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汚い字
俺の字は汚い。
頑張って綺麗に書こうとしてもどうにもならない。
周りの人からも字が汚なすぎて読めないとよく言われる。
このままではまずい。
そう感じた俺は達筆講座なるものを始めることに決めた。
送られてくる見本を真似て書き、先生に郵送することで添削してもらえる講座だ。
早速届いた第一回目の見本を苦労して書いて郵送する。
ああ、返ってくるのが待ち遠しい。
添削はどんな感じだろうか。厳しいのか、はたまた優しいのか。
数日後、送ったはずの封筒が家のポストに戻ってきていた。そこには郵便局からの付箋が貼ってあった。
『郵送先の住所が読めません。』