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正義のヒーローは魔法幼女と共に異世界転生を目指して悪事を働く  作者: へるきち


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21. 正義の半分は

「うちの娘がお世話になっているようだねー?」


 脱法弁護士が、話があるといってうちに来た。

 

「最近は、うちで朝昼晩の食事に、おやつまで食べて、風呂入って、寝てんな」

「もうここに住んでるね? それ」

「俺も、そんな気がしてきたところだわ」


 永遠の中二体型の脱法弁護士。その娘は、のじゃりん子チエ、真名はニャア大佐。

 職業は中二、裏稼業は正義のヒロイン。うちの同業者だし、何故か俺を師匠と呼ぶので、面倒を見ている。


「私が、青少年保護育成条例違反と略取誘拐で告訴したらどうなると思う?」

「弁護士がいうと、シャレにならんな」

「逆に言えば、これは違法行為じゃありません、と保証できるのも弁護士の仕事ってワケよ」


 つまり、何が言いたいのだろうか? うちを敵に回すとろくな事にならんぞ?

 うちの娘たちも、大佐の事を気に入っているからな。パピコを半分与えるくらいには。

 事務所が爆発しちゃうかな。うちの所有物件だから、やめて欲しいんだけど。


「もう分かってると思うけど、うちの娘あんなじゃん?」

「あんなだな?」


 学校に行ってる様子が無いんだよな。セーラー服の胸元から喋る藁人形覗かせてるやつが、中学校でうまくやれる気はしないもんな。高校ならまだしも。行かないのも無理はないだろうな。


「だんなの実家からも逃げて来たようなもんだし。うちにも居つかない。それが、あんたの家には入り浸ってる」


 弁護士は、そこでちらっと、俺の脇で猫と仲良く昼寝しているヒヨコのフェニックス弐号機を見る。

 さらに、視線を横にずらすと、そこにはフェニックス・ロボ。


「あんたは、小さい生き物に懐かれる電磁波でも出てんの?」


 そこは電磁波じゃなくて、フェロモンというべきなのでは? どっちも出てないと思うけど。

 確かに、うちは小さい生き物だらけだ。フェニックス・ロボも該当するのかは不明だが。魔法幼女が2頭に、ヒヨコが1羽に、最近ミーとハーが貰って来た猫も1頭増えた。

 中二のニャア大佐も、小さい生き物になるのかな? 一緒に風呂に入ったミーとハーによると、すっとんつるりんだそうだが。


「まあ、そんなワケだから、しばらく面倒見てやってくんない? 家賃と食費は先に納めておくよ。月15万円で、半年分の90万円。ちゃんと日本円でね」


 そんなワケが、どんなワケなのか、かなり省いた気がするが。まあ、だいたい分かった。

 無理に手元に置こうとしても聞きやしないだろうか、目の届く範囲内に預けようって事だろう。

 こんなのでも、俺は信用されているっぽい。


「結構な額だな? そんなにかかんないぞ。子供が2人から3人に増えても、さほど負担は変わらんからな」

「いろいろと込みだからね。念のため確認しとくと、あんたロリコンじゃないよね? 幼女が二人も懐いてるし。私にも、まるで興味なさそうだし」


 言われてみれば、こいつ合法ロリだな? うちの娘たちは脱法ロリだが。

 そして、中二ってロリか? 俺の中じゃ、もうロリじゃない。まあ、どうでもいいんだけど。


「うーん? まあ、悪いロリコンじゃないと思うぞ。これでも正義のヒーローだしな」

「まあ、もう14歳なんだし。合意の上なら、何してもいいけど。法的な問題なら、私がどうとでも出来るしね」

「弁護士の母親が言うと、頼もしい事この上ないなー」

「じゃあ、そんなわけでしばらくよろしくね? 学校行きたいとか言い出したら、報告してちょうだい。アレ本人は、多分私には言わないから」

「まあ、健やかに暮らせる様には面倒みるよ。ただし、教育的な面は責任持てんからな? おかしな育ち方しても知らんぞ」

「そこはもう、どうなっても受け入れる覚悟は済んでるから」


 そんなワケで、うちの家族が暫定的にだが更に増えた。

 ついでに、副業ゲットって事になんのかな? 人生どうなるか分からんもんだな。


 で、その大佐だが。今日は朝から、正義の執行に出かけている。

 今、うちの中には、俺と魔法幼女たちの3人なわけだ。人数が奇数だと何が起こるかというと。


「タマちゃん、これあげる」


 ハーが、パピコを持ってきて、半分にした片割れを俺にコッソリって感じで差し出す。

 この時期には貴重なレモン味だ。

 そして、入れ替わるように、ミーもパピコを持ってやって来る。

 秋パピコのリンゴ味だ。


「あんたも食べなさいよ」


 そう言って、半分にした片割れを俺に、突きつけて来る。


「今、レモン味食ってるだろ」


 なんで? って顔された。

 いや、冷凍庫に入れておけよ。

 パピコは割ったらすぐ誰かに渡すのが鉄の掟なのか?


「ただいまー、あ、リンゴ味! ワシがもらうー」


 ニャア大佐がタイミング良く帰って来て、パピコは等しく4人で分け合う事が出来た。

 ミーとハーのふたりで分け合って食べている事の方が、ずっと多いのだが、たまにこういう行動をする。そして、何故かふたりともシンクロしている。

 ふたりの行動原理は、よく分からない。幼女に見えるけど、魔女だから?

 いや、純粋な幼女の行動原理も分からんな、うん。


 まあ、パピコはうまいから、どうでもいいな。


「あ、ところで。明日、ワシの学校で授業参観あるんじゃけどー。師匠来てよ」


 大佐、学校行ってたの?

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