妄想39 ダンジョンへ行こう
精力増強の魔法は未だに完成していない。
毎日放散痛と俺の俺を回復魔法で治すことしかできない。
これをするだけでもかなりいいのだが、やはり毎晩少なくても4回は死んでしまう。
早いとこ何とかしなくては。
「なんでタロウくんはすーぐ女の人とお話したがるのかな~?」
いやいや、ただの受付嬢とか店員さんじゃないか。
それならアサミさんが話してくれたらいいのに。
だがそんなことは口が裂けても言えない。
あれから簡単な依頼を受けては、夜はこってりたっぷりじっくりことこと搾り取られている。
なんだよじっくりことことて。
俺はシチューか。
確かに白くてとろっとしてるけどな。
白さの度合いが俺の俺の俺の方が上だ。
不毛な争いだな、この辺でやめておこう。
今日はどんな理由でしこ〇こ、もとい、ことこと煮込まれるのだろうか。
いや、間違えた。
しこし〇で合っているな。
「アサミさんおはよう、今日はダンジョンに行ってみないか?そろそろ魔石が無くなってきたし、普段の依頼だとお金が貯まるどころか減る一方だからな」
「うん、そうだよね。ずっと宿で暮らしてるし、お金ないとまた地下で暮らすことになりそうだもんね」
あれからずっと同じ宿で暮らしている。
でも地下で暮らすのもありかもしれない。
ベッドなんかの家具を持ち込めば暮らしていけるな。
お金も必要だし、それを提案してもいいかもしれない。
とにかくお金を稼がないと暮らしていけないからな。
魔物を倒しまくろうじゃないか。
冒険者ランクも上げて一旗揚げるのもアリだな。
そんなわけで2人とクゥちゃんでギルドへ向かう。
相変わらずメイリーさんの所へ誘うアサミさん。
この時点で今日の夜も自家製俺の俺の俺シチューの出来上がり確定だ。
「おはようございます。たくさんのG級の依頼を受けてくれていたので、今日の依頼を達成すればF級に昇格になります」
あれから2週間毎日頑張った結果か。
2週間色々なことがあったな。
時には7回、最高では8回もしたこともあったな。
「も、もう無理だよアサミさん、やめて⋯⋯⋯⋯」
「だーめっ、まだおおきいもんっ」
あの時は痛かったなぁ。
「もう出ないってアサミさんっっっ」
「大丈夫大丈夫、2連続出できてるよねっ」
連続の強要もあったなぁ。
あの日は凄かった⋯
あれ、おかしいな、夜の思い出しかないような⋯
そのおかげか俺は回復魔法が上手くなったような気がする。
それもこれもアサミさんのおかげだろう。
「それと孤児院のシスターと子供たちからもお礼が来ています。毎日孤児院の依頼も受けてくれていますから、F級への昇格もこんなに早くなったんです」
そんな理由があったのか。
孤児院の依頼は、依頼というより子供たちに俺達が癒されに行ってるんだがな。
言うなればwin-winってとこか。
「本日はどんな依頼を受けますか?」
「そろそろダンジョンに行って魔石を取りに行きたいと思ってます」
「タロウさんは魔法を使えるのなら大丈夫だと思いますが、くれぐれも気をつけてください」
ダンジョンの詳しい説明を受け、俺達はダンジョンへ向かった。
この街の名前はシュロナ。
俺達がいた森からの魔物の進行を防ぐために作られたとんでもなく横に長い外壁を有する街になっている。
国の名前はナックベール王国といい、王政の国らしい。
このシュロナは王国の東端に位置している。
東の森の開発もこの国の使命らしいが、思うようにいっていないらしい。
俺達が居たあたりは魔物がまだ弱く、素材を取りに行く冒険者もいるそうだ。
橋がある所までと言っていたのでそうなのだろう。
ダンジョンは冒険者ギルドが管理している。
ギルド内を通って行けるので近くていい。
「初めてのとこだと緊張しちゃうねっ」
「そうだな。でも今日の討伐依頼を頑張ってF級に上がろう!」
ダンジョンに入る際は受付はなく、そのまま入れる。
頑丈そうな両開きの扉が設置してあるが、開きっぱなしになっている。
緊張しながらそこを通る。
「これがダンジョン⋯」
入った先は洞窟のようになっている。
受付嬢のメイリーさんに聞いた通りだ。
シュロナのダンジョンは階層型となっており、10階層までは弱い魔物しか出ないそうで、低ランク冒険者の修行場所みたいになっているそうだ。
ナックベール王国で1番大きいダンジョンらしく、未だにどこまであるのかわかっていないそうだ。
今のところ最高到達階層は85階層だそうだ。
「なんか出てきそうな雰囲気だね⋯」
洞窟内は薄暗い。
所々光る石がポツポツと点在し、辺りをひっそりと照らしている。
光る石はダンジョンにしかないらしく、持ち出そうとしても、ダンジョンを出ると効力が無くなり光らないそうだ。
ダンジョンには謎が多いらしく、未だに分からないことだらけと言っていた。
「お、やっと魔物が出てきたな」
目の前にはゴブリンたと呼ばれる醜い人型の魔物がいる。
たった一体だ。
俺達を見つけ、何故か笑い始めたゴブリン。
「笑ってるな」
「うん、笑いながら走ってきたよ」
アサミさんも森で魔物に対して慣れてきたのだろう。
ゴブリンと遭遇しても冷静だ。
そう言えば森を出て初めての戦闘だな。
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