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静かに欠けてゆく世界  作者: オクト
第一章〜嘘〜
24/29

第23話:声の残響が誘う場所で

ごめん。本当にごめん。。。

って思いながら、書いてますwww


操作感に戸惑うリッカに、ユウヒは簡単に説明していく。


「再生と停止は画面をタップすればいい。ダブルタップすると消えちゃうから注意。

横にスワイプで動画を前後できる。再生したままやると早送りと巻き戻し、停止でやるとコマ送りになる。

音量の調節は指をつまんで、右に回せば大きく。左に回せば小さくなるよ」


わかるか?と聞き、多分…と答えながら指を動かし、だんだん慣れてきたのを見て、ユウヒはリッカの傍を離れた。

そして、ベッドに腰かけながら、ぼんやりと、彼女が操作する画面を見る。

最初に戻された映像を、リッカは丁寧にさらっていくが、その繰り返される映像に耐え兼ね、ユウヒは目を瞑り、眉間に手の甲を押さえつけた。


「辛いなら、休んでろ…」

「いや…元々俺の権限で動かしてるから、いないわけには、いかない…」

「見る必要はないだろう?」


ホウジュンの心配するトーンに、ユウヒは苦笑し、いや。と目を開けた。


「俺も…確認してるんだ…自分の視点、以外を…」


そう言いながら、場面が進むたびに、ユウヒの表情は険しくなっていく。

必死に糸口を探しているようだが、彼が言うこと以外にも、何か探しているようにも感じた。

ホウジュンの視線に気づいたユウヒは、苦笑を浮かべながらリッカの気が逸れないように静かに彼の横に移動した。

なんともなしに、指を持ち上げて画面を示す。


「声が、響いているだろう?あれが、俺を…誘ってくる…」

「声?」

「ああ…『ナンデソッチニイル』『オマエノセイナノニ』『ツギハダレヲコロス?』…映像が進むたび、繰り返される度、声が甦る…」

「………あれには、お前とシン。あと、リッカの声しか、聞こえてないぞ?」


ホウジュンの言葉に、え?とユウヒは零した。

あんなに響いている声が、聞こえていない?なら、今この時ですら、頭に響いているこの声は…

自分の中にだけ、残っている…?

ドクンッ――!

ユウヒの視界が一度だけ歪んだ。次の瞬間、胃の奥から熱が逆流するのを、抑え込めなかった。


『だめだ!リッカ!止まるな!!』

「っ!おい!リッカ!止めろ!!」


映像の中のユウヒと、現実のホウジュンの声が重なった。

咄嗟に画面をタップしたリッカが振り向くと、ユウヒがベッドに突っ伏し、吐瀉している姿だった。


「ユウヒさん?!!」

「このバカ…!限度ってものを知れ!!」


咳き込みもがくユウヒを叱咤し、ホウジュンがコードを口にしようとしたとき、ユウヒは彼の服を引っ張り制した。

そして…


《ハルト(halt)……》


ポルタの機能を停止させるコードを口にする。

その声に応じたポルタは沈黙し、リッカの指にはまっていたリングは、小さく震えると…パンと弾け粒子となって消えた。

それと同時に、ユウヒは意識を失っていた。


「……こいつ…意地で俺にコードを使わせなかったな」


《ダウン》を使わせたら没収する。そう言ったのは自分だが、そういうことじゃねぇよと、ホウジュンはため息を零す。

そして、戸惑っているリッカに声をかけた。


「悪いリッカ。ナツメさんを呼んできてくれないか?いなかったら誰でもいいから、手近なやつを呼んでくれ」

「え?あ!はい!!」


行きます!と、リッカは部屋から走り去った。

ホウジュンはユウヒの体を抱えあげ、一度場所を移動させると、手早くシーツを剥ぎ、吐瀉物を処理する。

汚れが気にならなくなった広いスペースにユウヒを再度移動させたところで、ナツメが駆け込んできた。

状況を見てため息をついたナツメは、持ってきた機材で処置を始め、吐いたことを考慮して、横向きの状態で眠らせたまま点滴を繋いでいった。


「とりあえず、これで落ち着くでしょう?にしても…短期間で体調悪化させすぎ!原因はこれかい?」


ナツメがユウヒの手首にハマってるバングルを示すと、ホウジュンは呆れるようにして頷いた。

やれやれ。といった様子で、ナツメは首を横に振る。


「まったく…許可するもんじゃないね…」

「体調が戻るまで、取り上げておく…」

「あっ!あの!!」


ナツメとホウジュンの会話にリッカが声を上げる。

どうした?とホウジュンが問えば、ええと…と口ごもった。


「それ…わたしじゃ、使えない、ですか?」

「いや……使えるはず、だな」

「じゃあ!使わせてください!」


頭を下げて手を差し出したリッカに、ホウジュンは笑いながらユウヒの腕からバングルを外し、リッカの手に置いた。


「こいつみたいに無理するなよ?あと…多分、そんなにこれを知ってる奴はいないから…」

「ここで使えば、いいですね」


物分かりが良くて助かる。とホウジュンはこぼし、リッカの頭を軽く撫でた。

私は戻るからというナツメを見送り、ホウジュンとリッカはコンシリウム・リンクが置いてあったテーブルセットの椅子に腰かけた。

そして、前にユウヒに渡されたコード一覧を見つけ出したホウジュンは、リッカの前に差し出す。


「これ以外にも機能が増えてる言い様だったが、確認してみてくれ」


俺はよくわからん。というホウジュンに頷き、リッカがシートを確認して、バングルを腕につけた。


《ブート》


次回更新予定は2/15です。

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