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5.マナト side 頼れる味方

よろしくお願いします。





 まず彼女の先輩や上司にあたる人物で飲み歩くのが好きな男に上手く近付きプライベートで遊べる仲になり、彼女と自然に知り合う機会を伺う。


 俺が選んだ男は平井直樹。人懐っこい性格で少しチャラ男っぽいが、容姿も整っていて面倒見の良い男だ。


 彼女が務める会社の下で平井と待ち合わせをした時、平井と彼女はエントランスを出た所で挨拶をして別れていた。


 よし!よくやった!平井!この時を待っていた!


「須藤くんお待たせ〜」

「平井さん!今の!今の女性ですが!」

「ん?何?今の女性?」


「楠木さん!楠木詩杏さんではありませんか?昔会った事があるんです。


 僕がまだ学生だった頃、旅行で来て1日別行動の日、ホテルに財布を忘れたんです。


 地図アプリが起動したまま携帯の充電がなくなって、お腹も空いてて電車も乗れないし…」



「わー。それは焦るね…」


「そしたら彼女が声を掛けて下さったんです。


 俺が携帯の充電がなくなってしまった事、財布が見当たらない事を伝えたら、モバイルバッテリーを貸してくれて「お腹は空いてませんか?」ってオシャレなレストランで好きな物どうぞ!ってご馳走して下さって、充電が100%になるまで一緒に居て下さったんです!


 お礼がしたいって言ったんですけど、困った時はお互い様だからって…ホントずっと会いたかったんです!」


「あー。そりゃ惚れるわー。ってか、楠木ちゃんらしー」


「実は就職でこっちに勤務地希望出したのも楠木さんと出会った地で働きたいからだったんです。もう会えないと思ってました。


 彼女の人間性も空気感も全部大好きで!あの可愛い笑顔をずっと見てたい。


 めちゃめちゃに甘やかしてあげたい。

平井さんお願いします!彼女との仲を取り持って下さい!」


「んー…」


 平井さんはしばらく考えて


「………うん。須藤くんなら大丈夫そうだな。喜んで協力しよう。

 あ、ライバルとも言えないけど楠木ちゃん狙ってるヤツ結構多いんだよね。本人全く気付いてないけど」


 と言ってくれた。



 くそっ!ライバルいるのは分かってたけど、詩杏は俺のだ!見るな減る!


「ホントですか!平井さん!頼りにしてます!」


 人好きのする顔で無邪気そうに笑っておいた。


「おぅ!任せろーい!

 いやね?楠木ちゃんさぁ何でか毒吐きホイホイでさぁ、楠木ちゃんの事を好きなヤツ程わざわざ辛辣な事言うんだよー。


 バカばっかり…。そんな言葉投げつけて女の子が傷付くのが分からないだろうかと。

 飲み会とかイベントとかも全く参加しなくなっちゃったしさ。

 俺が毒吐かれ現場に出くわしたらすぐ救出するようにはしてるんだけどね」



 …なんだと?全員ぶち殺してやる


「…っおいっ!こえーよ!俺は救出班だって!

 楠木ちゃん人当たり良いし仕事もきっちりやるし、困ってるヤツがいたら察知してさりげなくフォローするから皆んなから好かれてるんだよ。

 

 それが恋愛感情になると途端にマウント取って意地悪言い出すんだ。


 例えば、胸をチラチラ見ながら、また太った?とか本気のアホだとしか」


 はっ?…胸を見ただと?ボールペンをぶっ刺して目ん玉えぐり出して、二度とバカな口がきけないように舌を切り取ってぐしゃぐしゃに口を縫い付けてやる


 こんなクソみたいな所早く辞めさせないと


 俺に…俺に触手があったら穴という穴に触手を突っ込んで内側から引き裂いてやるのに…俺はなんて無力なんだ。


「いや…あの…ホント怖いから…俺を含めほとんどのヤツは楠木ちゃんの救出班だから安心して!ほら!そんな顔すんなって」


「…はい」


 やっぱり違う会社に入ったのは失敗だったか。

 彼女と同じ会社に入って、ささっと会社を乗っ取り、彼女の害になるヤツや彼女の手を煩わせるヤツは殺せば、いや切り捨てれば良かったんだ。


「ははっ。。とりあえず、今日は作戦練ろうぜー!

 あの子はちょっとやそっと…と言うか普通の出会い方じゃ落ちないと思うよ。

 洗脳と刷り込みを解いてやらないとな。」


「洗脳と刷り込みですか?」


「うん。あれはきっと、ずっと容姿や能力を否定されて劣等感やなんかを刷り込まれて育ってるね。

 俺色んな子見てきたから分かるんだよね。


 楠木ちゃんっていつもニコニコしてて嫌な事言われても笑って受け流してるけど、結構闇が深いと思うよ。

 マジで深淵にいると思うわー。


 それこそ救い出せるか分からないくらいね。


 だいぶ前に話した時に、親は頻繁にお米とか小さい頃から大好きなお菓子を送って来てくれるから有難いけど、太るから困るって仲良さそうだったから、虐待とかではないはず。


 とりあえず、移動しよーぜ!今日はカラオケボックス行こー。誰かに聞かれたら面倒だし」


「はい。そうですね」


 俺の詩杏を否定して傷つけたヤツ誰だよ。

どうやって殺そうか。まず汚れてもいいボールペンを買わないとな。



 カラオケボックスに着いて食事をしながらあーでもないこーでもないと作戦を練った。


「あ、来たわ…。アイデアの神様が議案書持って降りて来たわ。グッジョブが過ぎるわ。

 まず楠木ちゃんの分析結果。大雑把にね?

怒らないで聞いてね?」


「はい」


「1.楠木ちゃんは困ってる人が居たら放っておけない。


 2.意に沿わない事でも嫌だと言わないし言えない。断らない。断れない。

 簡単な事で言うとトイレ行きたくないのに、行こうって言われたら行くみたいなね。


 それでめっちゃ厄介なのが次、でも、今回の計画では最高の性質!



 3.元々人に合わせて嫌々始めた事で、八方塞がりの状況になっても、自分が悪いから仕方ない。逃げ出してはいけないと思い込む。


 まぁめちゃめちゃ良く言うと、責任感が強いんだよ。



 まぁ次は多分優しい子や大人しい子はほとんどそう。


 4.他人の行動や言動、意見を拒否しない。そして流されやすい。強いて言えば洗脳されやすい。



 5.周りの人の気持ちに同調しやすい。悲しい気持ちの人が居ると自分も悲しくなる。


 まぁアレよ。近くに居る奴が頭痛そうにしてたら、自分もしんどい気がしてくるやつ。

 俺はならないけど。


 それからこれ、1番大事テストに出るよ。


 6.自己肯定感が低く、自分なんかが異性から好かれる訳がないと思っている。


 だから好意には鈍感。悪意には敏感。


 楠木ちゃんとは、そこまで深く関わった事がないから、ざっくりこんな感じだと思うよ?



 わー!怒らないでって言ったよねー!なんて怖い顔してんだよぉー!」



「1つお伺いしても良いですか?平井さんは、楠木さんの事をどう思われてますか?」


「それは恋愛対象になるかって事を聞いてるんだよね?


 まず大前提として、職場の人には手を出さないよー。


 楠木ちゃんが社外の人だったとしても、申し訳ないけど俺は絶対にムリ。


 なんでかって言うと…


 俺ね、一生結婚する気ないから、真面目な良い子は重くて正直しんどい。責任取る気ないし。本気で好かれたら面倒でしょ?


 楽しく後腐れなく遊べる子とだけ恋愛ごっこしてるのが心地良いんだよねー。


 小さい頃から色んな人を見て関わって来たからねぇ。身を守る為に相手に喋らせて観察して分析して培ったこのスキルで少し話すと相手がどんな思考傾向の人かだいたい分かるんだよ。


 俺みたいな環境で生まれた子どもは、親だけじゃなくて、子どもにとっても生まれてこなかった方が幸せって家庭もあるから。家庭って言えるのか分かんないけどねー。


 まぁ俺の話しはいいんだよ。


 俺は楠木ちゃんの事、人として、会社の仲間としては好きだけど、遊び相手として除外してるから安心して?」



「わかりました」ほっとして微笑む。


 この人には敵わない。容姿はとても良い方だし。

 これだけ詳しく人の心が分かる人に囚われたら、どんな人でも手のひらで転がされて転がされてる事にも気付かず操られて傾倒するだろう。

 この人が詩杏を手に入れようと動かなくて良かった


「あ、はい誤解が解けた様でなりよりです本気で。

 須藤くん闇持ってそ。と思っていたけど

結構な深淵にお住まいでいらっしゃる。。


藪蛇だね。つつかない事にするよ!ふはっ!


 あ!そそそ作戦ってのが

 俺が、帰る寸前の楠木ちゃんにとんでもない仕事を振って終電まで足止めする。


 楠木ちゃんの最寄駅で終電ギリギリの須藤くんがわざとぶつかって。


題して『あなたのせいで終電逃しました。オウチに連れ込まれるまで帰れません!』


 どうよ!素晴らしい案だと思わない?」


「んーー。うまく行きますかねぇ。」



「いやうまくしか行かないでしょ。


 さっきも言ったけど、楠木ちゃんは普通に出会っただけじゃ恋愛には発展しないと思うんだよね。劇的な出会いじゃないと。


 正面玄関爆破してビックリしてる間に懐に飛び込んで纏わりついてゆっくり心と体を懐柔して自分は優しく愛されてもいいんだと気付かせないとね。


 とりあえず、明日楠木ちゃんの最寄駅聞いとくわ」


 あ、それは知ってます。



「宜しくお願いします。何から何までありがとうございます」


「まぁお礼は全てうまく行ってから言ってよ!


 今週末連休でしょ?

楠木ちゃん代休と有給くっ付けて5連休にする!って言ってたから、急だけどそこ狙ってみない?ふふふっ。


 旅行の予定とかも聞いとくわ」



 旅行の予定はないはずです


「マジっすか・・・。急過ぎて震えてきた。

 現実の世界で楠木さんと普通に話せるかな。息継ぎの仕方分からなくなりそう。

 喋ってる時の唾液ってどーするんだっけ‼︎ってなりそう」


「えー!どんだけっ!

 見たい!そんな須藤くんめっちゃ見たい‼︎

 …はっ!…いや、やめておこう」


「すみません。取り乱しました。

 具体的に終電逃した後ってどうしたらいいんですかね。」


「おっとその前に大切な事だ!

家に連れ帰ってもいいか。と思う相手とはどんな人かな?


 そう、無害そうな人、優しくて思いやりがあって、気遣いができる人だよね。


 そんな人なら、家に連れて帰って泊めても変な事はされないだろう。と大抵の人は思う。

 更に、自己肯定感の低い楠木ちゃんは、私なんか性的に襲われる対象になる訳がない。と思う可能性が高い。


 なんなら、私と関わって不快な思いをさせてしまっている。と思うかもしれない。

 

俺の計画はこうよ!


 まず、ぶつかりに行って、楠木ちゃんぶっ倒して、大丈夫ですか?って駆け寄って手厚く構い倒し「待って待って待って待っておかしいおかしい楠木さんケガしちゃう却下」


「えーーーーー。じゃあ…

 あ。基本利き手と反対側の肩に鞄かけるから楠木さんも左側に鞄持ってるとして。


 須藤くんの鞄を楠木さんの鞄にぶち当てて中身ひっくり返して荷物と楠木ちゃんに構い倒してる間に終電を見送る。


 というのはどーだ!」


「なるほど」


「中身は散乱しやすい細々した物を持って帰らないといけないように当日の夕方から色々仕込んでおこうかな」


「ありがとうございます」


「だから、須藤くんは気遣いの塊になって無害な人という印象を与えてね!


 後は、須藤くんお酒強いでしょ?自分のペースに巻き込んでいっぱい飲ませて楠木ちゃんの思考を鈍らせて酔い潰れた振りしてお持ち帰りされたらいいよ。


 お持ち帰り後は、そーだなぁ。。


 楠木ちゃんのタイプなら…

いっぱいスキンシップとって目を見て可愛い好き好きってストレートに言いまくるのがいいと思うけど、洗脳と刷り込みもあるからなぁ。。


 お酒弱いフリしてお酒を飲むと本音を言って甘える人を演じるのもいいかもだねぇ。。


 楽しそう。ふふふ…


 あ、そー言えば!楠木ちゃんね!ビールは弱かった記憶があるよ!ビールいっぱい飲ませてみて!


 ビールを飲んだ楠木ちゃんを見てから皆んな狂い始めた気もするなぁ」


「分かりました。僕もビール苦手だけど頑張って飲みます。

 うまくいきますかねぇ。ドキドキしてきました。

 あ、終電を逃した平井さんは、僕の部屋使いますか?」


「マジ?いいの?その日いい子が捕まらなかったらお言葉に甘えようかなぁ。あ、大丈夫大丈夫須藤くんチに連れ込まないから」



 当たり前だろ…俺のベッドでセックスしたら張り倒すぞ



 俺は暗い目をして微笑んだ。





お読みくださいましてありがとうございました。

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