表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

行間 I don't know the imaginary enemies, but I have to beat them.

僕は予備校通いの浪人生。クラスメイトは9割以上が大学予備生。

すっかり差が出来てしまった人たちと同じ空間にいた、という事実を振り返るのは辛い。

僕も今ごろ笑顔で遊びにいっている可能性もあったのに、努力しなかったせいで自分からその可能性を捨てたのだ。情けない。


だから、過去を振り返るときは一気にするのではなく小出しにしていった方が楽だ。


そのための行間である。

後期終わって本格的に勉強を再開しなければならない時期に入った。

世間で言われることにはこの時期の浪人は弛むらしい。たしかにそうだ。現に僕は弛みまくっている。

けど、人間の筋肉だってどっかは弛んでいるところがある。その筋肉も必要となれば縮んで一生懸命仕事をする。

だから今、僕が弛んでいるように見えるのはいわゆる充電中というやつだからだ。


でもその考えだと人間のどっかの筋肉は今も縮んでいる状態だ。

例えば僕は今寝そべりながら肘をついて上体を起こしているわけだが、その間上腕二頭筋は縮んで僕の体重の一部を支えている。

さらに、忘れがちだが常に鼓動を続けている心臓も筋肉だ。


ということは、今も縮んでいる筋肉のように、または動き続けている心臓のように来年に向けて必死に勉強している人がいるということだ。

その人がどこの大学を志望しているのか、現役生か浪人生か、男か女かなんてわからない。

けど、その人たちといずれ勝負することになる。


それなら、充電中なんてバカなこといってないで勉強しないと。

後期試験が終わった。

今年から後期で受けられる学部が減って倍率が急上昇したとはいえ、手応え的には受かっているはずだ。

でも、得点開示で手応えのあった国語が見たこともないような点数だったことがあったから不安だ。

でも、答え合わせはしたくない。傷ついても慰めてくれる親友がいなくなったから。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ