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なにかしら  作者: コーレア
下 The preliminary moves to the following tale!
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19-3 相思相愛と19日目の夜

 メリド。

 元々は北の王国の首都であったその町は、南の王国を呑み込んだ事と、その後現在まで続く平和が訪れた事から、だんだんと人口は増えていた。

 それに比例して増していく喧騒けんそうから離された所。その場所に、ヨーロイド王国の王宮はあった。


「陛下」

「んっ」


 正午過ぎ。

 公務と週に1回開かれる御前会議の時以外だったら、その半分はいるエクセンリナ女王もといサーラン国王の自室には、実は5人同じ顔を持つ執事の1人の「Bです」が呼ぶ。

 ある報告を受けてから、それまでの数日とは別人の如く、今まで以上の勢いで公務である議会で成立した法案の承認や、国民からの手紙は目を通して返事をしたためる仕事を済ましていったが返事して、すぐに部屋から出てきた。

 帝国のサークラ女帝と同じ18歳であるサーランは、政府公認のファンクラブが言う「可愛いと格好いいの中間」の風格を漂わせ、自身もきちんとそれを無意識に使い分けていた。今は、最高級の紺色のスーツをしっかりと着て、普段は注意されるネクタイのズレも今日は無かった。


「一行は会議室で待っておられます」

「わかった。では、行こうか」

「はい」


 けれど、まさ幼さが残るからか、感情が上がっている声がそのまま出ていた。それに、目も爛々(らんらん)と輝いている。

 本来ならそれも注意するのが、彼らの役目だが、昨日までの落ち込み具合を間近で見てきたので満場一致で注意しない事にした。

 自室から会議室までに向かうまでの間の廊下にいたメイドや執事、近衛兵、政府の関係者も国王の変わりように驚いていたが、おそれ多くもそれを指摘する者はいなかった。


「国王陛下がまもなく来ます」


 会議室に通じるドアから、と同じ顔立ちや背格好のAが出てきた。彼は、メリド中央駅からこの王宮まで、一行を導いてきた。


「お疲れさま」

「ありがとうございます」


 小声での会話をした後。

 国王は、会議室のドアを勢いよく開けた。


◇ ◇ ◇ 


 結局の所、女帝陛下と国王陛下は相思相愛でした。何故わかるか? 簡単ですよ。ドアが開けられて、よく新聞とかで見る国王陛下の中性的な顔が見えた直後、勢いよく女帝陛下が駆け出していったんですから。

 そのまま抱きついてーー。おっと、これ以上咲きは言ったらいけないんでした。ここから30分は、一身上の理由ではぶかして頂きます。


「では、このヨーロイド王国に来た記念に、オペラを見ましょうか?」


 と、国王陛下が提案して、俺達はここまで駅から連れてきてくれた20代ぐらいの執事の人の車で、王宮がある山から降りた先の海に浮くオペラハウスに向かいました。

 王宮で貸し出された、よく国王陛下が外に出る時に使うという正装を着て、オペラハウスの中央玄関の前に降り立つと、親子連れが待ち構えていました。

 ヨーロイド王国前女王陛下、つまり国王の弟で一般的には王室として知られていない一族と、頭の中の知識から導き出して、誰だろう? という表情のクリョーンに教えます。


「じゃあ行こうか」


 自ら王位継承権を捨てて一般人として暮らしていく事を決めたウィンターさんが言って、大人2人と子供7人のグループはオペラハウスに入っていきました。

 オペラについては、本筋とは関係ない事なので、ここでは割愛しますが、そのオペラが終わったのが、夜の8時頃でした。

 この時には日が昇っている時間が長い夏と言えども沈みきってしまい、ヨーロイド王国の首都を月明かりと人工の光が包んでいます。


「ありがとうございました」


 オペラハウスの前で、ウィンターさん家族に礼を言って別れた後、私達はオペラハウスの裏手にあるテラスに向かいました。

 女帝陛下のアイコンタクトでタイミングを察した私は「トイレに行きます」と言って、3人から離れました。

 女帝陛下と国王陛下が手すりの方に向かって並んで歩き、クリョーンはその少し後ろを警戒の視線をあちこちに送りながらついていきます。

 私も、誰も座っていないベンチに座り、目を閉じてレーダーを作動させます。これを使って銃を使う時は、羽が背中から出てきますが、今回はただ誰が半径1キロにいるか探るだけなので出る事はありません。

 ……親衛隊の人以外は、銃を持っている人は……おっと。


「対岸のバーの中。多数反応があります」

『了解。制圧部隊を向かわせます』


 動きから見るに、単なる密輸組織だと思いますが、こんな時にしているとは不幸ですね。

 レーダーと無線を解除して、頭の中が元に戻った事を確認した後、私は目を開いてクリョーンと、その奥の手すりに寄りかかった2人を見ます。

 状況次第では、まさにこの世界の運命を決めるかもしれない告白が、今まさに始まろうとしています。

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