一人も複数人も殺すのは一緒だ
治療後、俺は院長以外の医師たちに取り囲まれていた。
「先程の治療は何なんですか!」
「俺がいつ手術するといったんだよ。俺は治すと言っただけだ。」
「なら、私達に方法を教えてください。」
「なんでそうなる?俺は、お前らが見たいというから見せてやっただけだ。」
「ここで働くなら、私達を敵に回さないほうがいいと思いますけどね。」
「あんたらを敵に回すとどうなるんだ?」
「貴方に仕事回しませんよ。」
「成程、不労所得がもらえるわけか。結構なことだな。」
「何!?」
「あんたら、さっきの院長と同様に勘違いしてるけど、俺はボスの指示でここに来てるだけだ。お前らの下につくわけじゃない。というか、ここの病院はウチの組織の傘下にあるわけだろ?どうなってんの?」
「傘下になった覚えはない!協力関係というだけだ。」
「はぁ…面倒だな。フォラスさん、腕はいいけど、居場所をなくした医者とか、若い研修医とかコイツラ以外の医者を集めることできます?」
「ん?あぁ、問題ない。」
「どれくらいの期間でできますか?」
「一週間もあればリストは完成し、一ヶ月もあれば、稼働も開始できるだろうな。」
「なら、こいつ等いなくてもいいですよね?」
「あぁ。」
「何言ってる。」
「お前ら全員、院長と同じ運命な。ここにいる治療予定の患者を助けたら、お前らは終了だ。お前らを殺す準備は既に完了している。後数時間、家族と過ごしたらどうだ?」
「こ…殺す!?警察を呼ぶぞ!」
「呼んでどうする?」
「何!?」
「俺は口に出しただけだぞ?この人数で俺一人を煽ってる時点でお前らのほうが脅迫してるだろ。この状況下で俺を罪に問えると本気で思ってんのか?」
「そ…それは。」
「まぁ、いいや。フォラスさん、さっきのセーレさんの親父さんをここにつれてきてもらえますか?」
「ああ。わかった。」
「ライオネルさん、こいつ等目障りなんで追い出してもらえます。」
「わかりました。おい!ついてこい。」