イカレポンチ
S: ねぇ そろそろあたしたちの小説が完成しそうなのよ
Y: おれたちの小説? なんだそりゃ?
S: あたしが書いている小説よ あんたとあたしの探偵物語
Y: おまえ そんなろくでもないものを書いているのか
S: ろくでもないとは何よ!! すっごい面白いんだからね!
Y: そうか そりゃよかったな
S: 何その 勝手にしろ って感じの反応は
Y: じゃあどんな反応をすればいいんだ? 完成おめでとう! とかって言って欲しかったのか?
S: もういいわ あんたにそういうことを望むのは 間違いなんだものね
Y: で その小説で おれはちゃんと格好よく活躍しているんだろうな?
S: そういうところは気になるのね
Y: 当然だ 格好悪く描かれていたら たまったもんじゃない
S: 格好いいも格好悪いも 普段通りのあんたよ 弱いくせにタフガイぶってて 売れない三流ホストみたいなファッションしてて 下着フェチで 赤毛フェチで カシューナッツみたいな粗チンで そのカシューナッツをいっつもおっ立てていて あたしがいないと生きて行けない 情けないあんたを そのまま描いているわ
Y: おい それじゃどこもいいところがないじゃないか
S: あら でもあんたが主役なんだからね ありがたいと思いなさい
Y: そうか おれが主役か まぁ当然だな
S: あんたを主役にしないと あんたの情けない姿をたくさん描けないからね
Y: おまえ おれを虚仮にするために その小説を書いているんじゃないだろうな
S: フフッ あんたみたいなアンポンタンを主人公にすれば 面白い小説になるでしょ
Y: まぁいい なんでも好きにしろ
S: 完成したらブログに載せるから 読みなさい
Y: 気が向いたらな
S: ていうかあんた あたしのブログにまだアクセスしてないでしょ!
Y: おれがどこにアクセスするかは おれが決めることだ
S: 毎日五十回は閲覧しなさい!
Y: バカか
S: バカとは何よ! あんたのほうがもっとバカじゃんか!!
Y: はいはい おれはバカだな それじゃ切るぞ またな
S: 待ちなさい!! この大バカ野郎のイカレポ……