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妄想4 私の中に出して

ひたすらに歩く。


出てくる魔物はウサギみたいなやつ、最初に見たうねうねした木のやつがよく出てくる。


霧散した跡を見るとキラキラと輝く石が落ちていた。


よく分からないがそれを拾ってカバンに入れていく。


もう30個近く集まっている。



「全然見つからないね⋯もうヘトヘトだよぉ」


「そっか、俺もだ⋯どうしたらいいだろう」


「あ、そうだ!魔法だよタロウくん!」


「ん?どういうこと?」



とりあえず上目遣いと胸を押し付けるのはやめてくれないだろうか。



「川なんて見つからなくていいんだよ!タロウくんが魔法で水を出せれるんじゃない?」


「お、おお、そうだな?」



確かにやってみる価値はあるかもしれないな。


俺はアサミさんが手を組んでいない右手を前に翳し、また念じてみた。


水を手から出すんだ。



「わぁ、すごい!出てるよ!すっごい出てるっ」



水、そう水が出てる!


だから変なことを考えるな!


白くてトロッとしたのが出てるわけじゃないんだ。


どこぞのエロ漫画じゃないんだ。


現実で白くてトロトロのやつを見て、そんなこと言うやつがいるわけない。


というか知らない。


なぜなら俺は未経験だからな!



「ああ、出たな、たくさん⋯」


「うんうん、こんなにたくさんっ」



俺も何を言っているんだろうか⋯


だが会話的には間違ってない。


気にしたら負ける。


確実にアサミさんに軽蔑される。


だから我慢だ。


普通の会話と思うんだ。



「これが飲めるといいんだが⋯」


「タロウくんのなら飲めるよ?私が飲んであげるから、出してみて?」



くっそぅ、全て卑猥な会話に聞こえてしまう。


手を合わせておわんのようにして俺の前に立たないでくれないだろうか⋯


しかもなぜ膝を着くんだ。


もう完全にアレの体勢としか思えない。


えろ動画で見てるような、仁王立ちのアレだ。



「飲ませてタロウくん。ね、出して?私の中に全部」



ぐううううう、なんなんだこの子は。


わざとなのか?


なんで大事な所を省略して言うんだ。


私の手の中に出してと言えばいいだろうに。


⋯⋯それはそれでおかしいか。


くっそぅ、もう爆発してしまう。



「わ、わかった、出すな、アサミさんに全部⋯」



何を言ってるんだ俺は⋯


ただ水を出すだけだろうが!


全部ってなんだよ!


アホか俺は。



「うんっ、全部出してっ」



ぐはっっっっ!


わざとなのか?絶対わざとだろう?


水を全部、私の手の中に出してと言ってくれ!



「いくよアサミさんっ!」


「来てっタロウくんっ」



意を決して俺は出した。



「出たよアサミさんっ」


「んあっ、来てるっっ、タロウくんのが私の中にっっっ」


「飲んでアサミさんっ」


「うんっっっ、んくんくんくっ、ごくっっっ、んはぁ⋯⋯⋯お、美味しい⋯」


「え?美味しい?」


「はぁっ、もっとタロウくんっ」


「う、うん、出すよ」


「また来たぁっ、んくんくっ︎、美味しい、本当に美味しいよタロウくんのっ」



なんなんだろうかこれは⋯


水、ただの水なんだ。


安全性も分からないのに、何も考えずに飲めって⋯


かなり危険な行為を強要してるじゃないか。


でもアサミさんは躊躇うことなく飲んでいる。


そして心做しかウットリしてるような⋯



「うん、なんともないよっ、いつも飲んでる水より美味しい気さえするよ!」


「じゃあ川は探さなくても水分は大丈夫そうだ」



アサミさんはオシャレなマイボトルを持っている。


俺はペットボトルだ。


お互いの容器に俺から出た魔法の水を入れておく。


最初からこうすれば良かったんじゃなかろうか⋯


まぁいい、このシーンを思い出すだけで向こう3ヶ月はイけるな。



「次は食料と寝床だよな。キノコなんて絶対食べちゃダメだろうし⋯魔物も食べる気しないけど、倒したら煙になって消えるしなぁ、どうしたらいいかな」


「でも好きだよ?キノコ。パクって大きいキノコをかぶりつくの好きだったなぁ」



ぐはっっっっ!


俺の顔を見ながらなんてことを言うんだこの子は!


どのキノコの事を言っているんでしょうか。


くそっ、誰かこの子を止めてくれ!



「とにかく歩いて食料になりそうなものを探さないとだよね」


「何か食べれそうなものないもんか⋯」


「やっぱり川は探した方がいいかもしれない。そこに魚とかいるかもだからね」


「うんっ!そうしよう!」



水分の確保が出来て俺達は多少元気が出た。


さっきよりも足取りは軽く歩き出す。


もちろん腕はガッツリ組まれている。







1時間歩いては小休止し、川を探していく。


2人とも食料は持っていなかったので、食べ物を探さなければならない。


そろそろ日も暮れて来そうだ。


魔物が出る世界なんだ。


おいそれと寝る訳にもいかない。



「お腹すいたね、早く見つからないかな」


「う、うん」



こんな可愛い子にひもじい思いをさせている⋯


なんてダメな男なんだ。


魔法でご飯を出せればいいのに⋯


川でもいい、野生動物でもいいんだ。


何か、何か食べ物になりそうなものはないのか。




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特に星評価をもらえると最高に喜びます。

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