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第164話 戦力増強?感謝の戦利品山分けの儀(前編)

コメイと出会い数日が経過した。


今彼はシャオランさんと一緒に我がギルドで暮らし始めていた。

実は二人『そういう仲』らしい。

何気にシャオランさん、顔を赤らめておりました。


式神なのに?

そう思ったのだけれど…


どうやらコメイも又、人外のようだ。


彼女、年を取らない以外は普通の女性と変わらないらしい。

何気にマキュベリアに眷族化されたスフィナさんと同じような状態だとか。


もちろんフィリルニームさんとレギエルデは再会させました。


いきなり彼女が泣き始めたのには驚いたけど。

どうやらレギエルデ、今彼がいること自体、すでに何らかの秘匿事項になっていたらしい。


なのでどうにか納得してもらい、彼女の中にいる『お母さん』にコメイの封印解除してもらいました。


「わ、私も…あう…」


とか言っていたから…


幾つかの懸念材料を払拭できれば『お母さん』であるフィリルニームさんとも一緒に暮らせる日が来そうだ。


新たな目標の一つ。

私とリンネは二人手を取り合い喜んだものだ。

もちろん一緒に連れて行ったガナロはお母さんに甘えまくっておりました。


うん。

ガナロめっちゃ可愛い♡



※※※※※



ジパング決戦からこっち、この世界は激動の最中にある。

何よりも神聖ルギアナード帝国でのあの破壊。

すでに世界各国へとその知らせは届いていた。


もちろん『帝国は健在』との情報とともに。


これについてはレギエルデとエルノール、そして皇帝の話し合いで『そう仕向けた』ことだった。

ガザルト王国へのけん制だ。


「あの国までもが動き出しちゃうとね。色々ぐちゃぐちゃになっちゃうんだよ。取り敢えず僕たちは色々整理が必要だと思うんだけど?」


あの時倒れたレギエルデも今ではしっかりと回復し、相変わらず頼りがいのある存在感を示してくれていた。

きっと彼も色々思い出したのだろうけど。


「…整理が付いてその時になったら絶対に美緒には教える。だから待ってほしい。えっと方向性は間違っていないよ?それは保証する」


そう言ってくれたんだ。

だから私はもう聞こうとは思わない。



※※※※※



そんなわけで今私たちは全員でサロンにいるのだけれど。

皆があまりの驚きで固まってしまっていた。


「コホン。みんな集まってくれてありがとう。みんなのおかげでジパングを救い、この世界もどうにか幸せに動いています。あらためて感謝を」


私は皆に頭を下げる。


「お、おい、頭を上げろよ美緒。みんなが決めてやったことだ。それに俺たちはお前のためになりたい。だから…笑ってくれ。俺達にはそれが一番の報酬だ」


代表してザッカートが私に優しい瞳を向けてくれる。

ああ。


本当にザッカート、かっこいいんだから。


「ふむ。美緒よ。皆を集めたのはこの『お宝の山』が関係しているのか?…興味深いな。まさに神話級までがゴロゴロしておるではないか」

「…ふわー。マジでこのギルド、頭おかしいんじゃないのかな…これひとつで俺達なんて一生暮らせそう」


おもむろに大きな宝石を持ち上げるロナン。

その様子にルイミちゃんがあたふたしているけど。


「お、お兄ちゃん?!お、落としたら、大変って、きゃああああ――――?!!!」


まあね。

お約束?


見事にすっ転んだルイミちゃん。

多くのお宝に埋まってしまっていた。


「ひ、ひいいいいいいっっっ??!!」


そんなパニックに陥ったルイミちゃんを、そっと近づいたサクラが手を引いていた。


「もう。ルイミ?大丈夫だから。ここの人たちみんなあなたを心配しているのよ?お宝なんて全然興味ないみたいだもの」


「あうっ、サ、サクラ~」


サクラの手を取りどうにか立ち上がり、周りに目を向ける。

彼女に注がれる多くの優しい瞳。

徐々に上気してしまう。


「う、あ、そ、その…す、すみませんでした」


ぺこりと頭を下げるルイミ。

そんな彼女にミリナが近づきそっと抱きしめた。


「ふふっ、そうだぞルイミ。ここは世界とは常識が違う場所だ。何より天使族の私だってここでは堂々としていられるんだ。魔族は天使族を忌み嫌うのだろう?お前も私のことが嫌いか?」


突然の抱擁。

しかも超絶美女のミリナに抱きしめられ、今度は真っ赤に顔を染めてしまう。

そして所在なさげにルイミはセシリナに視線を向けた。


「そう、ですわね。…確かに私たち魔族は子供の頃から言われ続けてきました。『天使族のようにはなるな』と。ふふっ、本当に愚かだったのですね。私たちは…あなた様はまさに光の申し子。なんてお美しくそして気高い…新参者ですが、私含め、ロナンとルイミ、よろしくお願いいたします」


実は今回、私は改めてロナンやルイミちゃん、お母さんであるセシリナさんについて紹介はしていない。


もちろんコメイとシャオランさん、それからマルレットのことも。


『あんなあ美緒。いらんいらん。あんさんの『同期』で充分ちゅーもんや。なんや改めてなんてむず痒いわ。…あんさんの仲間、そないな狭量なものおらんやろうに。普通や。普通。それでええ』


そんなことを言うコメイ。

確かにそうかもしれない。


私は今、数日おきにギルドの皆に対して『同期』を行っている。

何より激動のこの世界。

情報の共有は連携の強化にもつながるし、絆までをも構築してくれていた。


「あ、あのっ。…ミリナさん?わ、私…ミ、ミリナさんの事大好きです。カッコいいし、そ、その…とっても奇麗」


ミリナの腕の中にいるルイミ。

その視線は真っすぐミリナの瞳を見つめていた。


「ハハッ。ありがとう。…嬉しいものだな。コホン…そういう訳だ。…ルイミもきっとお宝貰えるからな」

「ひ、ひいっ?わ、わたしも?」


「そうだね。まずは非戦闘員でもある里奈さんや幸恵さん、アリアにリア、コノハちゃんにマイ、サクラ、ルイミちゃん。あっと、後はメリナさんかな。ジパング戦の時に大量のドロップした中にね、とってもいいものがあったの。えっと…」


私はそう言いながらインベントリの中に魔力を這わす。

異空間?

なんかそういう感じの私の『超元インベントリ』


イメージが浮かび手のひらに質感が再現されていく。


幾つもの細工の凝らされた可愛らしい宝石の数々。

実は一部、仲間になったゴデッサさんに加工を施してもらっていた。

私もちょっとだけ改良に手を加えたし。


「普段はただの宝石なんだけれどね。イヤリングとか指輪とか。…ねえルイミちゃん?この指輪してくれる」

「えっ?い、良いんですか?…ふわー♡とっても奇麗…ひうっ?!」


ルイミちゃんの左手の薬指。

何故か躊躇なくそこに嵌めた指輪、まさにサイズぴったりだ。


そして程なく彼女の魔力を吸収したその指輪は魔力を揺蕩らせ始める。


光に包まれるルイミちゃん。

美しい装飾の可愛らしい彼女が、そこに佇んでいた。


「「「「おおー!!」」」」


沸き上がる歓声。

彼女に髪の毛の色に似た美しい薄緑色の少しおとなっぽいシックなドレス。


実は神話級にも引けを取らない超絶装備品の一つだ。


「うあ…す、すごい…力が湧いてくる…」

「うん。とっても似合うね。ふふっ、ルイミちゃん、可愛い♡」


未だ12歳の彼女。

もちろんいろいろ成長途上だ。


でも彼女の美しさはすでにその片鱗を見せ始めていた。


「ゴクリ…ルイミ…やべえ、めっちゃ可愛い…兄ちゃん、心配になっちゃうぞ?」


思わず顔を赤らめるロナン。

うん。

確かに彼女、年の割にはやたらと色っぽい?


「えっとね。多分常時魔法に対する結界が展開されるの。後は状態異常無効化、物理障壁の展開、それに自動回復と魔力増強かな」


私の説明。

それを聞いたギルドの皆が動きを止める。


そしてざわつき始める私の大好きな仲間たち。


「お、おいっ、美緒?…マジか?」


再起動したノーウイックが私に問いかけてきた。


「…美緒さま…ああ、まさにあなた様は世界の希望…このドルン、ますます精進する事、ここに誓いを」


余りのことに感動し涙を流すドルン。

えっと。


私が錬成したわけではないのだけれど…

一応少しはいじったけど?


…あれ?

…もしかして…


やり過ぎちゃった?!


気付けば私のすぐ横でジト目を向けるリンネ。

大きくため息をつき諦めたように口を開いた。


「ねえ美緒?あなたお宝は『そのまま渡す』って言っていなかったっけ?だから私、何も言わずに許可したのだけれど?…他の物もあなた手を加えてはいないでしょうね?」


うう。

何故かリンネの圧が凄い事に?


思わず泳ぐ私の瞳。

リンネの瞳がますます怪しく光る。


「美緒、鑑定の魔刻石、出して」

「えっ?」

「いいからっ!」

「う、うん」


私はおずおずとインベントリの中から鑑定の魔刻石を取り出しリンネに渡した。


「レギエルデ」

「うん」

「アルディ」

「うん」

「マール」

「うむ」


何故か召集される我がギルドの精鋭。


「あー、あとファルマナさん?協力していただけますか?」

「はいよ。ふふっ。美緒がやり過ぎたのかを確認するんだね。あたしゃ賛成だよ。なにしろ美緒はちょっとぶっ飛んでいるからねえ。ルイミに渡したあの宝石…神話級どころかあたしゃ見たことないよ」


何故か腕まくりをしてやたらといい笑顔になるファルマナさん。

怖すぎなんですけど?!!


そして始まる鑑定会。


そのたびにわたしはファルマナさんからお説教を喰らう羽目になっていた。


解せぬ。


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