感情の分かるラジオっ子
ラジオはいいぞ。
いじめられないためには良い人を演じないといけない。
笑顔を作り、嫌だと思われることはしないで。
感情の1つ1つを確認し、誰に何をしたら好かれるのか、何をすると嫌われるのか。1つ1つ、しっかり噛み締め。
相手の感情がわからなければ、もう少し楽な人生だったはず、多分。
けど、私には分かるから。
高校入学したばっかり、初めて会う人だらけ。ストレスにストレスを重ね。
早く家に帰ってラジオ聞きたい、ラジオだったら感情が分からないから純粋に楽しめるんだ。
そう思いながら、また笑顔を作る。
「ラジオ部とかあったらいいのにね」
帰り道、幼なじみの男子は笑顔で話しかけてくる。
「ラジオ部?」
「うん、ラジオ部。
そしたら、君はどうする?」
「ラジオ部…」
やっぱり聞く役、だろうか?
話すのは大変そうだ、1人だったらネタがすぐになくなるし、2人だったらやっぱり良い子を演じてしまう。
「聞く」
ボソリ、と返す。
「良いよね、食事中に聞いたり、同級生の声がスピーカー越しに! とか」
コク、小さくうなずいて返す。
「僕はやっぱり投稿かな。
全国ラジオじゃ全く読まれないし」
はあ、とため息を吐く。
ラジオ仲間の彼。
小さい頃から色々なラジオ番組に送ってるけど読まれるのは『まれ』らしい。
たまには全国放送のじゃなくてもいいのに、と思ったりする。
嫌われるから言わないけど。
「…部活、入るのやめようかな。勝負事は好きじゃないし、文芸部もないし」
ずっと一緒に帰れる! つい嬉しくなってしまう。
「ラジオに投稿しようかな」
私と一緒に帰るの、この人は、どうなんだろう? 楽しいのかな? 私のことどう思ってるんだろう?
マイナスの感情が伝わってきたことは1回もない、幼稚園から同じなのに。
いつも優しい感情。
その中に恋愛の感情が入っていたらいいのに、なんて願ってしまう。
優しい人だから甘えているんだろう。
好きなのは私だけかもしれないのに。
自分の部屋に入り、ラジオのアプリを起動させる。全国のラジオが聴けるありがたいアプリ。お金も安く本当にありがたい。
夕食まで聴こう。入学したばかりだから宿題もまだないし。
色々な人の話を聴ける。
感情が分からないから普通の人として楽しめる。
夕食をとり、時間になるとあの男子の投稿が今日は読まれるかチェックする。
学校にはまだ慣れてないけど、ラジオに触れてるときだけは楽園なんだ。
①を出し②も出し最後に混ぜる、というやり方で書いてみました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!




