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45.なんてこった!生活に支障をきたすレベルだったとは!




 カフェオレが飲みたくなったので、マナトくんの分と一緒に淹れる。


「あ、そだ。マナトくんのオウチの水道の件どーだった?ずっとウチにいるの不便でしょ?」


「会社近いし全然不便じゃないよ?シアンと一緒に居られるし」


「あーそか…」


 いや…あのね?平日ね…。毎朝あーなるとキツイっス。私が退職するまでオウチに帰って貰いたい…。言いにくいな…察してくれないかな…。


 マナトくんがにこにこしてる。天使みたい。綺麗な顔だなぁ…。


 明日帰って貰えるように促してみようかな…。



 今日は映画を観てまったり過ごす事になった。マナトくんがリモコンで色々探してくれる。

 

「シアンは何が観たいの?うわぁホラー特集だってぇ…」


「あー。この間はアクションのが観たかったんだけど、今はホラーが観たい気分!」


「マジ?1人の時怖くならない?」


「あー。なる…かも?まぁ大丈夫だよ!」


「分かった。どんなのが観たいの?日本のホラー?洋物のホラー?ゾンビ系?」


「マナトくん。ホラーと言えば和物一択でしょ!」


「ふふふ。和物…いいよ」


「マナトくんは幽霊怖い?」


「全然怖くないよ。何もして来ないでしょ?

 ナイフ持って笑いながら近付いてくる人間の方がよっぽと怖い。幽霊が真横から顔覗き込んで来たらビックリするだろうけど、それは相手が人間でも一緒だし」


「あー。なるほど!んじゃ私も怖くない!

張り切って観ましょうか!」


「どれにするの?」


「んー。…これだな!」


「あー。懐かしいね」



 怖い着信音が鳴るヤツにした。めちゃくちゃ怖くなって途中からマナトくんにしがみ付きながらチラチラ見た。


 後悔した。見る前に戻りたい。


「もう一生ドアスコープ覗けないし、天袋てんぶくろには何も収納しない…。ウチ全室洋室だから押し入れないし、天袋もないけど。マナトくん背後も怖い。後ろからも抱っこして欲しい。分身して」


「あはは!そんな怖かった?シアン怖い描写は全部見てなかったでしょ」


 失礼な!ちゃんとチラチラ見ていたぞ!



 お腹が空いたのでご飯にした。(マナトくんに作ってもらって。)



 夜、怖くてビクビクしている為、初めて脱衣所で一緒に服を脱いで同じタイミングでお風呂に入った。


 お風呂から上がってせっかくだし。と、先週買ったシマシマのお兄さんを探す絵本で遊んだ。マナトくんは裏表紙の細かい設定の人達を探すのも激早で、なんでそんなに見付けるの早いんだ!と悔しくなった。


 遊んでいるとメールが来た。


「あ、お兄ちゃんからメールだ」



『こないだはありがとう!話し合いはうまく行ったぞ!

それと、父さんと母さんにいつ都合が良いか聞いといたぞー』



『ありがとう!優奈さんとうまく行ってよかったね!』



『二人ともビックリしてた!特に予定はないから、いつでも大丈夫だって。


 優奈の事は詩杏のおかげだ。ありがとな!』



 マナトくんも暫く予定はない為、お兄ちゃんに合わせる事にした。



『分かった!じゃあ、お兄ちゃんの都合の良い日教えてくれたら、その中から決めるよ!

 優奈さんの事はお兄ちゃんが頑張ったからだよ!』



『ありがとな。

 来週は出張だから、再来週とその次の週かな。土曜でも日曜でも大丈夫!』



『分かった!マナトくんと相談してまた連絡するね!』



『ほーい』



「ねねマナトくん。再来週とその次の週の土曜か日曜はどうかだって」


「なるべく早くがいいから再来週の土曜日がいいかな」


「分かった!」


『再来週の土曜日でお願いします』



『え、はや。なに一緒に居んの?』



『うん。一緒にいるよ』



『そかそか。仲良くな!俺の都合に合わさせて悪いな。じゃあ、再来週の土曜日でって連絡しとく!』



『あ待って私から連絡するよ!ありがとう!』



『あぁそうだな。じゃあ時間決めたらまた連絡してくれ。昼以降が嬉しい』



『分かったー!またね!』



「お兄ちゃん優奈さんとの話合い上手くいったって!あぁよかったぁ…。お兄ちゃんの歴代の彼女の中でもだし、私が知ってる人の中で1番優しくて思いやりがあって良い人なんだよ」



「そうなんだ。俺は?シアンの知ってる人の中で何番目?」


「え!?ああっ!今のは女の子のランキングだよ!マナトくんは男の子だから、男の子部門で総合1位だよ!」


「ふーん。2位は?」


「2位はお兄ちゃんかな」


「3位は?」


「お父さんかな」


「じゃあ4位は?」


「いなーい」


「ふふっ。そっか」


「マナトくんは?」


「俺の世界には1位のシアンしか居ないから、ずっとシアンが1位だよ?」


「わぁ嬉しい!けどずっこい!私もマナトくんしか居ないもん!」


「ふふっ、ありがとね。…シアンと2人きりの世界に行けたらいいのに」


「そうだねぇ…」




 マナトくんがちょっとコンビニへ行ってくると言うので、一緒に行こうとしたら、湯冷めしたらいけないからお留守番しててと言われた。



 マナトくんが出掛けて行った途端、部屋が静まり返って耳鳴りがした。妙に物音が気になって怖くて仕方なくなった。


 やばい…。ホラー映画なんか観るんじゃなかった…。怖いよぉ…。マナトくん早く帰って来て…。



 時間にして10分位だったけど、とんでもなく長く感じた。


 すると、『ピーンポーン!!!』と静かな部屋にインターホンの音が鳴り響いた。


 …っ!!ビックリした…。こんな音だっけ!?ってか、マナトくん…?カギ忘れたのかな…。えっ、もうどうしよう…。マジで怖い!!ムリ!


『ピーンポーン!!!』


「ひゃっ!」


 恐る恐るインターホンのモニターを見るとマナトくんだった。


「もう…。びっくりした…。はーい」と解錠する。



 少しして、今度は部屋の前のインターホンが鳴って飛び上がった。


「なに!?…え、やだ…。マナトくん…?ムリムリムリムリ怖いって!」



 怖過ぎてしばらく固まっていると、急にスマホが鳴った。いや普通の着信音でね。


 ビビリ散らかしながら電話を見るとマナトくんだった。


「え?もしもし?どしたの?今部屋の前のインターホン押したよね?」


「え?今コンビニだよ?ここ俺が欲しいアイスがなくてさ…もう1こ少し離れた所に違うコンビニがあるから…」


「え…待って待って待って待って…!ムリムリムリムリ!マナトくん!お願い超スーパーダッシュで帰って来て!怖い怖い怖い怖い!」


「え?どーしたの?もしもし?シアン?聞こえる?もしもーし。シアン?おーい」


「いやいやいやいや聞こえてるよー!マナトくんっ!怖いって!やだ!切らないで!マナトくん!」


「もしもーし。しあーん。もしもーし。しあーん」


 怖い怖い怖い怖い怖い怖いっ!


 もうパニックだった。


 え?だってさっきモニターにマナトくん映ってたって!何で?部屋の前のインターホン鳴ったじゃん!コンビニに居るってじゃあ誰が押したの!?


 怖過ぎて涙が止まらなくなった。手も震えるし足もガクガクして立ってられなくて床に座り込む。心臓がバクバクし過ぎて息がしにくい。


 玄関でガチャと音がして文字通り飛び上がった。目を見開いてリビングのドアを見つめたまま固まっていると、「シアン?どしたの?」とマナトくんが帰って来てくれた。



 腰が抜けてしまって立ち上がれなかった。抱きしめてもらって、「怖かったぁー!」とわんわん泣いた。しばらくして落ち着いたから状況を説明したけど、マナトくんは「変だなぁ。俺はコンビニに居たからなぁ」と首を傾げるばかりで解決はしなかった。



 その時から私はくっつき虫になった。


 マナトくんのトイレも付いて行く。もちろん私のトイレの時も付いて来てもらう。


 恥ずかしさなんて…。もうそんなのはいいんだよ。


 マナトくんは嬉しそうにしてた。


 寝る時真っ暗に出来なくなった…。



 寝不足で疲れていたマナトくんは、私を抱き込んで目を瞑ってすぐに眠ってしまった。


 寝過ぎていた私はなかなか寝付けずマナトくんにしがみ付いて窓の外が明るくなるをひたすら待った。



 いつの間にか眠っていたようだった。

マナトくんと一緒に朝ご飯を作って(私は雑用をしただけ)おいしく頂いた。


 マナトくんがクローゼットからスーツを全部出してソファの背もたれに掛けたので、どうしたのかと尋ねた。


「ん?自分チに帰ろうと思って…。なんだかシアンが帰って欲しそうだったから…」と言われて全力で引き止めた。


 ごめんなさいごめんなさい!自分勝手で本当にごめんなさい!怖いんで一生居て下さい!



 マナトくんが複雑そうに笑った。





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