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感情の分かるラジオっ子

作者: ヤナギ
掲載日:2026/06/01

ラジオはいいぞ。

いじめられないためには良い人を演じないといけない。

笑顔を作り、嫌だと思われることはしないで。


感情の1つ1つを確認し、誰に何をしたら好かれるのか、何をすると嫌われるのか。1つ1つ、しっかり噛み締め。


相手の感情がわからなければ、もう少し楽な人生だったはず、多分。

けど、私には分かるから。


高校入学したばっかり、初めて会う人だらけ。ストレスにストレスを重ね。


早く家に帰ってラジオ聞きたい、ラジオだったら感情が分からないから純粋に楽しめるんだ。

そう思いながら、また笑顔を作る。




「ラジオ部とかあったらいいのにね」


帰り道、幼なじみの男子は笑顔で話しかけてくる。


「ラジオ部?」

「うん、ラジオ部。

そしたら、君はどうする?」

「ラジオ部…」


やっぱり聞く役、だろうか?

話すのは大変そうだ、1人だったらネタがすぐになくなるし、2人だったらやっぱり良い子を演じてしまう。


「聞く」

ボソリ、と返す。

「良いよね、食事中に聞いたり、同級生の声がスピーカー越しに! とか」

コク、小さくうなずいて返す。


「僕はやっぱり投稿かな。

全国ラジオじゃ全く読まれないし」

はあ、とため息を吐く。


ラジオ仲間の彼。

小さい頃から色々なラジオ番組に送ってるけど読まれるのは『まれ』らしい。


たまには全国放送のじゃなくてもいいのに、と思ったりする。

嫌われるから言わないけど。


「…部活、入るのやめようかな。勝負事は好きじゃないし、文芸部もないし」

ずっと一緒に帰れる! つい嬉しくなってしまう。


「ラジオに投稿しようかな」


私と一緒に帰るの、この人は、どうなんだろう? 楽しいのかな? 私のことどう思ってるんだろう?


マイナスの感情が伝わってきたことは1回もない、幼稚園から同じなのに。

いつも優しい感情。

その中に恋愛の感情が入っていたらいいのに、なんて願ってしまう。


優しい人だから甘えているんだろう。

好きなのは私だけかもしれないのに。




自分の部屋に入り、ラジオのアプリを起動させる。全国のラジオが聴けるありがたいアプリ。お金も安く本当にありがたい。


夕食まで聴こう。入学したばかりだから宿題もまだないし。


色々な人の話を聴ける。

感情が分からないから普通の人として楽しめる。


夕食をとり、時間になるとあの男子の投稿が今日は読まれるかチェックする。


学校にはまだ慣れてないけど、ラジオに触れてるときだけは楽園なんだ。

①を出し②も出し最後に混ぜる、というやり方で書いてみました。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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