65.【番外編】そうだ!雪山へ行こう!その4
マナトくんと一緒に温かいお湯に浸かると、冷え切った身体がビリビリした。
「シアンのほっぺ冷たい…。耳もこんなに冷たくなっちゃって」と、大きくてしなやかな手で包んで温めてくれる。
「うん。あったかぁい…気持ち良い…。ちょっとほっぺがヒリヒリするけど、めちゃくちゃ楽しかったぁ!
2人であんなにはしゃぎまくって息が切れるまで走り回ったの初めてだね!」
「うん俺も楽しかった…」
今さっきまでほっぺに居た左手は肩にお湯を掛けてくれてから、背中から腰や脇腹を撫でさすり始めた。
「明日はもっと楽しいかなぁ」
「うん。俺はシアンが一緒にいると何してても楽しい」
「そんなの私も一緒だしぃ」
マナトくんが私の唇をすくうようにキスをしてくれた。気持ち良い…。
「シアンいつもスベスベだけど、今日は一段とスベスベしてて手触りがエロいね」
「…っ!ちょ!まって!まだ皆んな起きてるから!やめ…」
「はいはい大丈夫大丈夫」
……はい。そうです。ご想像の通り、お風呂で美味しく頂かれました。
ええ。身体はほっかほかに温まりました。
*********************
次の日の朝、なんだか凄く眩しく感じて目が覚めた。
窓から見える雪景色がめちゃくちゃ美しい。感動してスマホで写真を撮りまくった。
ふと、ベッドを見ると、大天使様がまだぐっすりと眠っていらっしゃったので勿論こちらも写真を撮りまくった。
顔に掛かっている髪を払って耳に掛けていたら、眉間に皺を寄せて薄っすらと目を開けた。
「シアン…おはよ」と微笑んだ。
ぐわっ!顔面が優勝してるんだが!
「おはよ…ごめんね?起こしちゃったかな?髪が顔に掛かってて…」
「ううん。大丈夫だよ。ありがとう。俺ももう起きるよ。今何時?」
「6時32分」
「あぁ良い時間だね朝食は、7時15分くらいに行こうか」
ボードのウエアの中に着るインナーやタイツを履いて服を着てリビングに行くと、皆んな眠そうにダラダラしていた。
おはようと声を掛ける。
「うーす」「…はよぉ…」とキヨくんと碧ちゃんが眠そうに挨拶を返してくれた。
「おはよう須藤!シアンちゃん!」颯太くんは柔軟をしていた。
「颯太くんおはよー!みんな朝ごはん食べられそう?まぁ食べられなくても行こー!」
朝食もブッフェ形式だった。昨日から食べ過ぎてる感があるけど、今から動くから…。いや尚更少しにしておこう。
やば…。こんな!朝から海鮮丼…食べたいじゃないか!
ぐぬぬ…。
まぁ結局サラダを取り、シェフが目の前で焼いてくれるほうれん草とベーコンとチーズが入った半熟オムレツ、ヨーグルトとパンにした。オムレツも、ブルーベリーソースをかけたヨーグルトも、ヨーグルトを塗ったデニッシュも全部美味し過ぎて結局食べ過ぎた。
カフェオレも上質で美味しい。
「あー。美味しい…幸せ…」
「シアンはもうごちそうさま?」
「うん。お腹いっぱい…美味しかったぁ…。私ここに住みたい…」
「ん?いいよ。ここに一緒に住もうか」
「…っ!あ、いえ!大丈夫です!何となく言ってみただけなんで!」
「そーなの?」残念そうに首を傾げるマナトくんのご尊顔にサっとスマホを構えて写真を撮る。
すると、とんでもなく困り眉になった。激カワ…。
「も。最近やたら写真撮るじゃん」
「だってぇ〜。撮らないと被写体に失礼なんでしょ?」
「ん?なにそれ」
「マナトくんが言った言葉だってぇ」
「えー?俺?そんな事言ったっけ?」
「うん。えーっといつだったかな…。あ、付き合った日の夜だ」
「あぁ。そりゃシアンの写真は撮りまくるでしょ」
そんな話しをしていたら、皆んなご飯を食べ終わったので、お部屋に戻って準備をした。
久しぶりに味わうゲレンデの雰囲気。あー。大好き。
「ヤバイ!めちゃくちゃワクワクする」
「俺も!」ゴーグルをしててもイケメンオーラがだだ漏れのマナトくん。ってか、外国人みたい。カッケぇ…
「あ、ちょっと待って!写真撮りたい!」
ゴーグルを外すと、目の眩むような白銀の世界。
「ぐわっ!目が!目がぁ!」
「あはは。どっかの大佐みたい。ホントだ…眩しいね…」
マナトくんと2人で頭を寄せて自撮りした。
「僕も〜!」と碧ちゃん達が来て、皆んなでいっぱい写真を撮った。
ふふん( ⸝⸝⸝⁼̴́◡︎⁼̴̀⸝⸝⸝)私の妹はいつも可愛い。
基本自由行動だけど、コースの分岐点ではどっち方向へ行くか、休憩がてら端で止まって皆んなが滑ってくるのを待つ。
碧ちゃんも私達と同じでスノーボードだった。色々トリックをしては、たまに失敗して雪まみれになっていた。
かく言う私もトリックは好きなので碧ちゃんとマナトくんの後を追って、コース外の山肌にエッジをめり込ませて無理やり登って滑り降りたり、着地に失敗して転がりまくっていたら汗だくだし雪まみれだ。
しかしここの雪質は素晴らしい!本当に感動した。
私が小さい頃から触れてきた雪質と全然違って戸惑いしかない!これは凄い!テンションがめちゃくちゃ上がる!
逆エッジで転ぶと身構えたけど、エッジが雪の上に乗り上げて滑ってくれるので、少しスピードダウンするだけでほとんど転ばない。
ナニコレ!?めちゃくちゃ上手になった気分!
「疲れた!ちょっと休憩!」
颯太くん達が来るまで、分岐点の端に寄り、山側を向いて膝を付いて座る。私のウエアーはチョコレート色のツナギタイプなので、上だけ脱いで腕の部分を適当に腰の辺りで結んだ。
どーでもいいのだが、このウエアを買う時、オレンジ色と迷っていたら、友達に「んー。めちゃくちゃ可愛いけど、遠くから見たら囚人みたいかも…?」と言われて確かに!と、この色にした。
「ってか、碧ちゃんとマナトくんの跡付いてくのめちゃくちゃ楽しい〜!」
と、喋りながらゴーグルを首元におろし、帽子も外して髪の毛をお団子ヘアーにする。
帽子は身体が冷えるまでズボンのデッカいポッケに突っ込んでおこう。
「こんなトコまでは付いて来ないかなぁ?と思う所まで付いてきて同じ事するからビックリしたぁ。シアンちゃんって結構おてんばなんだねぇ」
お転婆…。ふぅ…涼しい…。
「そかな?あ、颯太くんとキヨくんが来た。おーい!」
手を振ってスマホでムービーを撮る。
シャーーーっととんでもない勢いで真っ直ぐ私に向かって滑って来る。
「え?え?え!?え!!止まるよね!?止まれるんだよね!?きゃーーーーー!」
キヨくんがビックリするくらい至近距離で雪しぶきをあげて止まった。
叩き付けるような雪を見事に食らった。
「おい!やってんなぁ!マジで!」
顔にかかった雪を拭ってキヨくんを見たら、笑い転げていた。
おい。小僧。
「ごめんごめん。カメラ向けられたから何かしないといけないと思って咄嗟に…ぶっふふふふ…」
「いやいや…絶対咄嗟じゃなかったよね!?ずっと機会を伺ってました感が半端なかったから!」
背後に片足のビンディングを外したマナトくんが近付いて来て、上から覆い被さるようにギュッと抱きしめられた。
「ぞのに意地悪されて怒ってるシアンも可愛い…すき」
「あ…。は…い…。ありがと」
「上着脱いでるけど、シアンちゃん暑いの?」と、颯太くん。
「あ、うん。寒いと思って、ハイネックのセーター着て来ちゃったんだけど、汗だくになっちゃった」
「あぁ…。そー言えばコース外の新雪に盛大に埋まってたか。抜け出すの結構体力いるもんね」
良い時間だしお昼休憩にしようと、レストランへ移動した。
「これオススメだよ」と碧ちゃんに教えてもらった、とろとろたまごのオムライスにした。
私はホワイトソース、マナトくんはトマトソース、碧ちゃんはデミグラスソースを注文していた。
最初のひと口で美味しさのあまり言葉を失った。
「…コレは!んー!美味しい!めっちゃ美味しい…」
「ねぇ?美味しいでしょ?デミグラスソースも美味しいよ?食べる?」
「え!いいの?」と言うと、さっと取り皿に取り分けてくれた。
「須藤はこの辺直に食べて?」
「あぁありがとう。俺のもいる?」
( ⸝⸝⸝⁼̴́◡︎⁼̴̀⸝⸝⸝)んふんふ。いつも若干喧嘩口調で言い合いしている2人の間に流れるこの穏やかな空気…。プライスレス。
「碧ちゃん私のも食べて?マナトくんのもひと口貰っていい?」
「あー。全部好き。でも私はホワイトソース派だから、次来た時もホワイトソースを頼んでしまうんだろうか…」
「シアンちゃんホワイトソース派なんだ。口の横に白いソース付いててなんかエロいよ」
「あ…マジ。颯太くんありがとう…。…でも口の横にソース付いてるよ。だけでいいと思うの」
「あー。ごめんごめん俺思った事、パッて口から出ちゃうんだよね」
「あぁ。なかじは陽キャの脳筋だからねぇ」
「やっぱり陽キャ…私と対極にいる人だ…」
「えー?対極?よく笑ってニコニコしてるのに?陽キャになる催眠術掛けてあげようか?」
「あ、いらないです。絶対やめて下さい」
その横でキヨくんはロールケーキとカフェオレを静かに味わっていた。
本当は冬の間に投稿したかったのですが、仕事とリアルが忙し過ぎて全然進みませんでした。また暇を見付けてチビチビ投稿させて頂きますね。




