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街へ向けて

 これまでのあらすじ。


 鳴神晴也(なるかみはるや)はある時、一人の女神と出会う。その自称神様は突然勇者として魔王を倒せと言い、鳴神晴也(なるかみはるや)を異世界へ送り出す。しかし、勇者をやりたくない鳴神晴也(なるかみはるや)は引き籠もり生活のために新しい世界に立ち向かうのであった……!


「さっきから一人で何を言ってるんですか?」


「なんでもないです」


 独り言を言う俺の顔を覗き込みながら質問してくる。


 ……そんな純粋な目で見ないでぇ。


 俺は視線を逸らしながらさっきまでの出来事を思い出していた。




   ♦   ♦   ♦   ♦   ♦   ♦   ♦   ♦   ♦




 しばらく二人で笑い続けた後、


「はぁ、はぁ、ふぅ。あの、さっきは助けて頂きありがとうございます」


 少女が俺にお礼を言ってくる。


「いや、大丈夫だよ。怪我はしてない?」


「はい! 大丈夫です!」


 質問をする俺に純粋な笑顔で答えてくる。俺も笑顔で返し、


 ……あれ? 俺こんなキャラじゃなくね?


 していることともともとのキャラのズレに戸惑っている俺を気にしてか、少女は少し困り気味に会話を続けてくる。


「あの、どうしてこんなところにいたんですか?」


 どうしてか。


「うーん。そのー、笑わないでほしいんだけどさ、俺、勇者として異世界から来たんだ」


「……」


 真剣な表情で話す俺を少女は何とも言えない表情で見てくる。


 ……。


「じょ、冗談だよ! その、あれ! 初対面だからさ! 距離を縮めるためにこんなことを言ったんだよ! ハハ、ハハハハハ!」


「あぁ! なるほど。気を使わせてしまってすみません」


 ……やめてよ。心が痛くなってきた。あと異世界から来たってことは言わないようにしよ。


「そういえば自己紹介まだでしたね。私はメルフィールといいます。気軽にメルって呼んでください」


 そうメルが自己紹介をする。身長は一六〇cm弱くらいかな。琥珀色の瞳に桜色のロングストレートで両サイドの一部を三つ編みにしている。


「俺はナルカミハルヤ。じゃあ俺のことも気軽にハルって呼んでくれよ」


 メルにならい、俺も自己紹介をする。


「ハルはこれからどうするんですか?」


「俺はとりあえずどっかの街にでも行こうかと」


「な、なら私と一緒に行きませんか? 私も街に行くので」


 そうだな。俺は街の場所もこの世界の常識も知らないし一緒の方がいいかもな。


「うん。じゃあお言葉に甘えさせてもらってもいいかな?」


「は、はい!」


 こうして俺とメルの旅が始まったのだ。以上、回想終わり!




   ♦   ♦   ♦   ♦   ♦   ♦   ♦   ♦   ♦




 特に何もない荒地を歩きながら何故か上機嫌のメルと何気ない話をする。

 

「そういやメルは何でこんなところにいたんだ?」


「私はクエストで来てました」


 ほう?


「そのクエストって何なんだ?」


 なんとなく予想がつくが一応聞いてみる。


「クエストはギルドで受ける依頼のことですよ。私たちみたいな冒険者はクエストで報酬を得て生活してます」


 うん。予想通り過ぎてどんな顔すればいいかわからん。


「じゃあメルは冒険者ってことか?」


「はい。一応魔術師(ウィザード)です」


 確かに言われてみればメルは背丈ほどのマントみたいのを羽織い、杖を持っている。


「え? メルって魔法使えんの?」


「使えますよ」


 いいなぁ。俺も魔法使ってみたい。


 そんな願望を抱きつつ、重要なことに気づく。


「なぁ、メルはどこに住んでるんだ?」


「ギルドが運営してる宿に住んでますよ」


「ぎ、ギルド運営って?」


「ギルドに登録してる冒険者だけが使える宿です。冒険者なら無償で泊まれるのでいいですよ」


「ふ、普通の宿に泊まるのは?」

 

「そうですね。一人で一部屋借りるのでしたら土木作業の仕事を三ケ月くらいでしょうか」


「……」


 マジかぁ。今のところ俺が引き籠もれる家は実現不可能のようだ。危ないことしたくないんだけどなぁ。


「? どうしました?」


 メルが不思議そうにこちらを見てくる。


 俺は「何でもないよ」と返答しながらこれからの住処をどうするか考える。


 ……やっぱりギルドに入んなくちゃきついかなぁ。てかギルド入ったら働かなくちゃダメだよなぁ。やだなぁ。怖いなぁ。


「……胃が痛い」


 まぁ、今考えてもしょうがない。街に着いたら考えよ。


 俺はこれからの生活に不安を抱えながらメルとの旅を続けるのであった。


 




 




 

 


この物語を読んで頂き、ありがとうございます。

あらすじ通り、この物語は異世界での戦闘もありますが、ギャグ要素もあります。(そのつもりです。)

ですので、気軽に楽しんで読んで頂き、少しでも「クスッ」と笑って頂けたら幸いです。

上手く書けずに至らないところもありますが、一生懸命書きますので、連載終了までお読みいただけたら嬉しいです。

最後にもう一度、読んでくれた皆様に深く感謝を。

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