商材
「セラフィム様、セーレとセーレの父親を連れてきました。」
「セーレ本人は、呼んでませんが?」
「本人がお礼を言いたいとのことでしたので。」
「まぁ、構いませんが。」
フォラスさんがドアを開けると、美男子が二人入室してきた。本当にぶん殴りたくなるほどにイケメンだな。
すると、セーレ本人と父親が俺の足元に土下座した。
「この度は、私の息子を助けて頂き誠にありがとうございました。この恩は一生忘れません!」
「大袈裟な…。そんなことより、ボアさん。一儲けする気ありませんか?」
「何かあるんですか?」
「あんたを直したのは、俺の得意な能力が要因でね。それは、薬として出すことも可能だ。これは…売れるんではないのか?特に肥満で困っている患者には。それにこの薬は減らせる体重も調整できる。投薬量でな。」
「確かにあれが薬として販売されれば、莫大な利益になることは間違いありません。ですが、どうしてそれを私に?」
「頼みたいことがあってね。その代わりさ。」
「頼みたいこととは?」
「君の商品を毎月、家に届けてほしいんだよね。」
「それはまぁ…。随分と軽い代わりですが。」
「いいんだよ。それで、いい?」
「人数を確認しましたら、こちらの連絡先にご連絡ください。」
そう言ってボアは、名刺を手渡していた。