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人生は何が起きるかわからない  作者: あるでるの
2/8

出国

空港までの送迎を俺は、黒人社長のクラークに頼むことにした。まあ、こいつの護衛を含めて5台もの車列になってしまったんだが。


「事故ですか…。その…大丈夫ですか?」


「何がだ?」


「ご両親どころか一族全員亡くなったんですよね?寂しさとか…。」


「そりゃ、寂しいだろ。特に家族は俺を甘やかしてくれてたからな。まぁ、いなくなっちまったもんは仕方ない。亡くなったものは新しく増やせばいい。」


「そんなもんですか。」


「そういや、お前の親の組織のしのぎってなんなの?」


「ん?メインは薬物ですよ。殺人もとかもやってますが、結局一番稼げるんですよ。」


「ふ〜ん。まぁ、俺はどのみち表には出るつもりもないから、なんでもいいけどな。」


「ずっと向こうにいるつもりっすか?」


「いや?コネと人脈作ったら戻るつもりだ。俺の資金力は知ってんだろ?遊び暮らすさ。」


「いいっすね~。こっちで遊ぶときは呼んでくださいよ?」


「ああ。俺はねむいから寝るぞ。着いたら起こしてくれ。」


「はい!」



空港についた時、俺は呆れ返ってしまった。

空港はこれまでに世話してきたギャングや半グレ集団、暴走族達のトップや幹部たちが待ち構えていた。


…見送りだろうか。


「お前ら…他人様への迷惑考えろよ。」


「挨拶したら帰りますよ。」


最初に挨拶してきたこいつは、関東最大の半グレ集団である血盟団の先代団長で現相談役の大村隆だ。筋肉隆々でボクサーや格闘選手のような身なりをしているやつだが、これでも俺の経営していたキャバクラとホストクラブを引き継いで関東最大のグループまでにした腕の持ち主だ。


「隆、こんなところにいる暇あんのか?」


「大輝さんへの挨拶以上に優先すべき事例はないよ。」


「そうですよ。あんたは自分の立場を理解すべきだ。」


次に俺に堂々と啖呵を切ってきたのは、かつて関西最大の暴力団組織である日侠連の直系団体である峯沢組を一代で最大勢力までにした関西極道の伝説的男、峯沢琢磨だ。現在は組も二代目に譲っている。俺は現役のときに何度か資金提供をしていた間柄だ。その代わりに彼の人脈で有名モデルや女優をあてがってもらっていた。


現在は既に引退し、組も二代目に移行している。

仕事は、俺が経営していたホストクラブを引き継いで経営している。仕事は程よい感じらしい。まぁ、俺もそこまで力入れてなかったから当然だろうが。


ただブレキンとかなんとかいう、格闘技番組に出演したことがきっかけで人気に火がついたようだ。こいつそもそも喧嘩強いらしいしな。しらんけど。


「お前ら、言葉が過ぎるぞ。そもそも、呼んでもいないのに、来てんじゃねぇよ。」


最後に二人をたしなめたのが、ここまで送ってきてくれた黒人社長のクラークだ。親父は大規模マフィアのボスらしいが、マフィアにはなりたくないと着の身着のまま出国したが、ホームレスとして死にかけに成り果てていた。


結局、ホームレス狩りにあうのだが、返り討ちにして金を巻き上げていた。ある時、半グレ集団に狙われ、袋叩きにされてしまっていたところを俺が見つけた。


俺の護衛たちが半グレ共を叩きのめした。その後、居場所を与え、食事を与え、家を与え、仕事を与えた。


その後、解体業者設立の資本金と会社の運営資金を与えてやった。


「お前ら、何でもいいから。俺もう行くぞ?」


馬鹿共は捨て置き、俺は入場ゲートへと足を進めた。

そうすると先程までとはうってかわって、規律正しく整列するとクラークを中心として、中腰で俺に頭を下げてきた。


「「「ボス!!!いってらっしゃいませ!」」」


「ああ。行ってくる。俺がいなくても、揉め事起こすなよ?何かあったら会いに来い。」


俺は、キャリーバックを引きながらその場を後にした。

国外に出るのは、家族旅行と修学旅行以外では初めてだ。

なんだろう…本当に楽しみだ!

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