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静かに欠けてゆく世界  作者: オクト
第一章〜嘘〜
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第15話:コンシリウム・リンクとポルタ

機能の説明回な感じがしますが…

「ていうことがあったらしくて…俺は覚えてないけど、ソウイチが助けてくれたらしい」

「それはまぁ…ソウイチも災難だったな」


事のあらましを掻い摘んで説明すると、ホウジュンは盛大な溜息を吐きつつ、ソウイチを思って遠い目をした。

それはそうだけど…と、多少不満そうにユウヒは零すと、指先に向かって《リブート(reboot)》と発した。

先ほど止まっていた画面が、ブンッと軽い音を立ててから動き出す。


「コンシリウムに入れないと解析が進まない。だけどあの時俺は入れなかった。

時間も経ってるし、もう大丈夫かもしれないけど…倒れたとき、体調にも明確な変化があったんだ。容態が悪化してた。

程度でいえばあれだ……アンカー・コードを無理やり使った感じ…」


アンカーと言われ、覚えがあるのか、ホウジュンの眉間にややしわが出来た。

それを気にせず、ユウヒは指先をくるくると回す。すると、そこにやや強い光が集まりはじめた。


「試しに入ってみて、同じことが起きるとまたタイムロスするからな。前から開発を頼んでたんだよ、これ…

コンシリウムに入らなくても、そこの機能を使えないかってさ。まだ完成には程遠いけど、とりあえず簡易的に形にしてもらった」


検証段階なんだよ。と言いながら、十分に光が指先に集まったのを確認すると、こういうこともできるぞ?と、ユウヒは宙に指を滑らせる。

すると、それは光の線となり、空中に文字を浮かび上がらせた。


描いた文字は - Falsira -


「False…偽りに、 Siraは…命の響き、ってところか?……随分皮肉めいた、綺麗な名前をもらったものだ……」


レリクスが生まれると名が贈られる。ルクスが与えるのではない。オブリシカが与えると言われている。

そして、その名をルクス・コードが読み取り、情報として蓄積されるのだ。

今回顕現したレリスクは、Falsiraファルシラと、贈られたようだ。


「レリクスの名前をそこまで考えるのはお前くらいだな」


俺にはわからん。と、ホウジュンはぶっきらぼうにいう。

ユウヒは軽く笑うと、手をかき消すように文字の上で左右に揺らし、文字を散らした。


「稀に、ヒントになるんだよ。いつも言ってるだろう?情報は多いに越したことはない」


言いながら、また指を滑らせてUIを操作し始める。

光るパネルを開いたり閉じたり、動作や映像の精査をしているように見えるが、ホウジュンはついていけてなかった。

それを目端で捉えたユウヒは、少しだけ動きを止めて、彼に何かを差し出す。

それは、ラミネート加工されたような一枚のシートだった。


「これは?」

「音声操作するときのコマンド一覧表。あと、簡易的な操作方法とかもまとめてあるから」


とりあえず見とけ。というと、またユウヒは操作に戻る。

ホウジュンはシートに目を落とすと、一番上のタイトルを口にした。


「コンシリウム・リンク、と……ポルタ…?」

「コンシリウム・リンクはそれで……」


操作に使っていない指で、デスクに置いてある長方体の光を発しているものを指さし、くるりとホウジュンに向き直ると、先ほどまで操作していた右手を見せる。


「ポルタは、これ。リンクは名前の通り、コンシリウムにリンクして、システムの機能を引っ張ってくる。

ポルタはリモコンみたいなものだな。バングル部分でリンクからデータを受信して、操作性を上げるために、指にリングをつけてる」


感覚的に使えるように、結構苦労したんだ。と、苦笑する。

それと…と付け加えて、開いていた画面を手前に引き寄せると、ホウジュンに見えるように少し拡大して見せた。


「詳しい設定とか、開発中の機能とか、詳細はこれ。読むか?」

「……遠慮しておく」


ちらりと見た画面の隅。おそらくページ数であろう分母がおかしなことになっていたので、ホウジュンは丁重に断った。

だろうな。と気にする様子もなく、ユウヒはパネルをダブルタップして閉じた。


「使いたい機能は詰め込んでもらった。使ってる最中に性能も機能も上がるし増えるだろうから、今はこれでいい」


二つ開いてあったパネルを二人の前に並べると、それぞれに別の動画が映るように設定してあった。

どちらも、ルクスがファルシラに向かったときのもののようだ。


「直近の映像二つ。ソウイチたちとか、記憶映像を提出してるのは見れるようにした」

「ファルシラは、あんまり行ってないようだな…」

「そうなんだ。今までのレリクスにしては、回数が少ない…お前も、行ってないんだろう?」

「行くなら、次だな……」


予定はある。けれど、許可が出ていない。

ホウジュンの言葉にユウヒは頷き、二つの映像を並べて再生する。

それは確かに違う映像のはずなのに、何故か同じような場面が繰り返されているようにも見えた。


「原因は……これだろうな。他のも見たけど…映像がほとんど同じだ」


“どうしても、奥に進めないんだ”

ファルシラに挑んだものたちが口を揃えて言う。

複数で向かっても、中に入ると一人ひとり飛ばされ、内部で迷い、そして……


「ほぼ同時に、全員外に出てきている…」


分断され、惑わされ、何もできず、気づいたら外に出されている。

おそらく、無限回廊になっているのだろう。迷路のように解く必要があるのかもしれない。


「俺が、直接行ければ、いいんだけどな」

「それはまだ無理だろう」


未だに病室からも出ることを許可されてない身で何を言うかと、ホウジュンは呆れる。

そうなんだけど…と零しながら、ユウヒの目は画面から離れない。

というより、何か別の、違和感を感じているようではあった。


「何か、あるのか?」

「あー、いや……俺の記憶も、曖昧だから……」


ユウヒの言葉が珍しく濁る。

不思議に思い、映像が終わり、全ての映像のサムネイルが並んだとき、ホウジュンは気づいた。


「お前の…というか、お前らの映像は、ないんだな…」


一覧の一番古いものは、ユウヒたちの記録ではなかった。

確かに、あの状況下でユウヒ自身から提供するのは難しかったろうが、他の2人もないことには、違和感を感じていた。

気づかれたか…と、ユウヒは苦笑した。


「リッカのは……取れなかったんだ。ほぼ俺のせいだな。ファルシラから帰還するほうの記憶が強くて、不鮮明で没」

「………わからなくもないな」

「で、シンは……そもそもこのシステム自体を知らない。お前も言うなよ」

「は?」


なんでだよ。というと、更にユウヒは口籠り、そして……重い口を開いた。


「シンには……ファルシラに関わらせたくないんだ…」


コマンド一覧や機能紹介はちょいちょいSNSにアップ予定です。

次回更新予定は12/21です。

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