秘密の愛
私には秘密がある。
クラスで一番かっこいい男子と付き合っているのだ。
このことは私の友達も、彼の友達も知らない。
私たちの、二人だけの秘密。
もちろん気づかれてしまうわけにはいかないので、学校では目も合わせてくれない。
けれど、私は友達の目を盗みながら彼のことを見ているし、彼ももちろんそうしてくれている。
話しかけなければいけないときは、お互いに他人のふりをしている。
彼も気を使って「○○さん」と呼んでくれている。友達に気づかれないように。
学校が終わったら、毎日彼と一緒に帰る。
しかし彼には友達もいるので、しかたなく後ろからついていく。
友達に見られるといけないので、隠れながら。
彼は家に帰ると、まず牛乳を飲む。
私はその姿を外から覗いている。秘密の恋は親にもバレちゃ駄目なのだ。
そして彼は、
顔を洗って親と話して携帯を弄りながらTVを見て親に呼ばれてご飯を食べて携帯を触ってお風呂に入って足を洗って頭を洗って腋を洗って......
そうして彼が眠りに就いて、今日も私は家に帰る。
「またこんな時間に帰って!何してたの○○!!」
だってしょうがないじゃない。
彼と私は付き合ってるんだから。