表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ジーン・ウォーズ  作者: おおは
第二章:現実思う。ゆえに現実は深化する
11/22

第十一話:或る科学者との遭遇

高評価に痺れる憧れるッ!!

山縣(やまがた)の後をついていくこと、暫し――

間もなく、伽那(かな)達は目的の建物へとたどり着いた。

そこは、古びた用具倉庫だった。

中は薄暗く、古びた棚や段ボール、

使い古された備品が無造作に積まれ、足の踏み場もない。

奥は影に覆われ、目を凝らさなければ見えなかった。

 「……改めて見ると、すごい散らかってるね」

伽那が苦笑まじりに呟くと、杏花(きょうか)も呆れたように肩を竦めた。

 「これは……予想以上だね」

 「仕方ないやろ。昔からろくに片づけず、詰めに詰めたんやからな」

山縣は物をかき分けながら、苦笑混じりに溜息を吐いた。

 「こっちや。一番奥やから、さっきも物どかすのほんまに面倒やったんや」

狭い通路を縫うようにして、山縣が先導する。伽那達はその後に続く。

やがて、件の”ドア”が姿を現した。

 「あれが……言ってたやつ?」

伽那が確認するように尋ねると、山縣は頷いた。

 「おう、このドアや。めっちゃ目立っとるやろ」

堂々とそこにあったのは―――真新しいドア。

確かに目の前に佇むドアは、この古ぼけた小屋の中ではひときわ異質だった、

表面は新しい鋼材でできているのか、所々で金属光沢が伺える。

まるで明らかに最近設置されたかのように輝いていた。

 「で、開けよう思たんやけどな、開けへんねん」

そう言って、山縣はドアノブに手をかけ、力を入れて回そうとする。

だが、ドアはびくともしなかった。

押したり引いても、固く閉ざされ、動く気配は微塵もなかった。

 「……ほらな?まったく開けへん。……で、どうする?」

山縣が伽那達を見る。

 「壊すだけなら簡単だよ」

伽那があっさりと答えると、山縣がぱっと顔を明るくした。

 「ほんまか!なら頼むわ。どうせ壊してもええやろ」

山縣が嬉しそうに言うと、伽那は頷き、隣を見やる。

 「うん。じゃあ――杏花。お願い」

伽那の視線を受けた杏花は、出番が来たとばかりに頷いた。

 「任せて。こういうのは得意だからね」

杏花は、軽く呼吸を整え、腰を沈めて構えをとる。

そして――

 「せいッ――!」

その拳がヒュッ――という音と共に空を裂いた。

次の瞬間、一撃にして、ドアをまるで紙のように突き破った。

鉄のドアは爆発するような轟音をまき散らしながら、見事にひしゃげ、

金属片をまき散らし、壁に鈍い音を立てて転がった。

余韻が大きく反響する。

 「おぅ……これは聞いてた通り、エグイな……」

山縣が思わず引き攣った顔で呟いた。

 「流石は杏花だね。一発で粉砕しちゃったよ」

そう言った伽那が笑みをこぼす。それは、苦笑いともとれる笑みだった。

 「流石というか……人卒業してんちゃうか、それ……」

山縣は呆れつつも肩をすくめた。

一方で、杏花は満足げに背伸びする。

 「よし。でも、もう少し頑丈でもよかったかな」

そんな杏花に、那岐(なぎ)が微笑を浮かべて声をかけてきた。

 『いつもながらお見事。頼もしいね。あの人並みに』

 「これくらい朝飯前だよ。――あの人と対峙するよりね。

   それより――ほら、先が見えるよ」

杏花が破れたドアのその先を指さした。

漆黒の通路。

しかし、そのさらに奥から僅かに光が漏れ出ていた。

闇の中の一筋の光は、しかし、安心よりも、不気味さを醸し出している。

 「奥に光があるね……」

伽那が目を細める。

 「十中八九誰かおるんやろ。あの音は気のせいやなかったってことや」

―――と、突然。那岐が動き出した。

 『さぁ行こう。動かなければ何も始まらないものさ』

そう言い終わるや否や、那岐は軽やかに、そして迷いなく先へと歩みだす。

 「あ、ちょっと待ってよ」

伽那が少し慌てて後を追い、杏花も続いて追う。

山縣はそれを見て、呆れ気味に額に手を当て、軽く溜息をついた。

 「……ホンマ、どいつもこいつもせっかちやな……」

小さくぼやいた後、山縣もその後へと続いていった。


*     *     *     *


通路を抜けると、そこは別世界だった。

まるで大学の研究室のような部屋。

無機質な白い壁。整然と並んだ機材。

ピンクや青、紫といった液体が入ったビーカーが棚に並び、

不気味な静けさと整然とした空気が場を支配している。

 「おいおい、何やこの場所は……異質過ぎやろ……」

山縣が、それを見て、戸惑ったように呟いた。

 「……色々置いているみたいだね」

伽那が周囲を見回しながら、目の前の液体を覗き込む。

 「……何かの研究室、っぽいね。ガチガチの設備じゃん」

杏花が大きな電子顕微鏡を眺めながら言った。

山縣が首を傾げる。

 「研究所?せやったら、一体何のや?」

 「――まさか……!」

伽那が何かに気づいたように顔を上げた、そのときだった。

 「――おいおい……まさかここまできちまうとはな。思ったより早ぇな」

部屋の奥から、男の声が響いた。

一行が振り返る。

そこに立っていたのは一人の男。

白衣を羽織り、痩せ気味の無精ひげを生やした()()

どこか疲れた目で、ダルそうに突っ立っている。 

 「……あなたは誰かな?」

伽那が睨みつけるようにそう聞くと、男は頭をかきながら、に答えた。

 「俺か?俺ぁただの研究者だ。――()()()()



面白いと思ったらいいじゃんしてね!高評価よろしくお願いします。

ご感想あれば是非(⌒∇⌒)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ