プロローグ①
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだはないし
欲も多く
まぁそこそこ怒り
まぁそこそこ笑っている
一日にお茶碗3杯と
おかずを食べめんどくさいことはせず
貧乳の女子が関わるときだけがんばる
学校のどこに貧乳の女子がいるか見聞きし分かり
そして忘れず
その辺の住宅街の
普通の家の自分の部屋にいて
東に黒髪の貧乳あれば
行って頷いたあと盗撮し
西に泣いているロリあれば
行って慰めた後盗撮し
南にツンデレの貧乳あれば
行って萌えた後盗撮し
北に巨乳がいいか貧乳がいいかの喧嘩があれば
行って貧乳以外あり得ないといい
日照りの時は屋外プールで貧乳を探し
寒さの夏は屋内プールで盗撮する
悪友には貧乳至上主義者と呼ばれ
褒められるわけなく
女子には軽蔑の目で見られたりする
そういうものがいれは
多分わたし、夜咲泰邦だ!
ーーーーー
「と、授業中名作をそんな馬鹿な詩へチェンジさせていた、俺|夜咲泰邦でした!」
「小学生かよ……。まず、俺が夜咲泰邦だし……」
しょっぱなからややこしくて申し訳ないが、俺が夜咲泰邦だ。で、前の馬鹿は中玉利大平、遺憾ながら俺の友達……、というより悪友である。
んで、今は放課後帰ろうとしていた時、いきなり愛のプレゼントと言われ、ノートの切れ端に書かれたあのお馬鹿な詩を渡された所だ。
……よく考えなくてもこいつ死んでもいいんじゃないかと太平を睨み付けていると、太平が口を開いた。
「でも詩の内容は間違ってねぇだろ?」
「……まぁ確かにそうだけど」
……、まぁ確かに間違ってねぇんだよなぁ……。えっ?盗撮?……、の、ノーコメントで……。
「お前貧乳好きだもんなぁ」
「なぁ逆に貧乳以外あり得んだろ!まず、貧乳は美しいだろ?次に……」
「はいはい、わかったわかった!わかったから、音量落としてくれ、目立ってる!」
つい熱くなってしまった頭を冷やして、周りを見回すと、女子からの冷たい目線。……、我々の業界ではご褒美ですか?
まぁ、周りにいた女子は貧乳じゃなかったし別にどう見られてもいいんだけどね!男子?しらん。
「てか帰っていいか?早く帰って画像収集したい」
「……なんの画像かは聞かんが、ちょっと待て、話があるんだが」
「何だ?」
「よくぞ聞いてくれたな、泰邦!ふっふっふ、聞かせてやろう。お前にな!まずこの話は1000年前まで遡る」
「帰るぞー」
「悪かった!俺が悪かったから!話を聞いてくれ!」
「10秒以内で」
「えーっと……、夏休みやらないか?」
「何をだよ?」
「《BAPO 》」
《BAPO》とは、《Battle and Product Online 》というゲームのことだ。これはいわゆるVRMMORPGにあたるジャンルで、明後日サービス開始のゲームだ。
《BAPO》はジャンル的になかなかのゲーマー向けのゲームなのだが、わりと知名度が高い。それはVRシステムが開発されてから、早2年。だが、まだVRMMORPGと言うのは発売されてなかった。まぁ当然のごとく起こるゲーマーからの不満の嵐。そんな中やっと出てきたのがこの《BAPO》だからだ。
そんなわけで非常に入手が困難だ。当然のごとく、初回に発売されたものはどこの店舗でも一瞬で軒並み完売。追加でちょろっと販売されたものの、やはりすぐに売り切れてしまった。
俺も入手しようとしたが無理だった。すげえ欲しいんだけどなぁ……、……ゲームのなかで貧乳の娘を探すために……。
とにかく俺は持ってないからその旨を太平に伝えると、なぜか太平は偉そうな顔をした。
「ふっふっふ!まぁ、そうだろうな!だがな俺は持っているんだよ《BAPO》」
「まじかよ……、てか自慢すんなよ……。」
「話は最後まで聞け!俺は、俺の父親が会社の関係でもらったのと自分でかった分の2つもってんだよ、それをー?」
「それを?」
「君に片っ方恵んでやってもいいかなぁ?」
俺が土下座の体勢に入るまでにタイムロスはなかった。
「喜んで受けとります!太平さまぁ!」
「うむ、くるしゅーない!」
プロローグが始まりました。
もう暫くプロローグが続きます。