10.マナト side 作戦変更
よろしくお願いします。
さわさわと腕が撫でられる感触で目が覚める。
俺はシアンを後ろから抱き込んでいた。
それにしてもいい匂い。
あぁ夢じゃなかった。シアンと再会できたんだ。
胸いっぱいにシアンの香りを吸い込んだ。
あんなに遠かった存在が今俺の腕の中にいる。
シャンプーの匂いがする。
シアンの頭をザリザリ舐める。
あヤバイ…息子が硬くなってきた。
俺の腕を撫でていたシアンの手がシーツに滑り落ちた。
また寝ちゃったのかな。
硬くなった棒をお尻に押し当ててみた。
返事がない。すでに眠っているようだ。
シアン…シアン。
首筋に鼻を埋めて首の後ろにきつく吸い付く。
背中にも、ぢゅっと強く吸い沢山キスマークを付けた。
1週間は取れないだろう。
シアンは俺のだからマーキングしなきゃ。シアンから見えない所なら怒られないだろーし。
カチカチの棒をちょっと太ももに挟ませて貰った。
シアンを抱え込んで目を閉じる。
ふと目を覚ますとシアンが居ない。
シアンが起きたの全然気付かなかった。
あ、服とか下着全部リビングだ。参ったな。
こっそりリビングを覗いて目を見開いた!
わーわーわーわーわー!リビングにリアル天使が居る!可愛い〜!何あの服可愛すぎるでしょ!
はぁ…えっろ…。
スマホが手元にないのが悔やまれる。
あぁ。昨日のシアンも保存しとけば良かった。
しっかりシアンの姿を目に焼き付けて声を掛ける。
「おはようシアンちゃん。服取ってもらってもいいかな?」
「おはようございます!気が回らずすみません!…はいどーぞ。あ、たまごサンド召し上がられますか?」
え!何で敬語なの?ショック過ぎる…。
「…ありがとう、ございます。…はい。頂きます…」
他人みたいに敬語で話しかけられて、心がズタズタに引き裂かれたみたいに苦しくて悲しい。
着替えを受け取り、寝室へ戻ってのろのろと着る。
半ば吸い寄せられるようにシアンのそばへ行く。
「あ、須藤さん砂糖とミルクはどうします?カフェオレにしますか?」
須藤さんって…何でそんな呼び方なの?
…泣きそう。お酒飲んだ時だけ甘える作戦だったけど…。ムリだ…俺の心が持たない…。
「…やだ」
「え?」
シアンの手からマグカップを取り上げ、跪いて両手を下からすくい上げた。
キョトンとした顔が可愛い。
「同い年だよ?シアンちゃん。敬語はなし。須藤さんじゃなくて真人って呼んでくれてたでしょ?やだよ。そんな他人みたいな話し方。悲しくなっちゃうじゃん」
「…。」
何も答えてくれない…。呆れちゃったかな。嫌わないで…
「…ねぇ。昨日みたいに真人って呼んでよ…」
お願いシアン…俺から離れて行かないで…
「そーだね!ごめんね?マナトくん」
シアン…優しい。でもごめんね。俺はその優しさにつけ込むよ。
嬉しくて泣きそうでシアンのお腹に抱きついた。
シアンが俺の髪を手櫛でゆっくり梳かす。
「マナトくんの髪サラサラだねぇ。ずっと撫でてたくなるよー」
「うん。昔は全く何もしてなかったから傷んでたけど、頑張ってケアしたからいっぱい撫でて欲しい」
俺シアンの為にいっぱい努力したんだ
「分かった。私が撫でていいならいっぱいなでなでするね」
何言ってるの?シアン以外の人に絶対撫でさせないし。
「もぉ。シアンがいいんだってば」
「あ、そだコーヒー飲む?カフェオレがいい?」
「んー。カフェオレが飲みたい」
「オケ!すぐ作るね」
シアンが急に体を離そうとするから、まだ起きてるシアンが足りなくて、ぎゅっと抱きしめた。
「んー。ヤダ。もうちょっとだけこのままがいい」
「ふふっ。んー。分かった。後でソファでゆっくりなでなでしてあげるから、先に朝ごはん食べちゃおう?って言ってもお昼過ぎだけど」
やったー!食べ終わったらスーパーイチャイチャタイムって事だよね!
どこまでオッケーなの?ねぇ。
シアンが俺の為に作ってくれたと思ったら食べるのが勿体無いと思ってしまう。
シアンと朝ごはん(昼過ぎだけど)食べるのめちゃくちゃ嬉しい。
これから毎日、会社行く前にこんな幸せが待ってるのかぁサイコーだな!
「いただきます。…嬉しいなぁ。シアンの手作りかぁ。こんな幸せあっていいのか。」
「もう、大袈裟だなぁ。大したものはつ作れないけど、こんなので良ければいつでも作るよ!でも、マナトくんは作ってくれる人がいっぱいいそうだよね!ふふっ」
へ?どーゆー意味?彼女がいるかって聞きてるのかな?
「いないよ。俺付き合った事ないし。母さんは忙しくてあんまり料理とかしなかったし」
「えー?ホントにぃ?」
「そんな事より、シアンのたまごサンドはきゅうりとチーズが入ってて美味しい!食感もいいね!他は何が入ってるの?」
「よかったぁ。タマゴの具を作る時にほんの少しだけ牛乳も入れるの。柔らかくなるから、食べにくくなるけど好きなんだぁ」
「そーなんだ!俺もこのたまごサンド好きー!お店で出せるよ!俺が学生の時だったら…1100円いや1200円くらいで食べてそうだな」
「高い!高い!ぼったくりに合ってんじゃん!あはははははは!学生相手に何やってんだ!悪い大人め!やーばっ!」
ふふっ。いちいちめちゃくちゃ笑うなぁ。ホント可愛い。
「あはは。いやいや。そーじゃなくて、場所にもよるけど、本当に美味しいから、それくらい出して食べるなぁと思ったの。お料理の才能あるね!」
たまごサンド美味しいかった!
早くシアンも食べたい!俺のをシアンの中に埋め込みたい!
「明日からは俺も手伝うから、一緒に作ろうね!」
「ホント?やったー!明日の朝ごはん楽しみ!」
よし!今日もお泊まりの言質を取った!
このまま同棲にもつれ込ませるぞ!
「洗面台貸してねー」
「どぞー」
あ、そーだ。平井さんにメールしとこう。
『お疲れ様です。
俺幸せです。本当にありがとうございました。
まだ俺んチに居ますか?
夜一旦着替えを取りに帰ろうと思います。
ここからだと15分から20分くらいで着いちゃいますが、一応出たら連絡しますね』
すぐに返信が来た。
『お疲れ様です。
うん( ⸝⸝⸝⁼̴́◡︎⁼̴̀⸝⸝⸝)幸せそうでなりよりです
もう須藤くんチには居ないよ!ちゃんと全部元通りにしといた!
あ!ごめん!お酒貰った!また返す!
でもまだ須藤くんチの凄く近くにいるけどねw
まぁまた俺の話も聞いてよ』
『了解です!楽しみにしています!
いいですよ!お酒くらい。楽しい話し聞かせてくれれば
すみません。近くに居るなら、ちょっとお願いしても良いですか?
玄関出た所に扉があって、その中の『水』ってタグが付いた緑のレバーが水の元栓なんですけど、閉じて貰えますか?
ではまた連絡します』
忘れずにメールを消去する。
さて、スーパーイチャイチャタイムだ。
お読みくださいましてありがとうございました。