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53.あだ名って面白いですね!センスを感じます!





 マナトくんはお弁当を持って行くよりも帰って来て食べたがる。

 それは良いんだけど、その後のイチャイチャの度が過ぎててちょっと困っている。


 

 今日のパスタも喜んでもらえた。私はまだお腹空いてないから後でいいかな。



 洗い物をしてたら、マナトくんが後ろから抱きついてきた。


 スーツのマナトくんは部屋着の時の2兆倍カッコイイ。


「シアンご馳走様でした。ホント美味しかった!シアンはお料理の天才だと思う。レストラン開く?でも、シアンが作った料理を他の人に食べさせたくないからやめて?」


「ふふふふふ。ありがと。そか、じゃあお店開くはやめとこうかな?」


「シアンの後ろ姿がエロくて、抱き付いてみたらもっとエロいじゃん…。もうエロフィギュアじゃん。」


「エロフィギュア!?マナトくん。それは褒め言葉なの?」


「うん褒めてるよ?」


「そか!ありがとう!嬉しい!」


「あ、お買い物行ってくれてありがと。…こんなエロくて可愛いシアンが1人で出歩いたら誘拐されそう…」


「それはないって!私今まで1人で生きて来たから!心配し過ぎだよー」過保護だと笑う。


「分かってないなぁ…」



 その日も色々されて、マナトくんはツヤツヤして仕事に戻って行った。



 夕方まで腰が立たずベッドでゴロゴロしながらボケーっと映画やアニメを見て過ごし、マナトくんが帰ってくる時間に合わせて夜ご飯を用意する。というような生活を送った。



 お互いの両親に入籍する日は伝えている。私はお父さんに、マナトくんはこっちに来ていた上のお兄さんに、前もって証人の欄に署名してもらった。


 マナトくんと入籍する日を決めていたので、書類を提出しに行った。



 須藤詩杏になった。



 

 諸所の名義変更の手続きをしたくらいで特に実感もなかった。


 そろそろマナトくんのお誕生日だ。


 何をプレゼントしたらいいのかわからない…。だって、マナトくんの持ち物とか身に付けている物、服も靴も腕時計も鞄も、私はブランドには疎いので、全然知らなかったけど、ネットで調べたら全部高級品だったから。


 マナトくんが持っていて遜色のない物かネタに走るか。

 

 悩んだ結果、プレゼントはいつも持ってて欲しいから有名なブランドのボールペンにしようとして、普段使いのボールペンをチェックしてない事に気付いた。


「マナトくん鞄に筆記用具入ってる?」


「入ってるよー」


「マジ?イメージなさ過ぎてビックリだよ。見せてー」


「ん?ちょっと待ってねー。はい、どーぞ。筆記用具くらい学生でも持ってるよ?」


「だってマナトくんメモしなくても覚えられるでしょ?」


「まぁ覚えられるけど一応メモするし、ペン使うのはメモだけじゃないからね」確かにそうです。


「普段使いのボールペンはこれ?」


「ううん?こっち」と、スーツの胸ポケットから抜いて渡してくれた。


「…っ。…重いね」(同じブランドの…既に持っておいでだ…ですよねぇ)


「そ?」


「あ、ありがとう」(くっ…ふりだし…)


「どーしたの?急に」


「あー。…マナトくんのね…。お誕生日プレゼント何にしようかと思って」


「マジ!?プレゼントくれるの!?」


「え?もちろん。でも何にしたら良いのか分からなくて困ってたの」


「もう。そんなのシアンがくれる物だったら使い終わったティッシュでも嬉しいよ?」


「使い終わったティッシュはヤバイね」


「プレゼントかぁ…。プレゼントはシアンが欲しいから…。

んー。シアンの写真集がいい」


「私の写真集!?80億分の1の需要!!」


「シアンは可愛いしエロいから出版したら飛ぶように売れるよ。でも、他の人にシアンを見られるの嫌だからやめて?」


「あはは!それ好きだね!じゃあ出版するのはやめとこうかな。私の写真かぁ…」(色々探しとこう)



 私の写真集に決まり、結局ネタに走る結果となった。


 この時は安易に考えていた。小さい頃とか昔の写真をアルバムに貼って渡そうと思っていたから。



 次の日、ミラーレスにしたー。とよく分からない事を言いながら、仕事終わりに高そうなカメラを買って帰って来た鬼カメラマンマナトによる撮影会が始まった。


 

 コスプレはもちろん、お出掛けの服やスーツ、普段着や部屋着での撮影にも色々と指示されながらの撮影会は何日にも及んだ。そしてマナトカメラマンのセクハラは酷かった。


 最初は恥ずかしかったけどもう慣れた。と言うか諦めた。


 カメラが色々汚れてしまうのではと心配したけど、防塵防水だから大丈夫!と言っていた。科学の進歩が恨めしいぜ。



 長期間に及ぶ撮影会も私のお誕生日会前日12/24のお昼から始まった撮影会兼、クリスマスパーティーを最後に幕を下ろそうとしていた。


 フロントボタンのビスチェでミニスカートのめちゃくちゃ可愛いサンタさんのコスプレ衣装を着崩され始めた時、インターホンが鳴った。



「宅配便だ。なんか頼んだっけな。シアン何か頼んだ?」


「あぁ、洗濯洗剤と柔軟剤を頼んだ!…あ、それはもう届いたか…。ごめん。何だったか忘れちゃった」


「あぁいいよ。もうすぐ分かるし」


 『ピーンポーン』と玄関のチャイムが鳴ってマナトくんが対応しに行ってくれた。



 すぐに、ガヤガヤと騒がしくなって、え?何事!?何人の業者さんで運んで来たの?と思ったらすぐに静かになった。


 手持ちブタさん(無沙汰)になりスマホを見ると、お兄ちゃんから『メリクリー』とメールが来ていた。



 年末年始は少しでいいから顔見せてやれよ?と続いていたので、帰る日をマナトくんと相談してまた連絡するとメールを返した所で、リビングのドアが開いた音と、んーーんーー!とくぐもった声がした。



 ドアへ目を向けると、マナトくんのお友達3人と、手を後ろに拘束され、口を手で覆われたマナトくんが居た。


「メリクリー!久しぶりだね!あ…ごめん。もしかしてお取り込み中だった…?」


 と言われ、自分の格好を見下ろしてマナトくんにビスチェのボタンを1つ外されていた事を思い出した。


「んー!んー!」あー。マナトくんめちゃくちゃ怒ってるなきっと…。



 相手が気を使うから、こんな時は取り乱してはいけない。


「お久しぶりですね。取り込んでいないですよ?」


 さっとボタンを留め直す。


「クリスマスパーティーしてたのか!サンタめちゃくちゃ可愛い!」


「そうなんです!マナトくんが買ってくれたんです!生地も優しくて肌触りもいいし、デザインが最高に可愛いですよね!」


「何着ても可愛く着こなしそうだな」


「似合ってるね〜。シアンちゃん久しぶり〜!クリスマスパーティー僕たちも混ぜてぇ〜。色々買って来たよ〜」


 と、マナトくんが解放された。


「っ。…お前ら…」


「わぁ…こわーい。シアンちゃーん。助けてぇ〜」


 あー。えーっと、この女の子みたいで可愛い子は…なんて名前だっけな…。えーっとえーっとぉ…。


「おい…シアンに近付くな、触るな」


「え、えぇ。ああ。マナトくん。お友達呼んでたんだぁ。ビックリしちゃった」


「呼んでる訳ないでしょ?住所教えるんじゃなかった…」


「あぁそうなの?」


「何でそんな事言うんだよ!電子基板めちゃくちゃ良いヤツ送ってあげたのに。シアンちゃん…。俺悲しい…」



「はぁ…。もういいってみんなでいちいちシアンに言わなくて。それで?何の用?早く帰ってくれる?」


「うわぁ…。シアンちゃん…。須藤が酷い…僕たちせっかく来たのに帰れって言う…。怒ってぇ?」


「あぁ…。マナトくん。皆んな遠くから来てくれたんだから、一緒にクリスマスパーティーしよう?ね?」


 あーあ。マナトくんの心がささくれ立ってる…。でも皆んな大親友なはずだし、お友達は大切だよ?マナトくんの機嫌が直るまで私が接待すればいっか…。



 サンタのコスプレは恥ずかしいから着替えようとしたら、全員に猛反対され、結局そのまま過ごした。

 でも、お友達がトナカイやサンタの服を用意してくれていたので全員コスプレして写真を撮った。



 端的に言うと酔っ払った学生はすさまじく面白かった。


 ガシっとした陽キャが中島颯太くん(サンタ)


 大人な雰囲気の西園寺清正くん(サンタ)

 

 女の子みたいにふわふわ優しい富井碧くん(トナカイ)


 因みに一見、天使みたいなクールイケメンのマナトくんはトナカイを着せられていた。



 碧くん(トナカイ)がキヨくん(サンタ)のマウントポジションを取り、ほっぺを両手で引っ張っていたり、マナトくん(トナカイ)が颯太くん(サンタ)の背中に仁王立ちし、腕立て伏せをさせていたりと、面白くて良い写真がいっぱい撮れた。


 マナトくんは割とすぐに機嫌を直してくれて、今はお友達と笑い合っている。



 皆んなホントに仲良しで見ていて楽しかった。



 颯太くん、中島だから『なかじ』は分かる。


 碧くんの富井で『トミー』も分かる。


 西園寺くんの『ぞの』ってなに?って聞いたら、西園寺って呼ばれるのが嫌。清正って呼ばないでって言うから、園って呼んでると。


「あ、キヨくんって呼んじゃっててごめん!ぞのくんって呼ぶね!」と言うと、「シアンちゃんはキヨくんって呼んでくれたら嬉しい」と微笑んでくれた。


「おい、人の奥さんに色目使ってんじゃねーぞゾノキヨ」


 と、野次られていた。


「ちょっとー。スケキヨみたいじゃん。やめてよ」と笑った。




 夕方を少し回った頃、またインターホンが鳴った。


「またお友達?いや宅配便?」


 マナトくんが慌てて着替えて対応してくれた。



 険しい顔をして手ぶらで戻って来たマナトくん。



「おいっ!何とんでもない量の荷物送って来てんだよ!」


 ん?と見に行くと、大きなスーツケースが5つ届いていて、一緒にお布団のセットが3セット届いていた。



 住むやん。







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