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なにかしら  作者: コーレア
上 忙しい旅の章
48/58

11-19 さあ、幕を降ろしましょう

 結局、半日にも満たなかった騒乱。

 その決着は、拍子抜けにもあっさりと、消化不良を残しながらついた。

 王宮跡を中心に起きた半径1キロのほぼ無酸素状態のドームの形成と、その後に起きたたった1分間の戦いで、その騒乱の指導者は気絶しながら決着はついた。


『なぜ、は失礼ですね』


 皆が起きるのを待っている間、俺は駆けつけてきた味方の軍隊の無線機を借りて、王宮跡の前に建てられた臨時テストの1つの中から研究所にいるロワイエ大統領に話を通じていた。

 俺からの一通りの報告を聞き終えた大統領は、まずそう言った。


『彼女は君が現れる戦場に絶対・・現れると、大陸の両国から聞いています。恐らく、そのたぐいですか?』

「しかし、彼女が私達が黒い帯を運良く通り抜けれる事を当てれたとは思えません」

『ああ、それがありましたね』

「恐らく、今回ばかりはこのクーデターの加担が目的だと思います」

『ともなれば、処遇がややこしい事になりますね』

「ええ」

『……クリョーン君も、様々な女性をき付けてきますね』

「惹き付けてますか?」

『ええ』


 含み笑いを抑えるロワイエ大統領の声に疑問を浮かべていると、側で誰かが動いた。

 見ると、もちろん女性士官の手で着替えさせられたフィーガナが珍しい寝ぼけ眼で、俺をじっと見ていた。寝ぼけ眼はものの3秒で真剣な目付きになったが、その後はしばらく動こうとしなかった。


『クリョーン君?』


 黒電話から声。

 おっといけない。大統領と電話していたんだった。


「は、はい?」

『どうかしましたか?』

「いえ。さっき、フィーガナが目を覚ましたので」

『そうですか。それでは、私はお邪魔ですね』

「はっ?」

『これから、アシルやサークラ女帝陛下などと話があるので、お先に失礼します』


 そう大統領は言うと、電話は一方的に切れた。

 お邪魔ってなんの事だ?


「クリョーン、ここは?」

「アルフェンバート市内の国防総省。ロワイエ大統領や女帝陛下は、軍で国内の安全が確認されたらこっちに来るってさ」

「そう。……彼女は?」

「いつも通り決着がつかず、どっかに消えていった」


 言いながら、あらかじめ軍の方が沸かしてくれておいたお湯で、コーヒーを作る。


「はい」

「ありがとう。結局、予想通り・・・・って事?」

「まあ、な」


 コシチェイが現れた時。

 人々の間の言い伝えや、たたりが来るぞ~といった『恐い話』や、絵本や、伝説といったので構成される民間伝承の1つが現れた時。

 俺は、このコシチェイを操る者が何者かは大体が察しがついた。

 その攻撃性などから、『分類』によって最上級の能力者でしか発現出来ないし、自分自身の攻撃に頼らず多種多様な攻撃で相手を翻弄ほんろうするレベル5といったら限られてくるからだ。


「彼女が現れる事が分かったから、クリョーンは対して反対もせず、ロワイエ大統領が立てた作戦に賛同したのでしょ?」


 フィーガナは、そこで言葉を区切ってから、少しだけ集中する様に目を閉じた。まるで、周りの状況を知ろうとしているかの様に。

 この部屋で寝ているアルフェント大尉などの寝息に不自然さが無いかや、この部屋の壁のへこみ具合などから監視カメラは良いとしても盗聴器の類いが無いかを確かめた彼女は、また目を開けた。

 真っ直ぐに、近くのパイプ椅子に座った俺の眼を見るその瞳は、様々な感情のこもった物だった。

 その瞳で、彼女は答えを言った。


「ロワイエ大統領と首相が立てたカウンタークーデターの計画を」


◇ ◇ ◇ 


「……どこで、気付いた?」


 俺もさっき、ロワイエ大統領と『答えあわせ』を済ませたばかりだから、この機会に『答えあわせ』をしないと。


「このクーデターが始まった時から」


 自らの力で立ち上がったフィーガナは、俺のそばのパイプ椅子の上に畳まれて置いてある軍用のコートを羽織った。

 そのまま、彼女はパイプ椅子に座って、俺と対面するような格好になった。


「クーデターが始まった時、クーデター側の軍は装甲車を使って、アシル博士の家まで来たよね?」

「ああ、そうだな。それが?」

「わざわざ、真夜中という寝ている人が多い時間帯にクーデターを起こしたのにも関わらず、レベル5が6人もいる其処そこらの基地よりも強い場所に、装甲車でやって来るバカが普通いる?」


「まあ、確かにな。他には?」

「2つ目は、初動でクーデター側の動きが良すぎるのもあるけど、後に反クーデター側に回る主要な部隊動きが良すぎる事」

「良すぎる?」

「ええ。海軍の潜水艦『ルーラン』も、ルーナさんを助ける時の部隊も、そして今も続いているクーデター参加者の逮捕も、全てが手際が良すぎる。まるで、クーデターが起きる事やメンバーを、参加者以外が知っていたかのように」


 潜水艦の例を挙げると、東側の軍港1つだけを攻撃した。それで、西側の対潜装備を持つ艦艇を東側におびき寄せた。

 簡単に言えば、そんな風に言えるが、その意味は意外と大きい。海軍の規模が小さいこの“世界”においては。


映画アイドルマスターとwake up girls

面白かったです!

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