みずいろ
流せば流すほど
海水がまして
どんどんと深い海の底で眠っていた
腫れた瞼に置く氷
あっという間に溶けていく
熱い涙
紅くなる 氷溶けて
紅くなる 溶けてゆく
その繰返しだった1日
何度か空を見た
その色合は
紫陽花が少しずつ雨に打たれて
周りに静かに溶け込もうと色を
失くしていくのに似ていた
それでもつちなかの片隅には
川の瀬のせせらぎに似た
輪郭のない真綿のやさしさ
小さな一点から静かに湧き出る
源泉のような泉はまだあったのだ
わたしの紅い瞳は思わずそのみずいろに
飛び込んで熱さを冷ました
もうこれ以上泣かないわ
まだ、わたしの瞳はみずいろの世界に包まれて
生きていけるんだ、
もう、それだけで十分じゃないか
これ以上、希み過ぎない
ただ、みずいろに感謝したい
どこにいたって誰もが包まれているんだ
地球ってやっぱり青かったんだね
綺麗なみずいろさ
真っ赤な血潮を包んでおくれ
わたしはみずいろの世界に包まれて
心の底からしあわせなんだ
夜空には鈴虫達がこうして歌ってごらんと
わたしに囁いてくれた
ひんやりとした夜風の歌
みずいろのあの人に感謝を込めて
ありがとう、グッスリとおやすみよ
ハッシャ・バイ