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妄想44 師弟誕生

ネレイスさんは手早く試作品を作ってしまった。



「私が思い描いてるのにバッチリ合致してます!」


「そうかそうか、それなら使ってみるんだ」



でもやっぱりなかなか上手くいかない。



「なんかしっくりこない感じがします⋯」


「それならこうしてみたらどうた?」



す、すごい、これなら私にも⋯⋯⋯



「で、できますネレイスさんっ」


「いいぞアサミ、今までで一番いいぞ」



ネレイスさんに向かって使ってみてもバッチリね。



「これで役に立てるかもしれませんっ」


「よしよし、それならあのボクちゃんにアサミの技を見せてやろう」


「はいっっっっ」



タロウくんのビックリする顔が楽しみっ









「タロウくんおまたせっ」



アサミさんが元気いっぱいの声を出し戻ってきた。


顔も自信満々だ。


いいモノが見つかったのだろう。


さてさて、それがなんなのかとっても気になるな。



「どんな武器を使うことにしたんだ?」


「ふふ、今から見せてあげるっ」



アサミさんの横にはこの店の女店主が並んでいる。


腕を組んでうんうんと頷いている。


だがやめて欲しい。


とんでも爆乳の人が腕なんて組むんじゃない。


見てない、見てないんだアサミさん。


これは絶対に事故なんだ。


10対0で向こうが悪い。


車内搭載カメラで確認しようそうしよう。



「ではアサミ、やってやれ」



さながら師匠かのように言う女店主。



「はいっ行きます!」



アサミさんは背中に隠していたモノを取り出した。


そして目にも止まらぬ腕捌きでソレを振るう。


本当に見えなかった。


何をしていたのか理解できない。


そして今目の前で起きていることが本当に理解できない。



「すごいぞアサミ!さっきの練習の時よりも速かったぞ!」



何やら女店主も嬉しそうに褒めている。



「ネレイスさんのご協力のおかげですっ」



女店主はネレイスと言うのか。


それは分かった。


だが分からない。


なんなんだこれは。



「くくく、見事な縛りだアサミ!これは新しい武器になるぞ!お前は新たな扉を開いたんだ!」



そう、縛られている。


しかもこれは見たことがある。


主にエロ漫画で。


これは伝説の亀さんの甲羅縛りなんじゃ?


とんでもない破壊力だ。


ネレイスさんがさっき腕組みしていたのなんて比じゃない。


強調の仕方がえげつない。


どうしたらこんなことをこの短期間で覚えることができるんだ?


最初から覚えていたとしか思えない。


新しい扉を開いたのだとしたら開きすぎだと俺は思う。


それになんだあの腕のスピードは。


一瞬で完成したぞ。



「す、すごいなアサミさん」



俺はこんなことしか言えなかった。


目の前にとんでも爆乳が縛られた状態でいるんだ。


身動きなんて出来るわけない。



「ここからですネレイスさんっ!」



アサミさんはそう言って、さらに背中からモノを取り出した。



「こうしてからこうっ!これで完成ですっ!」



足元にソレを引っ掛け、空へと打ち上げる。


そして木の枝に引っ掛け宙ずりだ。


そして腕と足首を括るようにした。


お腹を突き出すように体が湾曲する。


こ、これは⋯⋯⋯⋯


どっかで見たことあるようなエロ拷問のやつ。


今使ったやつは鞭だよな⋯


鞭をこんな使い方する?


だから開きすぎなんだ、新しい扉を。



「すごいぞ、本当にすごいぞアサミ!いつの間にこんな技まで使えるようになったんだ!」



ネレイスさんは大はしゃぎだ。


あなたのされてるそれ、拷問ですよ?


重力により垂れ下がる爆乳、もう事件です。


服からこぼれて見えてないのが奇跡なんじゃなかろうか。



「今思いついたんですっ!ネレイスさんに作ってもらったコレも無駄に出来ないって思って!」


「ははは、お前は天才だな!お前みたいに才能溢れる冒険者に、私が最高のモノを作ってやろう!」


「嬉しいですっ!」


「やるぞアサミ!この武器と技でS級を目指せ!唯一無二の武器使い、S級冒険者になるんだ!」


「ネレイスさんっ、私⋯⋯私⋯やりますっ!」



宙ずり拷問にした人とされた人で何してんのこれ。


何を見せられてるの俺は。



「タロウくんっ、見てくれた?私、これでタロウくんの役に立てるかなっ」



立てるだろう確実に。


今日の夜からな。


やっぱりこの子は夜の無双チートを獲得しているのだろう。


俺は次の朝日を拝めるのだろうか。


縄と鞭と手枷を手に入れたことになる。


あとは足枷とロウソクと目隠しとピンヒールか?


もう宝箱からは何も出ないでくれ。


俺を守るためにも、俺の俺を守るためにも。


精力剤と防護魔法も考えないとか。


もしくは何をされても傷つかないような鋼の肉体か?


なんにせよ俺の身体を守らねばならない。


喫緊の課題として全力で今から脳内で取り組むとしよう。



「師匠!私の武器、これからもお願いしますっ」


「ああ、任せておけ!唯一無二のモノをお前に作ってやる!」



師匠になってますやん。


なんの師匠だよ。


教えてないだろ緊縛も鞭も。


縄なんてそこら辺にあったものじゃないのか?


唯一無二の縄って何?


もう俺は訳が分からない。


女子二人が意気投合してるのを耳で確認し、白目になりながら明日の朝を無事に迎えられるように祈っていた。



面白いと一欠片でも思って頂けたなら、お手数ですがブクマと星評価をよろしくお願いいたします。


特に星評価をもらえると最高に喜びます。

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