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静かに欠けてゆく世界  作者: オクト
第一章〜嘘〜
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第24話:再起動の影に立つ異端

不審者、現るwww

リッカは深く息を吸い込んだ。

冷たい金属の感触が、手首に馴染んでいく。

その重みが、決意の証みたいで、胸が少し熱くなる。

指先で中央のリングをそっと摘まむと、淡い光が鎖のように繋がって伸び、そのままリングを人差し指に嵌める。


「……《ブート》」


瞬間、リングが淡く光り、応えるように低い脈動音が響いた。バングルとリングが淡く光を放つ。

近くの長方体――コンシリウム・リンクも、静かに目覚めるように光を帯びた。


「……できる、できる……」


小さく呟きながら、リッカは指を滑らせる。が、先ほどのようなパネルが出てこない。

あれ?と呟くと、シートに目を落とし、使用方法を確認する。

そうか。と再度呟いて、指をピンチアウトさせると、光のパネルが空中へと表示された。


「あ、できた…」


安堵の声を零すが、そこからまたなかなかに表示がうまくいかず、悪戦苦闘しながら指を滑らせる。


「…大丈夫か?」

「えっと…これで、合ってます、かね?」

「合ってるわけないだろう?」


突然聞こえた第三者の声に、二人が振り返ると、一人の男が立っていた。

ボサボサの黒髪で、前髪は長く、透かして見える目も漆黒を纏っていた。

白衣のようなものをまとい、サンダルをつっかけているようなスタイルだ。


「……トキ」

「そのやり方じゃ効率が悪い。無駄」


トキと呼ばれた人物は、すたすたとリッカに近づくと、無遠慮に顔を近づける。

怯んだリッカに目もくれず、彼は鋭くコードを口にした。


《シーズ(seize)》


彼の声に反応して、コンシリウム・リンクとポルタは一度赤く明滅し、そして機能が停止した。

あっけに取られている二人は動けず、トキはリッカの腕からバングルを取り上げる。


「えっ?ちょっ!!返して…!」

「元々お前のじゃないだろう」


ちょっと待ってろ。とぶっきらぼうに言うと、自身の左手首につけ、リングを中指へとセットした。そして…


《ブート》


ブンッ!と再起動する音が響くと同時に、トキは迷うことなく空中での操作をこなし、ユウヒが倒れる直前まで映っていた画面を難なく表示させた。


「これだろ。探してるの」

「あ、ああ…」


辛うじて声を出したホウジュンと、こくこくと頷くしかないリッカ。

履歴たどれば行けるだろうが。と吐き出すように言うと、画面をリッカの前に移動させた。

暗に見てろと言うことらしい。そしてトキはホウジュンに視線を向け、親指でユウヒを指差す。


「あいつ、倒れるの、趣味か?」

「んなわけねぇだろ…」


どうだか。と呟くと、ユウヒに近寄り見下ろした。

表情は落ち着いているが、彼の顔色はまだ悪いままだ。

ふぅん。とトキは零し、口元に手を当てて、なにやらブツブツと考え事をしているようだ。


「お前、何しにきたんだよ…」


動きが止まったトキに、ホウジュンは躊躇いながら訊ねると、いやなに、と返ってきた。


「こいつ倒れたって言うから、ならその間にシステムいじってやろうと思っただけだ。知ってんだろ?これは未完成」


そういうと、またブツブツと独り言をはじめ、見てみっか…と結論づけたように呟くと、リッカのほうを向いた。


「嬢ちゃん。ちょっと映像ストップだ」


言うと、《ハルト》と一度コードを口にし、リッカの前にあったパネルが消えた。今動いている機能を停止させたのだ。

驚くリッカとホウジュンを気にせず、トキはユウヒに向き直ると、


《リジューム(resume)》


システムを再起動させると、手元に小さなパネルを表示させ、パパッと操作していく。

トキの早業に先ほどから呆気に取られるしかない2人は、ただ彼の動きを見ているだけになっていた。

操作を終えたのか、トキはふぅと息を吐いた。

ゆっくりとした動作で、彼はユウヒの額に落ちている髪を払い、ポルタのリングが嵌った中指を置いた。


「ちょっと、見せてもらうぞ」


言うや否や、《トレース》と発すると、トキの中指に光が集約した。

その光景に覚えのあるホウジュンが慌てて立ち上がる。が、それも想定の範囲内だったのか、大丈夫だとトキは笑う。


「あんな欠陥品、俺が放置するわけねぇだろうが。負荷軽減じゃぬるい。遮断にしてある」


こいつに負担はねぇよ。と言い放ったのを聞き、ホウジュンは上げた腰を下ろした。

ふっ、と軽くトキが笑うと、光量を確認し、またコードを発する。


《エコー》


コードに反応した光は宙を舞うと、そのままパネル状へと広がっていった。

トキは、ユウヒの額からパネルへと光が繋がったのを見ると額から手を放し、パネルの操作へ移る。

不安定に浮かぶそれに触れ、画面上に伸ばす動作を行い、壁に広がるように大きく広げた。

ある程度光が落ち着き、パネル画面が安定してくると、トキはその画面の前で、手で左から右へとスワイプした。


《ブラインド(blind)》


「は?」

「え?」


トキがコードを発すると同時に、ホウジュンとリッカは画面が黒く塗りつぶされているように表示された。

思わず声を上げた二人に構わず、トキは最小限の動きで画面を安定させるように手を動かしていた。


「トキ…」

「お前らは見なくていい。生データは酔うぞ」


特にこいつのは。と、ユウヒを示す。

確かにユウヒも言っていた。自分の記憶は思っている以上に鮮明だと。


「これは欠陥じゃない。そもそも記憶は加工するもんじゃない。無意味」


言うや否や、トキは映像に没頭した。

その後、残された二人が何を言おうと、トキは反応を示さなかった。


トキ様登場!www

稀に見る、モデルがいる方ですwww

ビジュ、みたいなぁ。。。


次回更新予定は2/23です。

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