロイン登場しました。

次の次でおそらくプロローグおわります。……プロローグながくなってしまった……。

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