行間 the real attacks me after I remembered my best friend
こんなことをいったら本当に苦しんでいる人に失礼かもしれないが、鬱状態なのかもしれない。
自分が嫌になってくる。
やっぱり切り替えることなんて不可能だよ。
消えてなくなりたい。
死にたいのではない。死んでも、幾人かの記憶には残るかもしれないから。
そうではなく誰からも忘れ去られて、この世から消えたい。親友や家族、そして僕自身も自分を忘れた状態でいなくなりたい。
左胸が疼く。見えない手が肋骨の間をぬって心臓を軽く握っているような感じがする。
寝れない。
親友との思い出を語って寝ようかと思っていた。だけどダメだった。でも、それは親友への申し訳なさではない。
よく考えたら、どれだけ僕があいつに八つ当たりしたところであいつは合格者という集団内で新たな友達を作るのだろう。
合格したときの気持ちの上がりようはそれはそれはすごいだろう。
ならば僕があいつに何をしたって、あいつは僕のことを歯牙にもかけないだろう。
そっか。僕はあいつに構ってほしかったのか。
普段通り話しかけてほしくても、「今はどう接していいかわからない」なんて言うあいつにいつものように世間話を始めてもらいたかったのか。
でも、もうそれはないだろう。だって自分から連絡を絶とうとしているのだから。このままそれなりの時間を一緒に過ごしたやつがいたなぁ、と思われたまま忘れられるのだろう。ラインのトークした相手の位置もどんどん下へといくのだろう。
色々なことが嫌になってくる。
だから寝れないのか?
そうではない気がする。今、僕の精神は参っている気がする。
不合格の辛さ。友人たちと一緒に進学できなかった無念さ。僕一人だけが落ちた恥ずかしさ。応援してくれた家族への申し訳なさ。頭が悪い自分への呆れ。下に見ていた人達が受かっていたショック。勝手に下に見て優越感に浸っていた自分への嫌悪感。合格できなかった悔しさ。さらには名前がつけられず、対象すらもわからない様々な感情。
もうたくさんだ。
満腹を感じたならば食べるのをやめればよい。
計量カップから水が溢れそうなら注水をやめればよい。
だけど、心の容器から感情が溢れそうでもその供給をとめることはできない。なぜなら、感情は絶えず発生しているからだ。
普段なら入る量と出る量が同じくらいになって感情はコントロールできる。簡単なニュートン算だ。
しかし、今は入る量が出る量を圧倒している。
そして、心の容器は形を変えることができない。
だから、やがていっぱいになった感情は心を壊しにかかる。心には徐々にヒビが入っていきパリンと割れる。
大声で叫んだら楽になるかもと思い、枕に顔を埋めて叫んだ。確かに楽になった。
けれど、息を吸った途端また壊れそうになる。
息をとめてみた。
いつもより長くとめられたが、苦しくなった。
なるべくなら苦しみを感じずに消えていきたい。
少しでもいいから呼気に僕の成分が入っていて、どんどん僕が薄くなっていけばいいのに。
まだ、左胸は気持ちの悪い感じだ。脇腹が痛くなってきた。
下に見ていたやつが受かっていたことを思うと痛みが増す。
でも、報いだと思えば仕方なく思えてくる。
もう深夜3時だ。
いつまで寝れない状態が続くのか、また胸の痛みはいつ消えるのか不安になる。
嗚呼、またひとつ感情が増えた。
あと7時間で試験だ。
あと240時間で合格発表だ。
あと8394時間でまた試験だ。