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【1】 幸せの足音を押し退ける。

数ある作品からこの作品を見つけてくださってありがとうございます。

お初目にかかります。千夜丸と申します。

初投稿・初執筆のため見苦しいところはあるとおもいますが温かい目で見守ってください。

よろしくお願いします。

「俺…何してんだろ……」

_______________


「わぁぁ、、もうそろそろで蒼空来る、、緊張する…」




私がなぜこんなに緊張しているかって?

それは… 今日は私の家で初めての「おうちデート」だからだっ!

そわそわしない奴がいるのか。


私の彼氏、蒼空(あおい)はとにかくモテる。 かっこいいし、おしゃれだし、超優しい。

モテないわけがない。

そんな彼と付き合えた私たちの出会いは…


7か月前


「いったぁ~最悪…ピンヒールなんてはいてくるんじゃなかった…」

友達に誘われた合コンの帰り道。私の履いていたピンヒールのかかとが折れたのだ。

家の近くまでに来たものの周りは田んぼ道。 家まではまだちょっとあるし…どうしよう。


「あの…」

「ふえっ」

「大丈夫ですか?立てますか?」


声のした頭上を見上げると心配そうな表情をしたイケメンがいた。


「(ふわああああ。イケメンだああああ。)」


あ、いやいや。そんなこと考えてる場合じゃない…。


「いや…それがヒールのかかとが折れてしまって…。」

「あーなるほど。それなら…ちょっと失礼します。」


イケメン君はそう呟いて軽やかに私をおんぶしたのだ。


「へあっ!?」

「これなら大丈夫ですね。」


「(私が大丈夫じゃないんだけどおおおおお ……重くないかな?重くないかな!? )」


最近食べ過ぎた日が続いてしまったことを後悔しつつもイケメンにおんぶされる状況なんて一生に1度あるか分からない状況だ。ここはご厚意に預かろう。


「僕の家がこの近くにあるのでそこまで行きましょう。」

「あ…。ありがとうございます…!」


イケメン君はそんなことを私が考えているとはいず知らずにこやかな笑顔で歩き出した。

_______________


「着きました。」

「へ?ここお店では?」


イケメン君が立ち止まった目先にはいつも通勤時に前を通る小さなカフェだった。


「あ、いえ。1階が個人経営してるカフェで2階が自宅で…」

「なるほど。」


こんなイケメンが営んでいるカフェと知っていたならもっと早くきたのに…。くっ……。

彼は私をカフェの店内まで運んでくれて椅子におろしてくれた。

あぁー至福のおんぶタイムがぁ~。なんて思いながら内装を見回すと


「ぅわぁ~…カフェの雰囲気素敵ですね…」

「ふふ…ありがとうございます。ちょっとそこに座っておいてください。なにか代わりに履けそうなもの持ってきます。」


そう言ってイケメン君は2階に行ってしまった。イケメンって後ろ姿もイケメンなのね……。

ふう…。イケメンを前にして平然と装えてた私を褒めてほしいものだ。

なんてったって私は無類のイケメン好きなのだからだ!そんなこんなで私がにやにやしていると


「すいません…あなたが履きやすそうな靴がなくて…。」


申し訳なさそうな顔をしたイケメン君が靴を持って現れたのだ。

それをシンデレラが王子様にガラスの靴を履いてもらうときのように履かせてもらったのだ。

女の子なら幾度と夢見る場面っっ。私は興奮で鼻血が出そうになる勢いを抑えて


「いえ、全然大丈夫です!むしろありがとうございます!」

「はは…やはりぶかぶかですね…」

「ほんとだ…wでも、なんか最近オーバーファッション…?みたいなのはやってるじゃないですか!w」


とちょっと……いや大分無理があるジョークを言ってみた。

そんな友人ならスルーするようなジョークを彼は


「ふふ…面白い方ですね…」


なんて言って笑ってくれたのだ。はい神。


「「…………」」


「あ、あのちょっと休憩されて行かれます?」


イケメンからの誘い゛っっ…。

でもさすがに靴まで貸してもらってるのに…悪いぃぃ


「悪いです悪いです!!今日お店休みなんでしょ? 」

「全然大丈夫です、むしろ居てくださると嬉しい…です」


そう言って彼はちょっと照れた顔でこちらを見る。

………無類のイケメン好きなら…この誘いに乗らない手はないよね!!

まあ、いい…ってことよね!?じゃあ…お言葉に甘えて…ふへへ


私は心の中で密かにヒールに感謝を述べた

_______________


その際に蒼空ととても話が合って、連絡を交換して……

それから私たちは定期的に会って……蒼空からの告白で私たちは付き合うことになったのだ。

最初はイケメンだとかなんとかで惹かれていたが、今は彼の内面にメロメロだ。

そして今日で付き合って半年♡

だから私から家に来ないか誘ったのだ!我ながら勇気ある行動だ…


ピンポーン♪


「わっ」


まるでインターフォンの音が徒競走のピストルであるかのように気づけば走り出してしまっていた。

なるべくドタドタと音をたてないように軽やかな足さばきで。


ガチャッ


「いらっしゃい!蒼空!」


玄関の扉を開けるのと同時に私は蒼空に抱きつく。


「おっ。お邪魔します。明日香」


蒼空は少し驚いた様子ではあったもののすぐに私を抱き返してくれた。

その後10秒ぐらい抱き合って、


「あ、じゃあ。上がってよ。ここじゃなんだし。」


と言って蒼空を家に上げた。家でやりたいことは沢山考えた。

えーとまずは私の手作りの料理を一緒に食べて、映画も一緒に見て……

なんてあれやこれやと考えていたが一部屋に入った瞬間


「えっ………。」


なぜか蒼空の顔は一瞬にして彼の名前よりも真っ青になってしまった。


「蒼空…?どうしたの?大丈夫…?」


私がそんな蒼空を心配すると、蒼空は、


「これ…なに……?」


ととあるものを指さして震えた声で聞いてきた。そんな蒼空に私はとまどいつつも


「なにって?ただのアイドルグッズだけど……?」


『すかいすたーっ!(ファンの間では『すかすた!』と呼ばれている)』 という、歌い手とダンサーによって構成される2.5次元のアイドルユニット。 私の最推しは、その『すかすた!』のメンバーの1人の「空君」という子なのだ。 蒼空が指差した方向には、空君のグッズがたくさん置いてある。

「あれ……?私『すかすた!』の空君推しって言ってなかった?」

「いや、聞いてない。お前……まさか知ってた…?」


蒼空は顔を引つらせながら、訳のわからないことを言う。


「(知ってた…?ってなにが?)」


全く分からなかった。しかしそんな私の苦悩はよそに蒼空は私がこれから先もずっと苦しんでいくであろう言葉を苦虫を嚙み潰したような表情で放った。


「……ごめん。明日香。俺達別れよう。」

「…………え………?なんで……?」


読んでくださってありがとうございました。


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