67.【番外編】そうだ!雪山へ行こう!その6
コテージに着いて玄関の手前で立ち尽くしたままスマホを触ってる碧ちゃん。
碧ちゃんが抱えているボードをゆっくり奪い取って入り口の脇に立て掛ける。
「碧ちゃん足元気を付けてね?」と言いながら腕を取り背中をゆっくり押してお部屋の中に入れる。マナトくんが最後に入ってドアを閉めてくれた。
前屈してスノーブーツのワイヤーを緩めていると、マナトくんが私の腰を掴んでお尻に股間を擦り付けてきた。
「うぉっっと!あはは!こらぁ!あぶないし。足ガクガクなんだからね!」
「こんな可愛いお尻向けられたらサービスしなきゃと思うじゃんか。そりゃ」
「何言ってんだー!あはは」マナトくんと2人でキャッキャしていたら、碧ちゃんがこちらを向いた。
「ぞのとなかじが18時過ぎに戻るって言ってるから、夕食は19時頃でも良いかな?」
連絡してくれてたのか。ありがてぇ。
「うん!何時でもいいよー。今16時過ぎか。2時間くらいしたら戻ってくるのね。じゃあ…私ちょっと筋肉痛が始まってるから、さっとシャワーして柔軟でもしとく…」
「へ、筋肉痛?早いねー。須藤にマッサージしてもらっちゃえば?全身」
「いやいやいやいや!マナトくんも疲れてるし大丈夫!」
「俺疲れてないよ?シアンの身体マッサージしたい」
「え?いやいやホント大丈夫だって。ありがとね」と言いながらブーツを脱いで玄関横の乾燥室に運ぶ。
「あー。じゃあ、僕その辺散策でもしてくるよ」
「え!?ま、待って!碧ちゃんも疲れてるのにムリして出掛けないで!ご飯までまったりしてよーよ!」
と、慌てて碧ちゃんを引き止める。
「あー…」と碧ちゃんはチラチラとマナトくんを見て、へにゃっと困った顔で笑う。
どうしたのかとマナトくんをサッと盗み見ると、劇画タッチな顔をして碧ちゃんを睨んでいた。
「ちょっと!なんて顔してるの!?マナトくん!碧ちゃん威嚇しないで!」
すると、途端に悲しそうな顔をして、怒られたわんちゃんみたいに眉を下げた。
「えぇ…。だってぇ…。俺…シアンと2人っきりでゆっくり…ぃちゃ…ちゃしたい…」
いちゃいちゃしたいと聞こえた気がするんだが。そしてみんな疲れてるのに追い出すような真似できるかい!
「うーん…。まぁ普通に旅行終わるまで我慢してね?」
「えー!長いっ!絶対ムリっ!ムリムリムリムリ!」
「はははっ…。はいはい。とりあえずシャワーして来るよー」
しあーん…。と恨めしそうにこっちを見てくるマナトくんを置いて着替えの服を用意した。
シャワーを浴びながら、小さな子ども達の話しに、優しく相槌を打って微笑むマナトくんを思い出す。
良いパパになってくれそうだなぁ。と思った。
シャワーから上がって、身体を超高速で乱暴に拭く。早く!早く!早く!早く!
歯がガチガチ言う。
「ぐっ…!うぐぐぐぐぐぐぐ…っ」髪を洗わず、サッと汗を流すだけのシャワーは恐ろしい程、私の体温を奪った。
「さむさむさむさむさむさむさむっ!むぐっ…。ぐえー。舌噛んだ…」
お湯を張って温まれるようにしておけば良かったっ!
いや。でも、そーすると、マナトくんが絶対乱入して来てお風呂でごにょごにょする事になるはず。確実に。
今日はムリ!足ガクガクしてるし…。
今から柔軟するから、スーパーウルトラストレッチ生地のスキニーとフードが付いたトレーナーにした。
「もう終わったの?早かったね。俺も汗流して来よ」
私がリビングへ入ると、マナトくんが着替えを掴んでソファから立ち上がる。
「あー。そかそかお待たせー。お先でしたー、あ、15分くらい待てるなら、お湯張った方がいいかも…。出て来た時寒過ぎて一回死んだよ。一機失ったわ。残機少ないのに…。1UPキノコ欲しい」
*スペースインベー○ーとスーパーマリオブラ○ーズが混ざってます。
「俺のキノコならいつでもあげるけど?無限UPしてみる?ふふふ」
「うぎゃーーー!マナトくんがおじさんみたいな事言い出した!あははははははは」
「あはは。須藤キショ。シアンちゃん残機とかよく知ってるねー」
「うん。高校受験終わったくらいの時にお兄ちゃんとレトロゲームにハマったから」
「あー。確かにレトロゲーム流行ったもんねー」
「そそそ。大変お世話になったんですよ。ゲームは良いよねぇ」
碧ちゃんゲーム上手だよねぇ。初めてしたゲーム覚えてる?RPG好き?なんて話しをして盛り上がっていたら、マナトくんが戻ってきた。
「寒かったぁ…俺も一機なくなった…」
「でしょー?ふふふ」
「じゃあ、僕も特攻してくるねぇ」と可愛く敬礼してきた。思わず「碧ちゃん!もっかい!今の敬礼もっかい!」と、ポーズをしてくれる碧ちゃんの写真を撮ったら、マナトくんが「も。トミーの写真はいらないでしょ」とジト目で見てきた。
「ひゃー!可愛い!」とマナトくんの写真をカシャカシャ撮りまくっていると、拗ねている顔がだんだん照れ笑いに変わって萌え死ぬかと思った。あぶなかった。また一機なくなるとこだった。
1UPキノコAmaz○nに売ってないかな。
私達がストレッチをしていたら、長めのシャワーから上がってきた碧ちゃんは「ダメだった…舐めてた…。3回くらい死んだ。寒い…。僕ちょっと横になる」と震えながら寝室へ入って行った。
「碧ちゃん大丈夫かな?」
「大丈夫大丈夫。トミー電気毛布持って来てたし」
「あー。確かに。私も持って来たら良かった」
「荷物減らす為にラッシュガード持って来なかったのに電気毛布持ってくるの?ふふふ」
「ラッシュガード!?…今それが話題に出て来るあたり根に持たれてる?あはは」
「シアンのエロい身体を知らない人に見られるのは嫌なんだもん…」
「…えーっと…。あはは…ごめんね?気を付けるよ」
「ねぇ…俺もちょっと眠い…。横にならない?」
「んー」今寝たら夜眠れなくなりそうだしなぁ…。Y○uTubeでも見てようかなぁ。
「ねぇ…。シアンに抱っこして貰えたらすぐに眠むれるから…抱っこして欲しいんだけど…」
「抱っこ…マナトきゅんきゃわわ…。分かったー。じゃあ、颯太くん達が戻って来るまで横になろっか」
「うん!」ぴょこんとマナトくんの頭にわんちゃんの耳が生えたように見えた。
かわえぇ〜。
「足だるくなるでしょ?ズボン脱がせてあげようか?」
「あ、大丈夫履いとく。本気で寝ちゃうと夜眠れなくなるし」
「血の巡りが悪くなるから脱いだ方が良いよ」
「あー。まぁ確かに」
スキニーパンツを脱ぎ、ベッドに横になって「シアンおいで」と伸ばされた腕に頭を乗せる。
あれ?私が抱っこするのでは?
マナトくんが私の頬を撫でながら、聞いてきた。
ちょっとシアンに挟んでいい?と…。




