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第10話

大御門おおみかど佐奈さな

俺の一個下で妹の冬美と同じ学校に所属。


校則で許可されているのか怪しいが、色の抜けた明るい髪色を肩まで伸ばし、少し巻いたような髪型。丈の短い黒いキャミソールの上に、大きめのカーディガンを着崩し、タイトなジーンズを履いている。

丈が短いのでへそが丸出しだが、彼女いわくファションらしい。


そして何より、胸がでかい。


本当に高校生か。と疑いたくなるが、それほどでかい。

顔も冬美程でない(兄バカ)が、十二分に整った顔立ちをしている。


一言でいえば、まぁモテるだろうな。と言った容姿をしている。

冬美に見せてもらったSNS以上にギャルをしている印象だ。

そりゃ学校でも彼女以外はいないだろうな。


「本当にジャージなんですね~」


そんな観察をしていると視線が気になったのか、視線を自分の顔へ移させるように、見上げてくる佐奈ちゃん。

身長はおそらく女性の平均程だろうか、冬美よりは低いので俺と話すのは少し大変そうだ。


「まぁな、俺はいつでもジャージだ。……その口ぶりだと俺がジャージで来ること予想していたのか?」

「なんか冬美ちゃんに、『アイツはジャージでくるからすぐわかるよ』って言われて……。まさかだとは思ってたけど、そのまさかでした♪」

「……」


ちょっとビックリ。と笑顔の佐奈ちゃん。


しかし、俺としては冬美が学校だと俺のことをアイツと呼んでいる事にショックを隠せない。……もう『お兄ちゃん』で統一しようよ。家と外と学校で呼び方変えている妹なんてお前くらいだぞ。


しかも俺がジャージ行くことも完全にバレてるし。

自分の家に監視カメラでも付けているのか冬美のやつは。


こうなってしまうと嫌われ作戦その1もその2も失敗とみていいだろう。

まさか身内に敵がいるとはな。


「……取り敢えずお昼でも食べに行きますか。お兄さん♪」


まるでキャバ嬢並(行ったことないからもちろん想像)の自然さで腕を組む佐奈ちゃん。俺がギャル嫌いの特性を持っていなければ、間違いなく惚れていただろう。


////////////////////////////////////////////////////////////////////


嫌われ作戦 その3.昼飯牛丼作戦。


ここまで何一つ上手いこといっていない作戦に対し、月見里やまなし夏己なつき司令官(俺)は追加の作戦を立案した!


昼飯に牛丼作戦である。


男子学生のソウルフードと言っても過言ではない牛丼。

俺もよく道場帰りに食って帰るが、間違いなくデートで選ぶ飯ではない。

中学の地味カップル時代でさえも、牛丼を提案したことはない。


しかし、このままでは今後の関係遮断の目的を達することは到底不可能。

やるしかないのだ……この昼飯牛丼作戦を。


「……昼飯だけどさ、ちょっと行きたい所があって」

「え、そうなんですか? ココらへんで美味しいパスタ屋さんあるので、そこにしようかなと思ったんですけど……」


……罪悪感がすごい。

だが、ここで諦めるわけにはいかないのだ!!


「ごめんごめん、どうしても食べたい物があってさ」

「まぁ……それならしょうがないですね。……なんですか? その食べ物って」

「牛丼」

「……え?」

「牛丼だ。俺は今、無性に牛丼が食べたい!」

「……」


訪れる静寂。

……どうだ? 流石にこれには引くだろう。


「いいですね! 牛丼!」

「は?」


は?


「いや~実はウチも結構牛丼好きでして、たまにママにも作って貰うんですよね♪ まさかお兄さんに誘ってもらえるなんて。……もしかして冬美ちゃんにウチが牛丼好きなの聞いてました?」

「……」


……もう、なんなのこの子。

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