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第17話


 「このアニメ、実は2クールなんです」


 先ほどの雰囲気を少し引きずりながらテレビのリモコンをいじる佐奈ちゃん。録画したアニメを探しているのだろう。それに今から見るアニメは2クールらしい。一気見となると結構な時間になる。途中で帰ることを言っておいて正解だった。

 もし本当に一気見なんてしていたら大体8,9時間もかかってしまう。流石に泊まり込みでのアニメは視聴はしたくない。


 「あと、お兄さんも薄々気づいているかもですが、私の家って結構特殊でして・・・」

 「まぁ薄々はね」

 「そうですよね。学校の皆も気づいていて、中々友達出来なかったんです。・・・でもそんな私に対しても分け隔てなく接してくれたお兄さんには本当に感謝しています」

 「・・・・・・」


 ・・・明らかにおかしい。

 やばい、なにか怒らしてしまったのだろうか。途中で帰ると言いたことがダメだったのだろうか。いや~でもそれは仕方がないだろう。だって2クールもあるアニメを一気見って現実的はないだろう。


 「でも、私の家では約束は絶対なんです。誰であろうと、どんな約束だろうと。約束は絶対なんです」

 「・・・佐奈ちゃん?」


 ミリミリとリモコンに力を込め始める佐奈ちゃん。手元をよく見ると特にボタンを押しておらず、ただただリモコンが悲鳴をあげている。怖すぎる。


 「私、お兄さんが約束を破るところを見たくないんです。だって破るということは裏切ることだから。そして私は裏切られることが・・・大嫌い」

 「さ、佐奈さん?」

 「だから・・・」

 「・・・だから?」

 「お兄さんには約束を守ってもらいます。お兄さんのことを嫌いにならないために」

 「はい?」


 そう言うとリモコンをこちらに向けて何やらボタンを押す。


 ガチャン。


 部屋に響く金属音。

 そして体中に感じる拘束感。

 

 体を見ると手首には手すりから出ている手錠で拘束。足首も同様にソファの足から出ている手錠で拘束さている。極めつけは腰に巻かれたまるでシートベルトのような紐が俺を締め付ける。

 立つことさえ難しい。完全に体が拘束されている。 


 「用意しておいて良かったです。これで一緒に見れますね。・・・お兄さん」


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