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なにかしら  作者: コーレア
上 忙しい旅の章
25/58

03-5 早すぎる結末のワケ

午前7時21分

臨時総司令部


「要塞地下の能力、変動を確認! ……フェーズ2です!」


 要塞付近の陸軍&特別攻撃小隊と能力者を多く含んだ山賊の戦いも激しさを増す中、1分も満たず地下の戦いは佳境を迎えようとしていた。


「反応は首領から! 木の能力です!」

「最悪だな」


 ぽつりと、陸軍総司令が漏らした。

 その言葉と、苦虫を潰したような表情から、十中八九今知った事なのだろう。首領がフェーズ2を持っている事を。


「首領、2本の剣をーー」

「クリョーン少尉側からも能力変動を確認!」


 要塞の周りの各所に潜んでいる能力観測者の観測の結果、その直後からコンマ1秒の間に起きた事は、以下のようにまとめられる。


 フィーガナ少尉が、首領の攻撃によって傷つくのを見た結果、理性が崩壊。即座に開眼したフェーズ2が首領を攻撃した、と。


 しかし、その時はそこまではわからなかった。

 なぜか? それは簡単な事だ。

 クリョーン少尉が爆発・・したからだ。


◇ ◇ ◇ 


「なんだ!?」


 隊員の間でも冷静沈着な性格で知られているアルフェント・セラリア大尉も、突如、要塞内部から噴き出した白い炎にいた。

 その白い炎が一般的になんと言われていて、それがこんな所で起きる事はないと知っていたから、驚きもひとしおだ。


「プラズマ、だと!」


 自分も炎の能力者だからわかる。

 プラズマとは、炎の能力者のフェーズ2が現れた事を示す。

 つまり、水をも簡単に蒸発させる事もできる。大陸の記録によると、どこかのバカが引き起こした爆発で決壊してあふれだしたダムの水を、全部たった1人の能力者のプラズマで止め、流れ出した全ての水を蒸発させた、というのもある。


『こちら本部! 何が起こってる!』

「クリョーン少尉がフェーズ2を発動させた模様! プラズマの柱が、要塞の半分を覆っています!」


 音もなくレンガを蒸発させたプラズマの柱は、その輝きを減らそうとしていた。

 それを横目に見ながら、辺りを見回して、フィーガナ少尉がいない事に、全てを悟った。


『フィーガナ少尉はいるか?』


 本部もわかったのか、さっきよりかは落ち着いた声だ。


「いません。恐らく、“プログラム”でクリョーン少尉の元へ向かったものかと」

『了解した。第11小隊を地下に向かわせる。特別攻撃小隊は、残存している能力者を無力化した後に地下へ行け』

「了解」


 無線を切り、近づいてきた水の能力者の手前で炎弾を爆発させて吹き飛ばしていると、空気を急激に圧縮して解放する事で、衝撃波を起こして、敵を吹き飛ばしたセラリア・マーヴィア少尉が近くに来る。


「隊長。“プログラム”とは?」

「……ブリーフィングで、フィーガナ少尉がジャピード帝国の科学者が作ったサイボーグだとは教えたな?」

「はい」


 小隊内の無線を開いて、全員に聞かせる。

 本部もそれを傍受ぼうじゅする事が出来るが、今さら秘密にしろとは言ってこないだろう。なにしろ……。


「隊長?」

「ああ、すまん。……その科学者がサイボーグを作った目的が2種類ある事は知っているよな?」

「はい。帝国陸軍との交流で聞きました。メイド用と戦闘用にわかれている、と」

「そう。右腕を真空の空洞にして、手のひらのドア・・を開いて銃弾をはめ込み、右肩に開けた穴から超音速の銃弾を放つのが戦闘用だ」

「人間と変わらない腕を銃撃用の状態にして、そこから戻す技術を書いた本を読みましたが、途中でわからなくなりました」

「科学者の99パーセントはわからないと音を上げているらしいから大丈夫だ


 プラズマの柱は消滅して、見事に真ん丸に開いた穴が姿を現す。


「その戦闘用のサイボーグにはあるプログラムが仕込まれている。そのサイボーグ自身には逆らえない絶対のプログラムがな」

「まさか……」

「察しはついたな? そう。戦闘中の場合、そのサイボーグに設定された彼もしくは彼女が守らなければならない人物に行かなければならない、という物だ」

『それが、フィーガナ少尉の脳内で働いたと?』


 リーア・アルフェナ少尉がどこからか話しかけてくる。


「そう。そして、彼女の守るべき人物と設定されているだろうクリョーン少尉が戦っている場所に向かい、戦いに介入した」

『介入した事に怒った首領がフィーガナ少尉を攻撃して……』

『何よりも相手が死ぬことや味方が傷つく事を嫌うクリョーン少尉の歯止めが外れた、という訳か』


 今度はマイク・ラーフェア少尉とマーフィ・ジェア少尉。

 クリョーン少尉の事は彼自身から、ブリーフィングの時に聞いていた。

 それは、彼が攻撃した1024人全員が捕らえられている、という事実とわかる。


「そして、彼女の気持ちもプログラムの実行に拍車をかけた」

『……隊長』

「なんだ?」

『もし、彼らが本土に戻っても、彼女の事を応援しましょう』

「もちろんだ。特別攻撃小隊の総意とするぞ」

『『『『はい!』』』』


 まもなく、穴からくすぶる煙が晴れようとしていた。

公務員試験の筆記が9月、面接が10月にあったので、しばらく執筆を停止していましたが、試験が終わった事と、執筆を停止してから丁度2ヶ月が経つ事から投稿を再開します。

そこはもっとこうすべきだ、など指摘があればふるってお願いいたします。

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